日本建築学会が編集する「建築設計資料集成」という本があります。
大学で建築学を専攻する人が、必ず一度は目にする本です。
そのコンパクト版が「コンパクト建築設計資料集成」。
そして、このほどそのインテリア篇が出版され、
私たちが設計した「たまらん坂の家」がそこに掲載されました。
「たまらん坂の家」が掲載されているページには、
「バラガン自邸」、篠原一男の「白の家」、
伊東豊雄の「中野本町の家」歴史に残る名作がずらり。
とっても光栄なことです。
月: 2011年3月
「たまらん坂の家」で「SUMAI no SEKKEI 賞」
「住まいの環境デザイン・アワード」の授賞式が
新宿のパークタワーで行われ、「たまらん坂の家」で
暮らしデザイン部門の「SUMAI no SEKKEI賞」をいただきました。
「SUMAI no SEKKEI賞」とは、
建築雑誌「住まいの設計」の編集長の鈴木康之さんにより、
数ある作品の中からこれは!と思う一作品が選ばれ、与えられる賞です。
有難うございました!
「たまらん坂の家」で「SUMAI no SEKKEI賞」をいただきました。
「たまらん坂の家」の竣工後検査に行った時の写真です。
冬だというのに緑が絶えず生い茂り、インテリアも充実してきました。
センスの良さに脱帽です。
竣工時はコストの関係で未完だったバスコートもついに完成。
これからの季節もまた楽しみです。
「深沢の家」塗装工事
柱シリーズの2作目「深沢の家」は今、塗装工事中。
外壁の左官工事を終え、足場の解体ももう間近。
震災の影響で、建材の調達が難しく工事中断の多い中、
この住宅に関しては特に影響もなく、
来月中旬には引渡しの予定です。
この建物の特徴であるV型の柱が、
大空間を可能にすると同時に、空間を分節する役割を担っています。
来月上旬にオープンハウスを予定しておりますので、
ご興味のある方は info@mds-arch.com までご連絡下さい。
詳細が決まり次第、ご連絡させて頂きます。
東日本大震災「たまらん坂の家」で
東日本大震災で被災された方々、関係者の方々におかれましては、
心よりお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧をお祈りいたします。
震災後、これまで当事務所が手掛けた全ての建主さまにご連絡し、
建物に問題のないことを確認致しました。
問題がなかったことを確認できた一方で、
私たちの責任の重さを改めて痛感し、
今後も建主の財産を守るということは勿論、
社会資本として建築、そして街をどのようにつくっていくべきかを、
真剣に考えていかねばならないと思いました。
震災当日は「玉川上水の家」、「たまらん坂の家」の竣工後検査で、
私たちは事務所を空けておりました。
「たまらん坂の家」のある多摩東部は震度5弱とのことのようなので、
東京都心の震度5強よりはやや揺れが小さかったのかもしれません。
尋常ではない揺れであると感じてはいたものの、そのまま検査を続け、
工務店さんはシーリングなどの手直しを行い、帰宅の途につきました。
JRが終日運休との発表があったので、私たちは歩いて都心に向かい、
幸いにも2、30分ほどでタクシーをつかまえることができました。
都心方面へは帰れない家族を迎えに行く車で渋滞し、
普段であれば1時間もかからない距離で、3時間半ほどかかりましたが、
とても恵まれた状況だったと思います。
環七より内側に入ったあたりから外側に向かって歩く人が増え始め、
山手線、明治通りと都心に近づくにつれ、その数が徐々に増し、
都心部の混乱した状況がようやくわかってきました。
事務所に戻った時には、既にスタッフにより
棚から落下した本や模型が元に戻されていたので、
正確な被害状況はわかりませんが、
私たちが受けたダメージは比較的少ないように感じました。
節電および計画停電による交通機関のダイヤの乱れや、
協力事務所、工務店、メーカーとの連絡が取りにくいことが、
やや通常通りとは言えない状況ですが、
極めて恵まれた状況であることには間違いありません。
ただニュースを観て、節電、募金を行うだけではなく、
建築家として今、何をすべきかをよく考え、
社会に対して責任ある行動をしていきたいと思っております。
東京理科大学 卒業設計審査会
ちょっと前の記事ですが・・・
今年も理科大の卒業設計の審査会に行ってきました。
小嶋さんが教授を退官されるということもあったのか、
審査を行う教授、非常勤講師が25名も集まりました。
1次審査を通過した学生が10数名なので、審査する側の方が圧倒的に多く、
質問攻めで学生はかなり押され気味でした。
人数が多くて言いたいことがなかなか言えない状況で、
各講師の考え方が当然違うので、最後まで意見は収束することなく、
長い議論の末、最終的には1等は多数決で決まった感じでした。
学生の設計は基本的には実際には建つことはありません。
その場合、ロジックと図面表現の美しさだけで評価されがちですが、
本来、建築の良さはそれだけでは判断できません。
うまく言えませんが、それは空気感とでもいうのでしょうか。
感覚的なそのようなものは、
議論にならないという意見を言う人もいましたが、
本当にそこを完全に無視した議論で良いのでしょうか?
そこが欠落している人が実際の建物を設計するようになると、
ロジックだけの貧相な空間をつくるようになることでしょう。
写真からは伝わらないそのようなものこそが実際は大切で、
インターネットに慣れ親しんでいる学生に、
そのあたりを教えるのはとても難しいと常々思っています。
講評会は審査する側にとっても勉強になるものです。
理科大の卒業設計審査会は長時間におよび、
第二部からはワインとおつまみが出るのが特徴です。
お酒が入っても勿論真剣。
司会は例年通り小嶋先生。今年で退官、お疲れまさでした。
事務所、移転しました!
3月1日から事務所を南青山に移転致しました。
青山通りから骨董通りを曲がってすぐのところで、
最寄駅の表参道から徒歩5分ぐらいです。
渋谷駅、原宿駅からですと歩いて約20分。
是非、近くにお越しの際はお立ち寄りください。
住所はこちら→東京都港区南青山5-4-35