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建築視察@韓国・済州島

今回の済州島は、伊丹潤の建築視察がメインでしたが、
他にも気になったものをいくつかご紹介します。
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済州島の石を積んでつくった壁にコンクリートのまぐさ。
横スリットの向こうには、世界遺産に登録させれている、
城山日出峰(ソンサンイルチュボン)が見えます。
もう少し引くとこんな感じ。
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石積みの門の奥に、コンクリートの門、
そのさらに奥に先ほどの横スリットが見ます。
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こちらが入口、ゲニウスロキという美術館です。
この写真を見ても安藤忠雄氏の設計とは、
気づかないのではないでしょうか?
コンクリートの扱い方、空間構成など、
これまでの安藤さんの設計手法とは少し違った印象を受けます。
安藤さんが設計した建物は済州島に他に二つありましたが、
この建物はそう言う意味でも新鮮で、必見ではないでしょうか。
他にもマリオボッタの設計した建物など、
いくつか現代建築を見ましたが、いまひとつ。
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保存地区の集落にも立ち寄りました。
独特な屋根形状ですね。
トイレ、台所は勿論、部屋がそれぞれ一棟になっています。
いわいる分棟タイプです。
バリ島などの暖かい地域ではよく見られるタイプとは思いますが、
雪の降る済州島のような地域でもこのようなものがあるんですね。
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こちらは美術館に展示されいたポジャギ。
簡単に言うと韓国式のパッチワークですが、
本場、韓国のポジャギを初めて見ました。
MDSで設計したポジャギの家のポジャギですが、
いろいろんなものがあるんですね。
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夕食は焼き肉ではなく、海鮮鍋に変更。
ハサミで細かく魚介類を切ってくれますが・・・・・・
少し不思議なもの(?)も含まれいましたが、
マッコリを飲んであまり気にせず完食(笑)!
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コチラは、ポドホテルの韓式の朝食。
いろいろ盛りだくさんの一泊二日の済州島でした。

伊丹潤の建築視察@韓国・済州島

済州島の南西には、伊丹潤の作品がたくさんあります。
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ポド・ホテルからすぐの広大な敷地に、
伊丹潤が設計した集合住宅と美術館が点在しています。
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こちらは、「三つの美術館・水」。
あいにくの天候でしたが、かろうじて遠くに島が望めました。
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水面に空が映り込み、静けさの中で自然との対話する装置?
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そして、「三つの美術館・風」。
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この日は風があまりなかったのですが、
風が強い日は、風の音が聞こえるのでしょうか?
そして、夏の暑い時期は涼しい風を感じる場所となることでしょう。
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鉄板のボックスに円筒が突き刺さっった「三つの美術館・石」。
そして、遠くに見えるのが、「二つの手美術館」。
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円筒から暗い室内に光を入れ、石を浮かび上がらせています。
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「二つの手美術館」の地下の展示空間。
アートよりも、光沢の床に映り込む光と風景が印象的でした。
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こちらは「風の教会」。
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こちらは、PINXクラブハウス。
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エントランスーホールのトップライト。
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明暗のコントラストが強く、まわりは暗く沈み込んでしまうので、
柱はしっかりと素材感を感じられる荒い仕上げになっています。
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こちらは、少し離れた島の中心にある「ザ・クラシック・クラブハウス」。
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格子のディテールは、日本人にはややラフな感じてしまうつくりですが、
スケールの大きさからするとOKですね。
やはり、伊丹潤の建築は光と影、そして素材ですね。
とても勉強になりました。

伊丹潤の「ポド・ホテル」に宿泊@韓国・済州島

伊丹潤の建築視察に韓国、済州島に、
初見先生、他数名と行ってきました。
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今回のメインはこちらのポド・ホテル
流線型の屋根が特徴的な平屋の小規模高級リゾートホテル。
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ホテル全体がアート空間といった雰囲気で、
暗がりの先に外の遠くの風景が見ます。
光の反射を巧みに計算していることが伝わってきます。
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光沢のある真っ黒の石を使って光を感じさせています。
暗闇があるからこそ、光のあたたった緑がとても冴えて見えますね。
左右の遠くの方に抜けのある明るところがあって、
自然とそちらに歩いていこうとさせられます。
右の奥に進んで行くと・・・・
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このようなスペースになります。
右側は光沢のないカーペットの敷かれた客室への廊下。
左側は中庭に面した光沢のある黒い石が敷き詰められています。
その間はさらに鏡面状に磨いた御影石が、光の風景をを映し込みます。
中庭は自然に近いさりげない雰囲気に植栽が植えられていて、
上部は障子として、下部の風景を切り取っています。
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障子の和紙は日本では下部のように外側に貼るのが一般的ですが、
韓国は上部のように室内側に貼るようです。
ベンチに座って庭を眺めていると、時間を忘れてしまいます。
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こちらのレストランも、明るさを抑えているようです。
柱をさりげなく照らし、落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
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泊まったのは韓室のデラックスルーム。
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夜が明けると格子の和紙越しに淡い光が差し込み、
光沢のある床が上品にその光を反射させています。
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こちらが、韓紙にニスを塗ったオンドルの床。
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窓まわりは日本と韓国の折衷の障子です。
それを明けると・・・・・
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このような感じです。
天井は丸太と漆喰のやや田舎風のデザイン。
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屋根は流線型ですが、壁はグリットにあえてのせた状態で、
一見、チグハグの印象をうけますが・・・・・
屋根と客室天井の間に、空調が納められていると思います。
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クロゼットは洗面側とベットルーム側のどちらからも、
洋服を出し入れできるようになっています。
ガラス越しに見える浴室は温泉の檜風呂。
そして、支配人にスイートルームも案内して頂きました。
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こちら部屋は木張りの少しスタイリッシュな天井で、
こちらのリビングルームの他に、バスルーム二つと、
ベッドルームを4つに分割できるようになっている部屋となっていて、
4人で泊まる場合は、デラックスルーム×2室よりも良かったかも。
素材、光と影、日韓の伝統的なデザインなど、
学ぶべきことがいろいろありました。
他の伊丹さんの作品は、また後日!