念願の土浦亀城自邸、見学させていただきました!1935年竣工のこの住宅は日本のモダニズム建築の傑作。歴史的にもとても重要なので、勿論dcomomoにも登録されています。ところで、土浦亀城は一般の方にはあまり知られていないと思いますが、旧帝国ホテルをフランクロイドライトのもとで図面を描き、その仕事が終わって渡米しています。そこにはシンドラーやノイトラなどがいたようです。帰国後、大倉土木(現、大成建設)に所属し、その傍らでこの住宅を設計したようです。すでにこの時点でライト色が消えています。大成建設OBということで個人的にはほんの少し親近感(?)があります。
天候にも恵まれ、日の差し込んだ最高の状態で見学できたのですが、残念ながら撮影不可。ということで、こちらは新建築別冊の写真を拝借させていただきます。この住宅より少し前に竣工している名作、藤井厚二の聴竹居は近代のエッセンスを感じさせるものの、一般の人からすると普通の和風建築に見えてしまうであろう佇まいですが、こちらの住宅は誰が見てもザ・モダニズム。これが戦前の日本にあったのですから驚きです。パリに建っていてもおかしくないザ・インターナショナルスタイルですが、南に設けられた大開口と大きな庇。フラットルーフと大空間、一見RC造に見える住宅ですが、日本でのモダニズム建築の普及を考えて尺貫法のモデュールにのった在来木造住宅。
そして、複雑なパズルを解いた立体的な空間構成、まさに現代日本の都市住宅のお手本となる住宅です。
2019年のまさに今竣工しても、新建築やI’m home.などの雑誌に掲載されていても違和感は全くない新鮮さと、表紙を飾る程の高いクオリティです。土浦さんがご存命なら、今の建築家は何をやっているのか!と怒られそうです。もっと精進せねばと思い知らされました。。。