鷺沼の家ハコハッコ。適材適所の素材と構造のハコ状の部屋群の構成。
施主が望んだな中庭を咀嚼し、南面の半層ずらしたルーフテラスに置き換えた。それにより北側のリビングにもテラス越しの光が注ぎ、室内は明るく、視覚的にも伸びやかとなっている。加えてその半層分のレベル差は、隣家からのプライバシーも確保している。エントランスから最も高いルーフテラスまで、場所ごとに高さが変化し、それぞれの空間が”箱”になっている。寝室の箱は、シックな色調の木製。水廻りはコンクリートでくるみ、湿気を押えつつ蓄熱をする。吊られた書斎は鉄板張りと鉄骨梁で補強されている。箱の性質に合わせて適材適所に色調や素材を選び、構造にも配慮している。それぞれの箱の窓からは、切り取られた緑や空、室内の風景が眺められる。閉じていながら、つながる気分が味わえる。
日本建築学会作品選集2008 日本建築家協会優秀建築選2007 コンフォルト 2007年6月号 DETAIL JAPAN #17(2007年9月号) 新しい住まいの設計 2007年7月号 エスクァイア 12月号