2日間のホーチミンの1日目は主に郊外のギアの建築見学で、
2日目は東洋大学の篠崎先生に近現代の建築をご案内していただきました。
篠崎先生は同世代ということもあって、元々、知り合いではありますが、
ベトナム建築の研究者としては今や第一人者ですので豪華な案内人です。
東洋大学の先生つながりでツアーの詳細をつめてくれたで塚田氏が、
同時期に国際会議でホーチミンに来ていた篠崎先生にお願いしてくれて、
直前に一段とグレードアップしたツアーになりました。
バスの中で、フランス統治下のサイゴン、多くの中国人が住んでいたチョロン、
ホーチミンの歴史や街割りについて簡単にレクチャーしていただきました。
そして、最初に向かったのは統一会堂。
こちらが、ベトナムの近代建築の最高峰と言われる「統一会堂」。
都市の重要な軸線上にのった重要な建物です。
外周部は日陰をつくりつつ、風を流れるようなバッファーゾン。
どことなく、ブラジルのオスカー・ニーマイヤーに似てる気もします。
建物中央部の大階段。手摺が立派で、とても美しい階段ですね。
手前の手摺はどことなく中華風ですが、外は典型的なフランス風。
建物のセンターに立って大通りのずーと先を見ると、突き当たりは動・植物園。
当時のフランス人は動・植物園が好きだったらしい。
この後、中央郵便局やべンタン市場など、市内の見るべき建築を足早に見学。
こちらがベンタン市場。
こちらは図書館。日よけのデザインが印象的。
日よけの内側にガラス面があって、ガラスに太陽光が当たらないようになっています。
とても美しい窓まわりです。
過密スケジュールの中、わずかなフリータイムに第二児童病院に行きました。
開放的な廊下が両側にあって、日差しを遮るように病室があります。
パリのエッフェル塔を設計したギュスターヴ・エッフェルが、
この建物に関わったという話もあるようですが、篠崎先生によると関係ないようです。
それはさておき、リズミカルの列柱が美しい建築ですね。
建物中央にある吹き抜けまわり。
休んでいるにしては、随分とくつろいだご様子。。。
名作の建築にこんなことでいいのでしょうか?
と思ってしまうのですが、ここは低所得者のための国立病院。
地方から出て来てホテルに住めない患者の家族がここで寝泊まりしているとのこと。
アジアのこのような病院はどこの国にでもある普通の風景なのでそうです。
夕暮れ時は、ビルの屋上のテラスでビールを飲んで一休み。
一日目は、河岸のマジェスティックホテルのオープンエアーのエム・バーで。
そこからの眺めは最高です。南側はサイゴン港。
そして、北東には開発が進むビル群。
二日目はカラベルホテルのルーフテラスで夕日を眺めながらビールを一杯。
眼下には古いビルもたくさん残っていて、
それをリノベーションした若者が集うオシャレなお店もありますが、
その先には地下鉄や大規模ビルの工事が迫ってきているので、
再開発に飲み込まれるのも時間の問題かもしれません。
世界中のどこにでもあるビル群のようにならないことを願っています。