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「井の頭公園の家」久しぶりの訪問

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昨年竣工した「井の頭公園の家」に久しぶりに行ってきました。
敷地の奥隣地には堂々たる桜の大木があり、その大木に対峙するように、
家族の成長を見守る象徴的な柱を空間の中心に置いた住宅です。
3.5間×3.5間の正方形の平面四周に壁を立ち上げ、
方形の屋根をのせた単純かつ安定した構成としています。
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庭の草木は生い茂っていました。
そのほとんどは竣工後、建主自らで植えたもの。
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方形の屋根は四周の壁のみに支えられ、
中央に配した太い幹(柱)は、枝(梁)を四方にのばし通路や座面、
階段といった小さな床から居室のような広い床を支える役割のみ担い、
屋根まで届かない、空間にそびえる象徴的な建ち方となっています。
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その幹を中心に空間をスパイラル状に積層させ、
空間のあちこちから様々な表情を見せるその姿は、
まさにこの住宅の空間における「大黒柱」となっています。
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隣地の桜に向かってのみ大きな開口を開け、
隣家が迫るその他3方は方形の屋根の下のハイサイドから光を入れています。
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ダイニングテーブルに面する窓は、桜を眺める桟敷席。
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樹木に幹から小枝まで序列があるように、梁にも序列があり、
前庭で育てた花をドライフラワーにして吊しています。
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GLから上方へと、樹木の枝のように緩やかに床が連なります。
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子供の勉強スペースから、キッチンを見たところ。
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家族団欒はダイニングテーブルとのことで、
TVを鑑賞するリビング的なスペースは小さめに。
南に面したこのスペースは開口を大きめとして、
周辺の街並にを上から眺められるようになっています。
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子供部屋は大黒柱の先端の最も高いところに。
大黒柱を覆う方形の屋根は、下方に光を落とす装置でもあり、
上方ほど明るく、垂直方向に明暗のグラデーションをつくります。
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天井を明るくして、その反射光を家全体のベース照明とし、
柱は影として浮かび上がらせ、その存在を強調しています。
こちらの照明計画はシリウスの戸恒氏。
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久しぶりの訪問でしたが、すっかりご自分の仕様になっていて驚きました。
充実した暮らしぶりに脱帽です。
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