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逓信~郵政建築展@郵政博物館

祝日だというのに、今日は大学の授業。
一昔前、祝日は休みだったように思いますが、
今は文科省から大学にいろいろとお達しがあるようです。
建築学科の学生にとっては、
良い建築を見て廻ることこそが最良の授業とも思いますが、
このご時世はなかなかそうはいかないようです。
祝日が大学だけというのもちょっと悔しいので、
逓信~郵政建築展に立ち寄ってきました。
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逓信建築と言えば、吉田哲郎山田守という名前を思い出しますが、
これまではあまり、いや全く興味がなかったと言っても過言ではありません。
山田守と言って知っているのは、京都タワーと武道館、
あとは事務所近くの蔦珈琲店(旧自邸)くらい。
吉田哲郎の代表作は、やはり東京中央郵便局でしょう。
東京中央郵便局と言えば、学生の頃、
消印有効の締め切りぎりぎりまで粘って、
徹夜続きの寝不足な時に何度も通ったのが懐かしくもあり、
天井の高い室内が名作の香りをはなっていたのを思い出しました。
今の学生はそんな時は近くのコンビニに行くので、
そのような思い出がないのも少し残念ですね。
今は、KITTEとなって表層だけは残っていますが、
残念ながらその空気感はあまり感じられませんね。
今回の展覧会では、吉田哲郎はブルーノタウトと交流することで、
日本建築を世界に、あるいは欧米の思想を日本に伝え、
そして、自ら合理主義、機能主義に基づく近代建築を設計するなど、
日本の建築界に多大な影響を与えたことをあたらめて知りました。
逓信建築が明治、大正、昭和と時代背景ととも変遷していくのですが、
海外からの技術を取り入れながら進化していく切り替え地点は、
日本の伝統木造建築でいうところの鎌倉時代と同じような面白さを感じました。
そして、戦後に日本の伝統を再認識した上で、
いかにデザインするかを模索したというあたりは、
21世紀の現代においてもあまり変わっていないと痛感させれました。
逓信ビルの工事風景の映像もいろいろな意味で興味深いものでした。
たった50年前のことだというのに、
工事現場におけるは安全管理が現在に比べると非常に甘く、
鉄骨フレームだけがそびえ立つ、命がけの現場なのですが、
その風景は美しく、とても印象的でした。
そして、その展覧会を後にして、大学へ。
今回のワークプレイスの課題出題は渡辺先生。
彼は僕が大成建設設計部在籍時の一つ下の後輩で、
今も大成建設でバリバリ頑張っています。
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渡辺先生が最近のオフィスの潮流などを熱弁しているところ。
個人的には逓信建築から現代のオフィスという流れで、
明治から現代まで繋がった一連の話になって良かったです(笑)。
その後、各班に分かれてエスキース。
祝日というのに、建築三昧の一日でした。
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