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立川ANNEX倉庫と家の間のディテール

10年ほど前に私たちが設計したアパレルメーカーの本社およびオーナー住宅(以下、本棟)に隣接するアネックスである。用途地域が複数に渡る敷地で、法規制はもとより、構造形式や高さのバリエーションが幾通りもあったが、隣りの高さ方向に縦に伸びる5階建てRC造の本棟とは対照的に、敷地の奥の第一種低層住居専用地域内に広い間口を生かした軽やかな木造建築をつくることとした。木架構を現しとし、1階から2階に伸びる通し柱による下部架構と、90mm角の斜材が角度を変えながら母屋を支えHP面をつくる小屋組架構で構成している。この小屋組架構と下部架構の中間に位置する2階床架構により、それぞれ個性的で大らかなワンルーム空間をつくり出している。 1階は写真スタジオとしても利用される倉庫、2階はオーナーの別宅である。用途上、1階は開口部を抑え、暗い空間に控えめに光が差し込む。対象的に、住居として使用される2階は妻面を全面開口とした明るい空間である。特にファサードである西面を考慮し、頻繁に行き来するモノレールからの視線を遮ることと、西陽対策として高い遮熱断熱性能を備える中空層の厚い半透明のポリカーボネイトを使用した。結果、淡い光に満たされる影のない世界が生まれた。 支持地盤は現況より1m程のレベルであったので、そのレベルにベタ基礎を設置し、そのまま土間床として利用している。基礎設置の際に掘った土は築山にして2階まで登っていけるようにし、居住フロアを大地と連続させた。半透明ではあるものの全面開口の軽やかな仮設感覚の佇まいは街に開かれる。本棟と戸建住宅群に挟まれるこのアネックスは、用途、スケール、建ち方において、いずれにも類別されない新しい風景を目指した。

新建築住宅特集2022年1月号 Archdaily/CL, designboom/IT, Archilovers/IT

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