• Archive

写真の危うさと空間性

IMG_20211201210506.jpg
こちらがどこかわかりますか?少し前に、進むと・・・・
IMG_20211201210752.jpg
はい。そうです。新しく生まれ変わったホテルオークラのロビーです。原形はコチラ
IMG_20211201210639.jpg
この写真だけでは建築に詳しい人でも新旧の区別はほとんどつかないのではないでしょうか?谷口吉郎の名作を完璧に再現しています。
これが写真の危うさですね。ある意味では動画でも同じです。いくら名作を新しい建物に組み込んでも、実際は全く違った空間です。皆が絶賛する前のメインロビーは明るい外から一度低い天井の暗がりを抜けた先に、このロビーがあったからこそ多くの人々を魅了したのです。今回の設計者が前の空間性を理解しつつも、多くの人が滞留できるようにして、その時の圧迫感を軽減するために手前の天井も高くした等、いろんな事情があってこうなっていることもわかるのですが、空間性という点では少し残念な印象を受けます。
建築の本当の良さは実際にその場に立たないとやっぱりわかりませんね。写真だけでなく図面をしっかりと読み込んで想像力を働かせるとおおよその空間は理解できるのですが、、、。最近、インスタ映えするシーンのパッチワークのような建物が増えていますが、そこには魅力的な空間があるとは限らないということで、裏を返すと、そんな単なるパッチワークにならないようにきちんと空間を設計しなければと常々思っています。
話は変わりますが、上の2枚の超広角の写真はiPhone 13 Pro Maxで撮ったもので、画像処理を全くしてません。歪みもほとんどなくこんな写真が撮れるのは驚きです。ここまでくると、フルサイズの一眼レフ以外は出番がありませんね。
ブックマーク パーマリンク.

コメントは受け付けていません。