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イタリアとの国境の街、マントン

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カップマルタンからさらに東に行くとイタリアはすぐそこ。
その手前にカラフルな街、マントンがあります。
大成建設在籍中にニースのプロジェクトがあって、
その時の上司の野呂さん(前の設計本部長)が、
コートダジュールのイチオシの街はマントンと言っていたのが懐かしい。
ここマントンに行くのを夢見て頑張っていましたが・・・
そのプロジェクトはなくなり、結局、行くこともなかったのですが、
それから20年、いつか行きたいとずっと思っていました。
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確かにイタリアの近くということもあって、どことなくフランスとは違う街並みです。
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どこを切り取っても絵になります。
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急な斜面に連なるように建物が建っていて、
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立体的な迷路です。
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家の中なのか、外なのか境界がはっきりしません。
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建物の隙間からは、真っ青な海と空。本当に晴れてて良かったです。
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また、ついのんびりしてしまいました。。。
飛行機に乗り遅れないように、大急ぎでニース空港へ。
今回は、薄暗い早朝に起きて日没まで車で廻るハードなスケジュールでしたが、
それ以上に移動距離が6日間で1800kmとかなりのものでした。。。
本来なら3週間くらいでのんびり廻ると、優雅なバカンスになったことでしょう。
今度はそんなのんびりした旅をしたいものですが、、、無理ですね(笑)。

カップマルタンのアイリーン

bunkamura ル・シネマで14日から上映されますが、
その舞台となっているのが、ここカップマルタン。
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ニース同様、砂浜ではなく、砂利の浜です。
この上に寝ると、とても痛そうですね。
海のそば、写真中央に小さく見える白い小さなたてものが、
アイリーン・グレイの別荘、E.1027です。
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その拡大がこちら。
右上にコルビュジェの休暇小屋も木々の間から見えます。
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アイリーン・グレイの別荘は数年前に公開(事前に予約が必要)されたばかりなので、
中に入ったことがある人は少ないのではないでしょうか?
ガイドさんの説明によると、殺人事件があった後、ずっと廃屋になっていて、
アイリーンを激怒させたコルビジェのあの有名な落書きがあったおかげで、
フランス政府から補助が出て、今のように見学できるように補修されたとか。
なんとも皮肉な話ですが、コルビュジェのおかげのようです(笑)。
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コルビジェが嫉妬した(?)センスの良いインテリア。
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右にちらっと見えるのが、コルビュジェの絵(有名な落書き?)。
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海側はガラス張り。バルコニーと日よけもきちんとついています。
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とても気持ちよさそうなハンモック。
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その先は絶景です。
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庭もセンス良くタイルを貼り分けられています。
映画「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」公開が楽しみですね。

絶景のカップマルタン

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日本人の建築家にとってはカップマルタンと言えば、
このコルビュジェの休暇小屋。
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海からの距離もほど良く、窓からは青い海、
そして、その先にモナコが見える最高の立地に建っています。
ちなみに、ここカップマルタンはコルビュジェが海水浴中、
心臓発作になって亡くなった場所でもあります。
このあたりは急斜沿いに別荘がぎっしり建っていて、
その一番上のあたりにレ・ドゥー・フレールというレストランがあります。
ということで、昼食はそちらのレストランへ。
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見て下さい!この風景!
運良く、レストランの最前列が空いていました。
この絶景を眺めながらの昼食。最高です。
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少しズームインすると、こんな感じ。
奥の半島のあたりがモナコ公国の宮殿があるあたり。
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昼食後、街をぐるりと散歩しましたが、
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どこを切り取っても絵になる風景。
カップマルタンはコルビュジェの休暇小屋だけではありません!

ラチュルビの猫

南仏は観光客が多いからか、猫は人に慣れているようです。
とても人なつっこいです。
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ラチュルビでモナコの夜景を見ようと散歩していると、
トボトボ猫が後ろをついてきます。。。
立ち止まって、カメラを向けると・・・・
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後ろを、向いて・・・・
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カメラのレンズを拭いてくれます(笑)。
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そして、気になるのか、ちらっとこちらを見て、、、、
こちらが歩き出すと、また後ろについてきます。
これを何度も、何度も繰り返し、、、、
後ろ髪を引かれつつ、振り払ってしまいました。
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すると、しょぼ〜んと、こんな寂しげな表情。あら、可哀想。
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その先で、一所懸命、写真を撮る僕がいるのでした(笑)。

コートダジュールの鷲の巣村

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ニースからモナコ方面へ行く途中、 右側に絶景が次々現れます。。。。
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この半島には大富豪ロス・チャイルドの旧邸宅があります。
ヨーロッパ(世界中?)の大富豪が、このあたりに別荘を持ちたがる理由がわかります。
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そして、しばらく行くと、こちらが海と山の間に浮かぶ村、エズが見えてきました。
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絶景です!
ただ、遊園地のように入場料を払わないと、ここまで来れません。
観光化されてしまっているのがやや残念ですね。
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崖っぷちの絶景ポイントにいくつかホテルがありますが、かなりお高いです。
このあたりでは、お金を出せば(一泊150万円くらいのところもゴロゴロ(?)ある感じ)、
素晴らしいところはいくらでもあるのですが、コスパを考えると、
泊まるところがなかなか見つからず、、、、
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悩みに悩んで泊まったのは、エズの隣りの小さな村、ラ・チュルビ、
ミシュラン星付きレストランのシェフ経営する宿、オステルリー ジェローム。
コメントを見ると賛否両論でしたが、たまたま空室が出たのでそこに泊まることに。
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部屋からの風景が素晴らしく、夕焼けに染まる空と地中海。客室は◎。
そして、ウリの食事はと言いますと・・・・
夕食は、随分前からすでに予約で一杯だったのですが、
当日、無理を言って、割り込ませていただきました。。。
値段を考えると、まあいいかなというくらいの評価で、
わざわざ日本から行くところではないように思いました。
期待が大き過ぎたかもしれませんね。。。
むしろ、日本のフレンチはレベルが高い(お値段も高いけど・・)んだなあと改めて思いました。
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そして、次の日の朝、ホテルからほんの少し歩いて展望台へ。
手前がモナコ、その先に突き出た半島がカップマルタン。その先は、イタリア、
つまり、ここからは3ヶ国が望める絶景ポイントです。
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眼下にモナコの別荘群が・・・・ プールがあって屋根は赤い瓦。
現代建築が入り込む余地は全くなさそうです(笑)。

ヴァンスのマチス

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プロヴァンスとはまた違った雰囲気のコトダジュールの街、ヴァンス。
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この丘の中腹にマチスがデザインした礼拝堂があります。
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真白のインテリアはステンドグラスを通した色を落とし込むため。画家マチスらしい発想。
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窓から見えるヴァンスの街並。その向こうに地中海。
レマン湖は雨でしたが(涙)、コートダジュールは完璧です!
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ランチは細い路地沿いのテラス席のあるレストラン、ラ・リトットで。
コート・ダジュールは明るいですね。
子供が目の前を駆けるけるのも絵になります。
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洗濯物も絵になります。
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太陽の光が強いので、光と影がくっきり。
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建物と建物間から見える風景も美しい。
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猫も観光客になれているので全く動じず、むしろカメラの前に(笑)。

念願のルトロネ

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今回の旅の目的地、ルトロネの修道院。
一台も対向車が来ない山奥の細い道を走り続けてようやくたどり着き、
思わず息を呑み、、、、カメラを構えてしまう。
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辺境の地であることに加えて、夕方に着いたこともあり、
人はほとんどいない静かなルトロネの修道院。
闇に包まれた礼拝堂に夕方の横から光が差し込み、神秘的。
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そして、完璧なプロポーションに、また息を呑む。
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「粗い石」の細部にまで神が宿っています。
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礼拝堂を抜けた先に回廊があり、光が人をいざないます。
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写真では何度も見たことがある回廊の柱。実際に見て、感激!
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敷地の起伏にあわせて回廊も起伏があり、空間に変化を与えています。
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石の表情が光のあたり方で大きく変わります。
ロマネスクの修道院をこれまで見てきましたが、
ここルトロネが最も簡素で、そして最も完璧です。
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隙間から見える風景も完璧です。
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上に上がると回廊が見渡せます。
ルトロネをほぼ独占。閉まる直前に来て良かったです。
サントロフィーヌはギリギリ見れなかったけど・・・・(涙)。
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ここ数日、いくつも修道院を見学しましたが、ルトロネが最後で大正解。
たくさん見てきたけど、ルトロネは圧倒されました。
勿論、見る視点を変えれば、それぞれに良いところはあると思いますが、
完璧な造形という点は群を抜いているように思います。
建築家同士でもよく話にあがるルトロネの修道院。
やはり、ここに来なければこの空気感は感じられないと思いました。

リュベロンの美しい村

セナンクとシルヴァカンヌの途中は、美しい村々が点在しています。
自転車でツーリングしている集団にも出会いましたが、
ひとつひとつのんびり廻ると、一週間くらいはかかるかもしれません。
こちらは、猛スピードで駆け抜けていくことになってしたが、
本当はそういう感じがいいのでしょうね。。。。
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セナンクの修道院から近いので観光バスで立寄る人も多く、
リュベロンで最も有名な村かもしれません。
丘の上にあるゴルドの街からの眺めも良いですが、
ゴルドを眺める方が美しいですね。
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ゴルドから少し南に行ったところにという小さな村、ラコスト。
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ラコストの見晴らしの良いカフェで撮ったボニュー。
プロヴァンスのガイドブックを見ると、必ず出ている、今、人気の村のようです。
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ボニューの見晴らしの良いカフェからの眺めは最高。
左に小さく見えるのがラコストです。
ルトロネの近くでホテルを探している途中で、
たまたま修道院を改装したホテルを見つけました。
修道院を改装したホテルと言えば、
以前、ソットデムーラ設計のポルトガルのポサーダに泊まりましたが、
こちらは、もっと素朴な改装のようで値段もかなりリーズナブル。
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回廊から隣りの教会が見えます。
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修道院の雰囲気を残すインテリア。
眼下には赤い瓦屋根の連なる街並が眺められる最高の眺めです。
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そして、日没が眺められ、、、
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山(有名な山なのかな?)のシルエットが・・・美しい。
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日が沈むと、コウモリの鳴く怪しいげな雰囲気に・・・
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やや不気味な回廊を抜けて、その先にレストランがあります。
日本では絶対にあり得ない荘厳なゴシックのインテリアですが、
サービス・味はまあまあ(普通?)の値段相応のレストラン。
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このような過去の遺産がヨーロッパにはゴロゴロしているのですから、贅沢な話です。
ポルトガルのポサーダ、スペインのパラドール、
それらは国が手助けしていますが、フランスはどうなんでしょうね。
このようなゴシックやロマネスクといった大きな建築だけでなく、
リュヴェロンの小さな村々は、本来であれば過疎の村となってしまうところを、
そこを逆手にとって「美しい小さな村」というブランドを与え、
観光資源にしてしまうフランス人のしたたかさに感服します。
ミシュランについても、★の信憑性はさておき、
ある指標にはなっていますし、お金を生んでいることは確かですから・・・
日本も世界に誇る埋もれている遺産は掘り起こし、
もっと古い建物の文化的価値をきちんと評価し直す必要がありますね。

シトー派の三姉妹

プロヴァンスのロマネスク、シートー派修道院の三姉妹と言えば、
セナンク、シルヴァカーヌ、そしてルトロネです。
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こちらが末っ子のセナンク。
三姉妹の中で、唯一今も修道院として使われています。
ランベンダーの咲き誇る時期は素晴らしいそうですが、
その時期は人も多いし、お値段も高いので、
むしろその時期を外した方が良いかもしれません。
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気品に満ちた佇まい。
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回廊の柱脚。
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とても気品のある優しい表情をした回廊ですね。
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午前中のみ、自由見学ができるとことで、朝一で来るはずでしたが、、、、
出発が遅れて、団体客がゾロゾロ。
人がいなくなった瞬間を狙って、シャッターを切ります。
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こちらが次女のシルヴァカンヌ。
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セナンクとはシルヴァカンヌより簡素な佇まい。
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修道僧もこんな感じで中庭を眺めていたのでしょうね。
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装飾を排した禁欲的なシトー派の修道院。
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簡素でありながらも、窓ひとつとっても工芸品です。

フォンヴィエイユの小さなホテル

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リュベロンに行く途中、アルル北東のフォンヴィエイユという小さな村に一泊。
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この村らしい一軒家の小さなホテル、ヴィラ・レガリード。
緑の多い美しい庭に面したプロバンスらしい佇まい。
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内装は、モダンなプロヴァンス風(?)
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小さなプールもありました。
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くつろげるソファもあちらコチラに点在していて、居場所はいろいろ。
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人なつっこい猫ちゃんが、チョロチョロ。
あいにくホテルのレストランが休みで、
はす向かいのレストランへ行こうとしたら、、、
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猫ちゃんが、ご案内してくれましたが(笑)、
勢い余って店まで入ってしまい、お店の人に叱られいました。
かわいそう。。。
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見るからに美味しそうな前菜。
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そして、主菜。
チーズ、デザートも美味しく、地元の人しかいない落ち着いた雰囲気で、
むしろホテルのレストランが休みで良かったかも。
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朝食はホテルのレストランで食べて、つい、くつろいでしまい、、、、(笑)
またしても、出発が遅れてしまいました(汗)。
もっとのんびりくつろげればと思いつつ、先を急ぎます。

アルルかららモンマジュールへ

アヴィニヨンから少し南下したところにあるアルル。
ローマ、エルサレムと並んでキリスト教の三大巡礼地、
サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう4つの巡礼路があって、
その起点がパリ、ヴェズレー、ル・ピュイ、そして最も南がアルルです。
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ところで、こちらのアルルの街角でさり気なく撮った写真、
よく見ると、壁はつぎはぎだらけで、汚れているし、縦樋を露出しているし、
歯抜けになったルーバーの鎧戸など、言葉だけではとても酷い風景となるはずが、
絵になるのですから・・・・・歴史が積み重なった凄みがあるのですね。
日本人は細かいことに気にし過ぎて(勿論、それが良い点もあるのすが・・・)、
大事なものを見落としている気もしますね。
そんなアルル旧市街は街そのものも魅力的なのですが、
この周辺は世界遺産クラスの建物はたくさんあって、
のんびりそれらを見ていると、全く先に進めなません。。。。
ということで、闘牛場も尻目にサントロフィーヌ修道院へ。
ここが巡礼路の起点の場所です。
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ゴシックとロマネスクが混在した不思議な回廊ですが、
むしろこの不明快さが、この修道院の歴史を感じさせる面白さがありますね。
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可愛らしい聖人が柱に彫り込まれています。
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美しい回廊の柱がつくる光と影。
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中庭から見た回廊。
そして、古建築や旧市街を堪能しつつ、ここで現代建築で一休み。
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アンリ・シリア二の古代アルル博物館へ行きました。
三角形の平面に規則正しい列柱と独立した壁による空間構成が明快です。
今回、南仏で立寄った唯一の現代建築です。
そして、アルルから少し北東に行ったところにあるモンマジュールへ。
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人と比べると、とても大きいことがわかりますね。
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修道院の回廊も見比べると全部違いますね。
当たり前ですが・・・

アヴィニヨンから水道橋へ

ローザンヌからアヴィニヨン、かなりの距離ですが、
なんとか明るいうちにたどり着きました。。。
アヴィニョンの旧市街は街全体が世界遺産になっているようなところなので、
そんな街に溶け込んだ路地沿いの小さなアパートメントホテルに泊まることに。
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1600年代の建物を改装したAutour du Petit Paradis。
宿のオーナーさんは、日本人にもっと来て欲しいとのこと。
僕の紹介だと安くしてくれるそうで、
泊まりたい方は直接メールで連絡欲しいそうです。。。
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泊まったのはパティオ(ほぼ専用の庭)から入るメゾネットの部屋で、
キッチンも付いた南仏らしいインテリア。
こういうところは長期間泊まる人が多いのでしょうね。
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ダイニングテーブルもちゃんとついてます(料理する余裕はありませんが・・・)。
階段であがった上が、ベッドルーム。
ほぼ寝るだけということで安い部屋を予約していましたが、
アップグレードしてくれたようです。。。どうも有難うございます。
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共用部も南仏の香りがします。
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ほんの少し中心部から外れているので、周りはとても静か。
夕食は路地を少し歩いて、宿のオーナーから教えてもらった地元の人が集うお店へ。
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前菜。
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主菜。
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デザート。
とても美味しく、お腹一杯。大満足!
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朝は近くの市場へ、パンと総菜を買い出しに。
散歩してしていて、全く飽きない美しい街並です。
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そして、アルルへ行く途中、ポン・デュ・ガールへ。
ローマ時代につくられたニームまで水を運ぶ水道橋です。
こんなものが2000年くらい前にあったのですから驚きますね。
その頃日本では・・・と思うと、ローマ帝国の凄さを思い知らされます。
ちなみに、手前のオリーブは樹齢1000年とのこと。
日本で見るオリーブとは全く違ったものに見えますね。。。

雨のレマン湖

パリから南仏に行くのに、ざわざわローザンヌを経由(迂回?)したのは、
SANAAのロレックス・ラーニングセンターに行きたかったからです。
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立衛さんの軽井沢の千住博美術館と少し似た要素もあるので、
なんとなくは想像はできてはいたものの、
やはり実際にその場に身をおかなければわからない空間でした。
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二枚の板を歪ませるという操作だけで、
基本的には大きなワンルーム空間を分節し、動線計画を解いているとは脱帽です。
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実際に体感して、様々な使い方ができる広がりのある地形のような床、
そして、それがきちんと使えるところまでつくっていることに感服しました。
僕が言うのも恐縮ですが、やはり素晴らしいです。
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ラーニングセンターから、ローザンヌの中心部を通り過ぎ、
レマン湖を見下ろす傾斜にラボー地区の葡萄畑を抜けてコルビジェの「母の家」へ。
あいにくの雨で、レマン湖の眺めはイマイチですが、、、
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葡萄の緑はみずみずしく(と思いたい・・・)、とても美しい。
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この美しい風景の中に。ハイテックな電車が走り抜けるのが、流石スイスです。
白と赤の電車のデザインがスイスらしいですね。
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「母の家」に着いた時には、雨が止むどころか土砂降りです(涙)。
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この住宅を高く評価する人も多いですが、何の感動もありませんでした。。。
昨日の運転の疲れと、ここからアヴィニヨンまでの長距離運転が気になって、
美しいレマン湖を眺めるはずが・・・

アアルトのメゾンカレ

二日目の早朝、レンタカーを借りるためにパリ東駅へ。
車でパリ郊外のアアルトのメゾンカレへ行き、
ブルゴーニュ経由で(いくつか見学して)、
ローザンヌまで一日で行くというのは、
そもそも無謀なスケジュールだったのですが、
ナビが着いてないなどのトラブル多発で、スタートから1時間遅れ。
天候も雨まじりとなってきて、いやな予感が・・・・・
久しぶりの左ハンドルのマニュアル車(フランスはATが高い)にもかかわず、
約束の時間がすでに過ぎていたので、猛スピードでメゾン・カレへ。
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門からは建物は見えず、大きな木の中を緩くカーブした道をしばらく行くと、
斜面に沿った片流れ屋根の美しい住宅が見えてきます。
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屋根の先端、雨水までもが完璧にデザインされています。
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どこから見ても美しい佇まいです。
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エントランスまわりも、圧倒的な完成度の工芸品のような佇まい。
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事前に予約をすると、この空間を独占できます(ちょっと高額ですが・・・)。
大勢で行くのと違って、静かに空間を体験できる上に、
誰にも邪魔されずに思う存分写真を撮ることもできます。
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天井も徹底にデザインされています。
完全にノックアウトされてしまうほどデザインされていて、
とても素晴らしいと思うと同時に、
どこか僕が目指す建築とは違うように思いました。
あらゆるディテールまでデザインされていているので、
それをひとつひとつ写真に撮っていると、すっかり時間を忘れてしまいました。。。
気がつくと、出発の予定時間を大幅にずれ込んでしまいました。
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大慌てで、東へ、東へと車を走らせます。
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畑の中に突如美しいヴェスレーの村が現れ、そこにロマネスクの教会があります。
12世紀に建てられたサント=マリー=マドレーヌ聖堂です。
二色の石を交互に積んだアーチの部分がロマネスクですが、
後陣のところは13世紀に改修されたゴシック様式とのこと。
ロマネスクというとルトロネのようなものをイメージしてしまいますが、
こんなに明るいロマネスク建築もあるのですね。
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ヴェズレーの高台から眺めると、広大な畑がどこまでも続いています。
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この時点で、スケジュールが大幅に遅れていたので、
軌道修正をすれば良かったのですが、
何も考えずに、少し北東のサントロフィーヌの修道院に行へ急ぎ、向かいました。
かなりのスピードで走りましたが、残念ながらギリギリ間に合わず、意気消沈。
天気もどんどん悪くなり、どんどん空も暗くなり、自然とスピードも遅くなり、
真っ暗な、雨の夜道を、慣れない左ハンドルで、国境越えです。最悪です。
クタクタになりながらようやくローザンヌについた時には、
もうすぐ日が変わるような時間になっていました。
部屋に着いたら、バタンキューです。。。。

大忙しのパリの一日

ここ数年、テロの脅威と難民問題など、
欧州の社会情勢が落ち着くのを待っていましたが、ますます悪化している状況なので、
それを待っていたら一生行けないような気がしてきて、
急遽(?)フランスに行くことに。
フランスはこれまに何度か行っているので、
今回は、あちらこちらの行きそびれていたところを廻ることに。
そのメインは建築巡礼のメッカとも言えるルトロネの修道院、、、
だったのですが、気がつくと、広域かつ数が増えていき、
いつも以上に、かなりハードなスケジュールになってしまいました(笑)。
日常業務も山積ということもあり、少しでも効率良くということで、
夜遅くに羽田を発ち、早朝パリに着くエールフランスで行くことに。
夜便に乗ったのは初めてでしたが、一眠りして起きたら目的地に着くので便利ですね。
今さらですが、、、忙しい時はこれに限りますね。
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早朝、シャルルドゴールに着き、ホテルに荷物を置いてパリ北東、ル・ランシーへ。
オーギュスト・ペレ設計、世界初のRCの教会です。
これに似たものは(?)あちらこちらに見かけますが、
これが100年前につくられたというのですから、驚きです。
コンクリートでありながらも威厳に満ちた風格があり、
また美しい光まとった外周の壁に包まれる体感をしつつ、
内田祥哉先生のお話を思い出したりもしました。
南仏に行く途中、パリに立寄ったのは、このル・ランシーの教会の他に、
ピエール・シャローのガラスの家とアアルトのメゾンカレに行きたかったからです。
この住宅二つは予約してその時間に行かねばならないので、ちょっと大変。
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シャローのガラスの家に行く途中、
ラヴィレットの南に出来たジャンヌーヴェルの最新作の音楽ホールに立寄りました。
が、中に入れず、少し時間があまったので、ルート上のノートルダム寺院へ。
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何度か来たことがありますが、やはりゴシックにはやられてしまいます。
素晴らしいです。
マニアックなところばかり行くので(笑)、ほとんど観光客に会いませんが、
ノートルダム寺院は、当然ですが、人で一杯でした。
人ごみに来ると、、、テロが少し気になったりもします。。。。
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そして、いよいよピエール・シャローのガラスの家。
既存の建物上部を残して、クリニックと住宅にしたものですが、
既存部分を鉄骨で支え、外壁をガラスブロックで覆っていますので、
内部空間だけ見ると、鉄骨造の戸建て住宅のように見えるのですが、
この建ち方自体がかなりユニークです。
内部空間が素晴らしいのですが、内部は残念ながら撮影不可。
実は、学生の頃から、数回、見学をトライしたものの叶わず、
今回、ようやく見学することができました。
その理由はいろいろあるのですが、難易度をあげているひとつは、
この外観が中庭に面しているからです。
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今回もある程度はその状況は知っていたものの、
メールでやりとりした指定の時間より30分前(早過ぎた)に行ったのですが、
やはり、全く入り口がわからず、30分間うろうろする始末。。。。
時間ちょうどに自動でこちらの扉が開いて・・・・ホッとしました。
中に、あの有名な建物が見えるではありませんか!
今でこそ、インターネットである程度は調べることができますが、
2、30年前の学生の頃、自力で見学させてもらうのは、
相当難易度が高かったわけです。
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そして、地下鉄でセーヌ川をわたり、ラロッシュ邸へ。
個人的にはコルビジェの住宅の中で最も好きな住宅です。
学生にパリに行ったらどこに行くべきですかと聞かれると、
こちらも(を?)おすすめするのですが、
本当に良いのか?と心配になり(笑)、学生の時以来の久しぶりの再訪。
やはり素晴らしい住宅でしたが、正直、期待していたほどの感動はなく・・・
それは、念願のシャローの住宅を見た後だったからなのか?
ただ、一度は絶対に行くべく住宅ですので、行ってない人は是非!
早朝から、長い一日でした。。。