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「志木の家」お宅訪問

今年の夏に竣工した「志木の家」に行ってきました。
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漆黒の闇に包まれた個性的な住宅です。
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建て主の強い要望もあって仕上げはほとんどが黒で、
和紙、左官、タイル、木といった素材と光沢の違いで様々な表情をつくり出します。
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床のように大きなテーブルを家の中心に設え、食事はもちろん、テレビを見たり、
夫婦それぞれのデスクトップコンピュータを置いてネットサーフィンしたり、
そこでほぼ全てのことが行われます。
ソファの背後には横になりながらテレビを見るベッドスペース、
その両側にそれぞれの書斎があります。
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レースのカーテンで曖昧に仕切られたワンルーム空間となっています。
付かず離れず、夫婦二人のための適度な距離感のある住宅は、
漆黒の闇でありながら、周りの緑をすくい取って光が差し込み、
静かな二人だけの特別な空間です。
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とても個性的な住宅ですが、のどかな風景の中にひっそりと建っています。
この住宅ほど黒く、光を抑えたものを設計したことがありませんが、
数ヶ月住んだ建主様の感想は、
明るさはイメージ通りでとても落ち着くとのことで、
素材と光沢によるわずかな光の映ろいを楽めるとご満足のご様子。
設計者としてもとてもうれしいです。

「つつじヶ丘の家」お宅訪問

今年の夏に竣工した「つつじヶ丘の家」のご紹介。
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家の中に幾つもの家型が連なります。
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キッチンからリビングを見たところ。
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こちらがリビング。夜になると昼とは違った趣に。
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玄関から入るとバスルームまで見通せるプランは、
建て主のリゾートホテルのビラのようなイメージを具現化したもの。
小さな家には固定観念にはとらわれない発想の転換が必要です。
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バスルームからベッドルームが見えます(勿論、閉じることもですます)。
視線の行き止まりをつくらないように「抜け」を随所につくっています。
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ベッドルームはまさにリゾートホテル!
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小さな敷地に駐車場を確保することでL型の建物配置となり、
家に入りやすくするためにさらに建物の幅を縮めるといった感じで、
使い勝手を考えながら意図的にガタガタの平面としています。
そのガタガタなプランだからこそ、
その平面形状にあわせた小さな屋根が連続します。
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外観から天井、そして家具、レンジフードの小さなスケールまで、
家型のデザインがシームレスに連続しています。

「秋田の家」お宅訪問

今春竣工した「秋田の家」の撮影に行ってきました。
影に包まれた階段ホールの中心には漆黒のガラスアートが浮かび、
外周からにじみ入る明るい陽光に呼応して微かに輝く。
小さな空間の中に明暗と場とが凝縮された住宅です。 
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公園越しに一日中大好きな電車の発着を眺めたい。
そんな鉄道好きの家族のための住宅は、
東側を除く三方は道路に、西側は道路を挟んで広い公園に面しています。
三方を道路に囲まれ隣家から離れているという敷地の特徴を活かし、
西側の公園にだけ注目するのではなく、
どの方向にも開ける方向性のないプランがよいのではと考えました。
そして建主の要望は、緩やかにつながりながらも細かく分かれている空間で、
それぞれがこもれるような場であってほしいというものであったため、
中央に階段を配置しその外側を部屋が螺旋を描くように絡むプランとしました。
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エントランス。
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家の中心にショーン・サルストローム氏のガラスアートが吊られています。
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平面形状は敷地形状に沿ったシンプルな長方形で、
階段の位置によりその外側を取り囲む部屋の大きさや形状が多様となっており、
階段に沿って高さの異なる小部屋が連なっています。
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隣りあう部屋と部屋は、壁で仕切られる場合もあれば、扉でつながる場合、
床の段差のみで仕切りがない場合など様々な関係がつくられており、
部屋と階段の接点である開口部の取り方も一様ではありません。
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外周部の窓は、公園に面した西側と陽射しの入る南側は
高さや位置を考慮しながら大きめに、
陽射しの入らない北側と唯一隣家に面する東側は小さめにとっており、
窓と外部の関係に合わせて部屋を配置しています。
そして断面方向は、外観・内観共に仕上げと窓をストライプ状に積み重ねて
高さ方向である基準をつくり、
それに対して部屋の床レベルをスキップさせながら螺旋を描くことで、
プライバシーを確保しながら窓から見える風景が多様な空間をつくっています。
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外周部の最も高いとことからダイニングを見下ろしたところ。
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闇に吸い込まれるようなガラスアート。
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光と影がつくるアーティスティックな家でありながらも、
雪国の鉄道好きの親子が住まう小住宅です。

「富津岬の別荘」祝!竣工

「富津岬の別荘」が竣工しました。

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富津岬の防風林に面した敷地に建つ週末住宅です。
屋上からは東京湾に浮かぶ船、
天気の良い日は遠くに富士山が望むことができます。
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防風林に面した人通りの少ない敷地であるが故に、
おおらか、かつ開放的なプランとなっていてます。
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暖炉もあります。
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照明計画は今回もシリウスの戸恒さん。
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1階は寝室、水廻りと和室。
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水平を強調した軒とバルコニーが夏の強い日差しを遮り、
冬には日差しを取り入れるといった日本の風土にあった佇まい。
外構は夏頃、完成予定。
とても楽しみです。

「成瀬の家」お宅訪問

成瀬の家」に久しぶりに伺ってきました。
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複数の軸線をもつ平面と切妻の大屋根が特徴の住宅です。
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とても単純な操作で豊かな空間が生まれています。
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子供部屋からダイニングを眺めた風景。
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庭の緑も整ってきました。
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雨樋の樋も良い感じに古びてきました。
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夕方の庭から室内を見た風景。
「成瀬の家」の詳細はコチラ

「東山の家」お宅訪問

今年の春に竣工した「東山の家」に伺ってきました。
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外観は土の塊に穴を開けたようなイメージです。
壁の左官材は京都の土と砂利を混ぜて、搔き落とししました。
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アーチ状のアプローチを抜けて、左手が玄関です。
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玄関ホールよりアプローチ見返し。
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玄関から半層上がったところにライブラリー。
子供の勉強スペースにもなります。
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さらに半層あがったところにダイニングキッチン。
階段の吹抜けを大谷石の壁が貫きます。
上部からは漆喰の壁をなめるように光が差し込みます。
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ダイニングキッチンは落ち着いた雰囲気に。
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ダイニングとリビングは大階段で連続して、
大勢の来客があった時はベンチとしても使えます。
エッグチェアが絵になっていますね。
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リビングよりキッチン見返し。
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リビング床のフローリングはウォールナットのヘリンボーン。
階段ホールとの仕切りにもなっている輻射冷暖房。
夏は除湿もできるすぐれものです。。。
ソファの鮮やかなブルーが効いています。
左官、木、石といった素材を生かし、
窓の大きさを適度に抑えた明暗の中に北欧家具と小物が置かれ、
落ちつきのある上質な雰囲気になりました。
やはり住宅は住まわれて、ようやく完成ですね。

「桜丘の家」久しぶりのお宅訪問

昨年竣工した「桜丘の家」に久しぶりに伺ってきました。
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間口の狭い敷地を使い切った地下1階、地上2階の住宅です。
駐車場の横のボックス部分は外部から全く見えませんが、
1階は風呂とバスコート、2階はダインニングから連続したテラス。
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こちらは玄関に入ったところ。
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子供部屋から半層あがったところがダイニングキッチン。
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さらに半層上がったところがリビングです。
ダインニングの先にテラスが広がっています。
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天井を光がなめるように照明計画をしています。
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洗面所から階段ホールを見たところ。
家具や小物、庭やテラスの緑も手入れが行き届いていて、
とても清々しい雰囲気でした。

「成瀬の家」無事、引き渡し

「成瀬の家」無事、引き渡することができました。
引っ越し前の僕が撮った写真ですが・・・
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この住宅は、丘陵地にある郊外型住宅街の三差路に面して建つ平屋です。
周囲への圧迫感を考慮し、
軒高を抑えた切妻の大屋根を架けた佇まいとなっています。
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玄関は低く、暗く抑えて、
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そこをくぐり抜けると、天井の高い空間となります。
建物の中心がダイニングで、その先が南東の光が差し込むリビング。
ダイニングテーブルは床のフローリングを加工したもので、
写真の手前は座布団、リビングはソファ、奥はダイニングチェアに座ります。
キッチンで立ってる人も含めて、4つの床のレベル差の違いにより、
それぞれのところにいる人の目線の高さが揃うようになっています。
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キッチンから、ダインニング越しにリビングを見たところ。
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リビングから北側のキッチンを見たところ。
変形した敷地形状と高低差を生かすべく、大屋根の下に敷地に沿って部屋を配置し、
残された歪な残余空間には敷地高低差にあわせて床高さを設定し、
平面的にも断面的にも変化に富む、周辺環境に馴染んだ豊かな場をつくっています。
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ダイニングテーブルに座って西側を見たところ。
西日を抑えるために、天井を低く抑えて、開口部も最小限の大きさです。
暗がりをつくることで、光がつくる陰影がとても美しい。。。
左側は子供部屋になっています。
仕切りは両側から使える棚になっていて、一部は机です。
手前ダイニングから座布団に座って、ピクチャウィンドウから遠くが眺められます。
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子供部屋からは普通に椅子に座り、
勉強しながらキッチンで料理をするお母さんが見えるようになっています。
今はお子さんが小さいので、このような状態になっていますが、
勿論、お子さんが大きくなっった時のことも想定しています。
それは、5年後、10年後のお楽しみ!
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夜になると子供部屋の棚は照明ボックスに!
比較的に安価な照明器具を上手く組み合わせて、
明暗のある上品な空間に仕上がっています。
今回も照明計画はシリウスの戸恒さんです。
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デッキとリビングが連続しています。
夏に夕涼みしながら、ビールを飲んだら幸せな気分になれそうですね。
お引っ越しされて、少し落ち着いた頃に、
きちんと写真を撮らせて頂くことになっています。
家具が入ると一段と良くなりそうで、とても楽しみです。

祝!「岡崎の家」が竣工しました。

「岡崎の家」無事、引き渡しすることができました。
この住宅は片流れの屋根によるシンプルな勾配天井の平屋空間において、
間仕切壁に少しだけ角度を与えることで、
天井高さに大きな変化が生まれる特性を生かしました。
それに加え、周辺の高さレベルの違う既存の畑・日本庭園等に、
内部の床レベルも連動させています。
広さとちょっとした高低差のある敷地の中で、二つのシンプルな操作が、
プラン上にも天井高さ方向にも変化に富んだ内部空間をつくり出しています。
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外壁は焼杉材。玄関扉の右側にベンチを設置。
鍵を開ける時に棚として使えて、とても重宝します。
エントランスから徐々に高くなり、
また先に行くと徐々に下がって行きます。
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一番奥のキッチンからエントランスの方を見たところ。
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屋根の梁の架け方に特徴があります。建て方風景はコチラ
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梁と梁の間に照明を入れて、
梁の側面のみを照らすことで梁に陰影を与えます。
照明デザインを担当したのはいつも通りシリウスの戸恒浩人さん。
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床レベルが一番高いのは寝室で、
日本庭園側に緩やかに下がっています。
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エントランスからの見え方も、昼とはまた違った趣があります。
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一番奥の日本庭園側からの外観。
屋根の架構が美しく浮かびあがります。
家具が入ってどのように住まわれるのかとても楽しみです。

「八ヶ岳の山荘」無事、引き渡し

「八ヶ岳の山荘」 無事、引き渡しをすることができました。
建物の手前の外構は引越し後の工事となりますが、
クライアント自ら野菜を育て食する畑と共に、
建物の魅力をより一層引き立ててくれることでしょう。
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太陽の光を最大限取り込めるよう建物形状を南に開いた扇型とする一方、
夏の強い日差しと西陽を遮る3つの門型の庇を連らねた形態としています。
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リビングからダイニング方向を見たところ。
障子を通して入る光が、やさしく室内を包みこみます。
リビングの障子を開けると畑越しに、
南アルプス、甲斐駒が望むことができますが、
その方向の写真は畑ができるまでしばらくお待ち下さい(笑)。
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フレーム壁とフレーム壁の重なりを表現しました。
壁厚の重厚感が、空間の質を高めます。
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ダイニングからリビング越しに畑を見たところ。
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暖炉の炎は、眺めているだけでやさしい気分にさせてくれます。
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和室からダインニング越しにリビング見たところ。
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タモ材を使用したキッチン。
シンクの先に裏庭、そしてその先に八ヶ岳が望めます。
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2階の寝室も落ち着いた空間になりました。
手前がベットを置くスペース、窓際が書斎スペースとなっています。
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書斎スペースのとても長~い机。
1階の暖炉の煙突が2階を通りぬけているので、2階もポカポカ。
ゴールデンウィークに畑に苗を植えるそうです。
夏にはすばらしい野菜畑になっていることでしょう。
とても楽しみです。