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VRで住宅を設計する時代に

最近、設計のやり方が大きく変化してきました。とても小さな空間を検討する場合、大きな模型をつくってそれを覗き込むことで検討は可能ですが、CGパースの場合はどうしても超広角レンズで引き延ばされたもので全体を把握しなけばいけません。その超広角という歪みが、私たちに錯覚を与えます。MDSでは、12mmレンズで視点が1200くらいで描いたパース、というようにかなり厳密に歪みを意識してパースを見るようにしていますが、それでも、実際に出来上がってその場に身を置いて体感する時に違った印象を受けます。勿論、写真を撮ると、事前に描いたパースと全く同じなのですが・・・・不思議です。そして、その錯覚を解消するものがVRです。
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こちらがVRのゴーグルです。VRと言ってもピンキリで、こちらの機種はiphoneを差し込んで見る数千円で買える安価なもの。ただ、あまりリアルすぎると想像力の余地がなくなってしまうので、これでも十分すぎると思っています。気軽に買えるものなので、スッタフも自宅に自分用のものを買って、リモートで検討しています。普通に見える画角に設定して空間全体を見渡すことで、実際にそこにいるような錯覚を受けるのですが、歪みがあっても空間全体を包含するような検討したい場合は、超広角の設定にしてiPadを多用しています。それらを可能にしたのがBIMなのですが、MDSの場合はARCHICADの特にBIMxの存在が大きいです。小規模な建物をBIMで設計することにはかなり後ろ向きでスタディ模型をたくさん作って検討していましたが、リモートを余儀なくされたコロナ禍のここ1年で一気にARCHICADをフル活用することでデジタル化して、気がつくと住宅を設計する上では最先端をいくアトリエ事務所となってしまったのではないでしょうか?
今でも模型の持つ力はかなり大きいと思っていますが、そもそもプレゼンで模型を見せられない、リモートでスタディ模型を常に見れる状況ではない、架構が複雑で模型を作るのが大変すぎる、あるいは、リノベーションで既存と新規が混在して模型で検討するのが難しいなどなど、模型よりもコンピュータによる3Dで検討する方が勝る部分も多々あります。従来のCGと比べてBIMによる3Dの違いは、そのまま切った平面や断面が図面になることに加えて、簡単に描き出した3DデータをiPadやVRで簡単に見れることが大きい。それに加えて、絵ではなくて、ミリ単位の正確な寸法を計りながら、検討、指示だしできるという点が良いところだと思います。使い方を一歩間違えると、建物全体を考慮しない断片、断片が集積したおかしなものができてしまうと思っていますが、BIMによって小規模建物の可能性が広がると思っています。

謹賀新年2021

新年、明けましておめでとうございます!
旧年はコロナ禍で大変な一年でしたが、一方でBIMやオンラインなどを駆使した新しい仕事のやり方を模索するきっかけになりました。これが効率化だけでなく、より良い建築をつくることに繋がればと願っております。

MDSは1月5日まで冬季休業とさせていただいております。
本年も、どうぞ宜しくお願いいたします。

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今春3月頃(?)「暮らしの空間デザイン手帖」を大幅に改訂して出版予定です!

真夏の現地調査

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猛暑の中、新しいプロジェクトの現地調査に行ってきました。
こちらは江戸川の堤防から見える長閑な風景。左が江戸川、右が敷地です。
お寺の離れのリノベーション、面白いプロジェクトになりそうです。

アクリルの衝立

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ジンカンパニーの藤原さんから、アクリルの衝立をいただきました!社長自らの手作りとのことで、、、恐れ入ります。以前、ブログでも紹介させていただきましたが、打ち合わせスペースのコロナ対策としていち早く設置したビニールの仕切りは、今となってはやや仮設感覚の印象も受けるので、設計事務所のインテリアとしていかがなものかと気になっていました。どうも有難うございます!

MDSもリモートワーク

緊急事態宣言発令に伴いまして、MDSは原則、4月7日から5月6日までの間、在宅ワークとさせていただきます。ご連絡はメールにてお願いします。

ミナペルフォネンとダムタイプ

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東京都現代美術館で行われているミナペルフォネンの展覧会に行ってきました。テキスタイルだけでなく、住宅の原寸模型まであって見応えのあるものでした。
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その隣でダムタイプの展覧会もやっていました。ということで、そちらにも立ち寄ってきました。ダムタイムをご存知の方は少ないかもしれませんが、僕がダムタイプのパフォーマンスを最初に見たのは学生の時で、青山のスパイラルビル行われた「ph」。そのようなの前衛的なパフォーマンスというものを見たことがなかったので、かなりの衝撃を受けました。今回の展覧会ではその装置も展示されていて、それは30年ぶりに見る僕にとってはとても懐かしいものですが、知らない人がこの装置だけ見ても全く意味不明でしょうね。「ph」の次作「S/N」なども見に行きましたが、その直後に中心メンバーの一人の古橋悌二氏が亡くなり、その後、知人のライゾマティクスが舞台美術をやっているなど、メンバーが代わりながら活動しているということは知っていましたが、最近は全く行ってないですね。。。
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こちらは黒の板が流れる文字とは切り離されて浮遊して見えるなかなか不思議な空間でしたが、この写真だとその不思議な感じは伝わないですね?
ところで、MDSの現在のHPはライゾマティクスに随分前につくってもらったのですが、今、全く新しいデザインに作り直し中です。3月末くらいを目指していますので、お楽しみに!

おいしいワイン@Yクリニック

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数年前に竣工したYクリニック。ワインを一緒に飲みましょうというお誘いで、久しぶりに行ってきました。
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カリフォルニアワインがお好みで、年代物のシルバーオークやRabbit Ridgeといったワインがずらり。先生も奥さまも大の建築好きで、世界中の建築を見ていらっしゃるので話がつきず、、、、気がつくと終電の時間。とても楽しいひとときでした。なかなか巡り合わない珍しいワインを何本も空けてしまい恐縮です。ごちそうさまでした!

ジルヴェスターコンサート2019 → 2020

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今年の年越しは、横浜みなとみらいホール、ジルヴェスターコンサートで。カウントダウン曲はチャイコフスキー交響曲第5番第4楽章。曲が終わるタイミングで2020年の新年を迎えました。ところで、こちらのコンサートは何回目?と過去のブログを遡ってみると、、、
201720152013201120092008 。今年は7回目だったようです。月日が流れるのは本当に早いですね。一日一日を大切に過ごそうと思います。本年もどうぞよろしくお願いします!

大嘗宮見学

一生に一度見れるかどうかの大嘗宮。大混雑を覚悟して行ってきました。予想通りの大混雑ではありましたが、天候も良く、紅葉も綺麗だったので、苦痛になるほどではなかったです。石垣もじっくり見れました(笑)。
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坂下門からここまで来るのに約1時間半。
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話に聞いていましたが、皮付きの丸太を使った素朴な鳥居です。伊勢の白木の清々しい雰囲気とは違って、丸太材を使うところが特徴のようですね。
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遠目で見ると伊勢神宮の佇まいですが、千木も丸太。
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側面に廻りこむとこのような感じです。
右側が正面で、右側の回廊をアップすると、、、
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右側の建物の外壁を拡大すると、、、
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不思議な壁ですね。
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そして、側面後方。丸ノ内のビルとの対比が面白いですね。
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鳥居のある正面側は大混雑ですが、側面、後方は人もまばら。比較的落ち着いて見ることができました。
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階段も分厚い皮付きの丸太を使っていますね。
ところで昭和から平成になった時、初めて大嘗宮を東京につくったようです。その前までは京都だったので、平成は歴史的には大きな転換期だったということになります。伊勢の向きが東京と京都とは違うので、昭和以前と配置など微妙に違っていたり、今回の建物は一部茅葺きを板張りに変更するなど、いつも同じというわけではないとのこと。今回は平成の時よりも建物は質素で、金額も抑えられているようで、見学者数は増えたようです。天皇家の存在も時代と共に随分変化しているとは思いますが、あらゆる意味で国民との距離が近くなりましたね。

念願の土浦亀城邸見学

念願の土浦亀城自邸、見学させていただきました!1935年竣工のこの住宅は日本のモダニズム建築の傑作。歴史的にもとても重要なので、勿論dcomomoにも登録されています。ところで、土浦亀城は一般の方にはあまり知られていないと思いますが、旧帝国ホテルをフランクロイドライトのもとで図面を描き、その仕事が終わって渡米しています。そこにはシンドラーやノイトラなどがいたようです。帰国後、大倉土木(現、大成建設)に所属し、その傍らでこの住宅を設計したようです。すでにこの時点でライト色が消えています。大成建設OBということで個人的にはほんの少し親近感(?)があります。
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天候にも恵まれ、日の差し込んだ最高の状態で見学できたのですが、残念ながら撮影不可。ということで、こちらは新建築別冊の写真を拝借させていただきます。この住宅より少し前に竣工している名作、藤井厚二の聴竹居は近代のエッセンスを感じさせるものの、一般の人からすると普通の和風建築に見えてしまうであろう佇まいですが、こちらの住宅は誰が見てもザ・モダニズム。これが戦前の日本にあったのですから驚きです。パリに建っていてもおかしくないザ・インターナショナルスタイルですが、南に設けられた大開口と大きな庇。フラットルーフと大空間、一見RC造に見える住宅ですが、日本でのモダニズム建築の普及を考えて尺貫法のモデュールにのった在来木造住宅。
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そして、複雑なパズルを解いた立体的な空間構成、まさに現代日本の都市住宅のお手本となる住宅です。
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2019年のまさに今竣工しても、新建築やI’m home.などの雑誌に掲載されていても違和感は全くない新鮮さと、表紙を飾る程の高いクオリティです。土浦さんがご存命なら、今の建築家は何をやっているのか!と怒られそうです。もっと精進せねばと思い知らされました。。。

戸田芳樹氏講演@日本女子大学

松濤のプロジェクトでお世話になっている戸田さんの講演があるということで日本女子大学に行ってきました。講演のタイトルは「日本庭園のもうひとつの見方-デザインする立場から、作庭者のおもいやかたちを紐解く」。ランドスケープ界について色々なお話を聞くことができました。
日本庭園協会が主催ということで建築関係者は少なく、いつもとちょっと違う雰囲気。講演の最初に「今日皆様に伝えたいこと」として
1昭和30年〜50年代の造園作家へのオマージュ
2日本庭園史を空間、造園より見直す
3日本庭園を「ことば」でもっと語って見たい
の三つを挙げられました。1については戸田さんの著書「昭和の名庭園を歩く」で紹介されている事例(朝倉彫塑館、吉田五十八設計の猪俣邸といった小規模な庭から京王プラザホテル、砧公園といった大規模なものまで)を解説していただきました。以前は建物の背景、場合によっては脇役と思っていた庭ですが、今は建物を生かすも殺すも庭次第とも思っています。眺めいるだけではわかないものも、あれこれ経験が増えてくると他者の意図もわかるようになってきますね。「昭和の名庭園を歩く」はまさにそんな人向けに書かれた本です。そして、上記の2と3に関連するランドスケープ界に不足している事として次の3つをあげられました。
1近代造園史、特に日本人作家に冷淡である。
2作品を理解するアプローチが脆弱である。
3ランドスケープ作品を評論する人や場がない。
ランドスケープは建築と重なる部分も多いですが、建築界、特に日本の建築設計界とは全く違うようです。建築の設計は言葉で説明することは必須のようなところもありますし、近代からの歴史的な文脈は無視できないですし、あらゆる評価軸の賞やメディアがあって明確な一つのジャンルがありますね。勿論、この状況は恵まれた環境だとは思いますが、一方で自由度を狭めている側面もある気もしますが・・・
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日本女子大と言えば、SANNAが設計した図書館も見学できれば、、、と思っていましたが、近くにも行けませんでした。やむなく、歩道橋からの撮影(涙)。

月と花火

八ヶ岳に行った帰りに甲府に立ち寄り、丹下健三の名作、山梨文化会館のカフェで甲州ワインを飲みながらあずさを待っていると、突然、花火の音が聞こえてきました。会計を済ませて外に出ると、大きな花火が目の前で上がっていました。
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素早くバックからコンパクトカメラを取り出し、手持ちで何気なく撮ったものですが、パソコンで大きくして見ると、、、
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お月様が綺麗に写っています!月を撮ろうと思ったことがなかったのですが、こんなに簡単に綺麗な月が撮れるのですね。カメラは1.0型のCANON G7X markIIなのですが、データを改めて見ると、f2.8で1/250、ISO125ですから、まあ綺麗に撮れますよね。
ところで、G7X markIIの後継機種が先日3年ぶりに発売されましたね(笑)。

夏季休業のお知らせ

MDSは8月10日(土)〜18日(日)を夏季休業とさせていただきます。
19日(月)から平常業務となりますので、どうぞよろしくお願い致します。

隅田川の花火2019

夏の訪れを告げる隅田川の花火大会。台風が来るかもしれないということで一時は中止の話もありましたが、雨も降らず予定通りに行われました。

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今年も友人宅の屋上でゆったりと鑑賞。ただ台風の影響で風が強く、花火がかなり流されていました。
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花火が終わるとスカイツリーは五輪カラーに。テロや大災害などが多い昨今、毎年、花火大会が行われていることがとても有難いことに思えます。なぜか平和を願うライトアップに見えました。

露天掘りの大谷石採掘場

地下空間を堪能した後、カネホンの高橋社長に車で迎えに来ていただき、
カネホンさんの採掘所へ連れて行っていただきました。
地下深くを掘り進めているイメージがある大谷石の採掘。
今、露天掘りしているのはカネホンさんの一社だけだそうです。
50年ほどかけて一山をここまで掘り進めてきたそうで、
あと50年ほどかけて残りの部分を掘るそうです。
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連日の雨で池になっていますが、、、かなりの高低差ですね。
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直前まで雨が降っていたので、残念ながら採掘はお休み。
このレールに沿って両端のチェーンソーで切り出すそうです。
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残念そうにしていると、、、社長自らエンジンをかけてくださいました。
右側のハンドルでチェーンソーの位置を下げるとのこと。
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チェーンソーで切れ目を入れた後、
このように楔を打ち込むとわずかに石が平行移動して底の方が割れるそうで、
この後、UFOキャッチャーのような感じで石を運び出すとのこと。
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そして、取り出したものがこの状態。
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こちらのチェーンソーで石を整えて、
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このようなものになります。
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そして、こちらのダイヤモンドカッターで注文に合わせて切っていくようです。
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ところで、こちらは保管していただいている「松濤の家」の擁壁の大谷石
ツルハシで切り出した跡が残っていて、
チェーンソーやダイヤモンドカッターでは出せない味がありますね。
大谷石の蔵を解体して再利用することが多いようで、
宇都宮に移動していろいろ施工例を見せていただきました。
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こちらのお店もツルハシの跡が残った古い大谷石を再利用しています。
この後、高橋社長に連れられて夜の街へ。
夜遅くまでどうも有難うございました!
宇都宮に一泊して、翌朝、レンタカーで栃木県内の隈建築などを見て廻り、
夕方、宇都宮に戻って大谷石の倉庫を改装したレストランに行きました。
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こちらが石の蔵という創作レストラン。
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天井も高くなかなか良い雰囲気。
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石を巡る旅の締めくくりは、石に囲われた贅沢な空間で最後の晩餐。
充実した二日間でした。

地下空間を探検@大谷

宇都宮から北へ2、30分、久しぶりに大谷に行ってきました。
ちょうど10年前、大谷資料館に行ったことがありますが、
今回は打ち合わせを兼ねて現在稼働中の採掘所を見せていただくことと、
採掘後に地下水が溜まった地底湖をボートに乗るというイベントつき。
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こちらは現在、稼働中の採掘所。下を覗くと、、、
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こんなに深いです!そこから横に掘り進めています。
下に行くには左側の階段で降りて行くそうです!大変ですね。。。
地上からは全くわかりませんが、
大谷地区全体はかなり複雑に何層にも掘り進めているそうです。
ごく稀に地下で隣と繋がったり(笑えない話のようですが・・・)もするとのこと。
一時は陥没事故が続いて問題になった時期もあったそうですが、
今はきちんと計画を立てて安全に務めているとのこと。
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こちらは明治後期頃から採掘が始まった採掘場跡。
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大谷石はミソと言われる茶色の斑点が特徴ではありますが、
その斑点は不純物なのでミソの少ないものが良いとされているようで、
虎目(とらめ)の茶色の文様が入ったものが高価で取引されているとのこと。
この辺りは虎目の入った良い石の層ということで、
欲を出してしまってこんなに細くまで切り出してしまったのでしょう(笑)。
こんなに細くて大丈夫なのでしょうか???
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やはり全く大丈夫じゃないですね。。。。
ここが立ち入り禁止になるのも時間の問題とのこと。
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ここは戦時中に武器庫として使われていたようで、その残像が・・・
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ここは使われなくなった石切場の搬出口。左は事務所。
トンネル奥からトロッコを使って搬出していたようです。
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そして、地底湖に到着。このボートに乗って地底湖の先に進みます。
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下に傾斜して掘り下げている所に地下水が溜まっているので、
先に進むほど天井がどんどん迫ってきます。。。
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その先に進んで上陸。そして、しばらく歩くとこの風景!
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外気温20度くらい、内側の温度が10度くらいで、
雨が降った直後で湿度が高いからこそできるこの現象。
ちょうど露点温度に達している切れ目が見えます!美しい!
とても良いものを見せてもらったと大満足で出口に向かうと・・・
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なんとランチの準備ができているではありませんか!
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地元の有名なレストランのケータリングだそうです。
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サプライズの連続のこのツアー。詳しくは、OHYA UNDERGROUND
なかなか予約とれないようですが、絶対におすすめ!

篠原一男の「から傘の家」見学

篠原一男の「住宅は芸術である」という名言がありますが、
その言葉が持つ深い意味を今更ながら痛感する今日この頃。

建築界に多大な影響を与えた篠原一男氏の代表作「から傘の家」を、

今回、特別に拝見させていただきました。
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写真はアップ出来ないのが残念ですが、、、
1962年10月号の新建築 住宅特集のモノクロコピーはこちら。
この名作を見学させていただける時が来るとは思ってもいなかったので、
とても感激です!どうも有難うございました!

RCR@ギャラリー間

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ギャラリー間で行われているRCRの展覧会に行ってきました。
昨年の秋、苦労して探しながらオロト周辺の作品を巡りましたが、
展覧会に合わせて発売された本には、作品がマップにプロットされていて・・・
もう少しだけ早く発売してくれていたら・・・と思ってしまいました。
この展覧会では彼らの作品の良さはあまり体感できないように思いましたが、
興味を持った方はぜひ、行って見ることをお勧めします。
実際に行かないとわからない作品だと思います。
まだ行っていないベルギーの火葬場と南仏の美術館もぜひ行って見たいと思います。

山口文象「林芙美子邸」見学

特別公開された山口文象が設計した「林芙美子邸」の見学に行ってきました。
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中井駅で降りて神田川を渡って北へしばらく歩くと、
南斜面の坂を登り初めてすぐところに「林芙美子邸」の門があります。
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門を抜けて竹林の坂を少し登ると・・・
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玄関が見えてきます。素晴らしいアプローチですね。
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玄関の扉を開けると、、、上がり框がある一般的な玄関ではなく、
手前に靴脱ぎ石が置かれた少し高いところに「取次の間」が正面にあります。
「取次の間」は2畳のスペースですが、3枚の細長い小さな畳が敷かれています。
障子も通常だと2枚のところを3枚とすることで、広く見せているとのこと。
この玄関もそうですが、茶室の要素が家全体に散りばめられています。
林芙美子は茶の湯の世界にとても興味を持っていたので、
大徳寺のお坊さんに色々相談しながら、作ったようです。
ここを右に曲がると客間で・・・
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左の奥にも靴脱ぎ石がありますが、そちらはプライベートな空間。
あるいは親しい方を通す動線が確保されています。
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出版社の方などが通された客間。小さながらも落ちく部屋ですね。
ここならしばらく待たされてもいいですね(笑)。
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親しい人は、日当たりの良いこちらの茶の間に通されたそうです。
この部屋は家の中心にあって、廊下がぐるりと回っています。
そして、あちら側に見えるのはアトリ棟。
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実は左のアトリエ棟と右が生活棟に別れています。
竣工が1941年、建坪の制限あったため、60坪を30坪づつの分棟にしたそうです。
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こちらは竣工当時は書斎として使われていたのですが、
日当たりが良すぎるということで、隣の小さな納戸スペースが書斎に。
茶室や小間ではよくある下がり天井を大きな部屋で使っていたり、
2階ではよくある闌干があったり、、、
よく見ると普通ではないですが、それが良い雰囲気を醸し出しているのだと思います。
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その書斎の後ろを振り向くとこんな風景が。
どことなく忘筌に似ていますが、、、やはり忘筌を参考にしているとのこと。
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一見、古くさい(?)普通の住宅にも見えなくもないですが、

よく観察すると機能的な設備や平面計画など、随所に近代のセンスも感じられます。
時代を遡って見学する現代人にとっては、
逆に古いものが新鮮に見えるので、気づきも多いですね。

NYスタインウェイとストラディバリウス

久しぶりに上野の東京文化会館に行ってきました。
前川國男が設計した有名な建物なので、建物は何度も見学したことはあるのですが、
音楽を聴くのは今回がはじめてだったので、とても楽しみでした。
今回はマギーズセンターのチャリティコンサートということもあり、
建築関係者や大学関係者などの知り合いも知り合いもチラホラ。
マギーズセンターは知らない方も多いかもしれませんが、
イギリスの建築家チャールズ・ジェンクスの妻、マギーさんの遺言で、
20年前にできた、がん患者とその家族、友人のための無料相談支援施設。
今回のチケット代が全額、その運営費にまわされるとのこと。
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壇上に置かれているピアノはホロヴィッツのNYスタインウェイ。
そして、バイオリンはストラディバリウス、一流の音色の共演でした。
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プログラムにも最初からのっていた有名なバイオリンはさてき、
聴きなれないピアノの音色は演奏者の技なのかと思っていたら、
(それもあると思いますが・・・)
ホロヴィッツが来日した際に、ふだんから愛用しているピアノを、
アメリカからはるばる輸送して会場に持ち込んで演奏したことで知られる、
あのヴィンテージピアノだったようです(後から知って合点がいきました)。
曲目も良く、とても素晴らしいコンサートでした。
やはりホールは観るものでなく、聴くところですね。。。
建築関係者でなければ、当たり前のことですが・・・・(笑)。

磯崎新の茶室「有時庵」

磯崎さんが建築界のノーベル賞と言われるプリッツカー賞を受賞しましたね。
とって当然、むしろ遅すぎる受賞です。
明晰な鋭い言動が多くの人を魅了する一方で敵(?)も多いのでしょうね。
そんな今、旬(?)の磯崎さんの茶室「有時庵」が特別公開ということで、
見学に行ってきました。
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鉛とステンレスの複合板の円形の屋根と、正方形のスペイン産ライムストーンの外壁。
その壁の角の一部がかけたところに丹波の栗の柱が立っていて、
チタニウムの曲面の壁が水屋を切り分けています。
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よく見ると柱は庇には届いていない領域を分ける象徴としての柱です。
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四角く切り取られたステンレスの躙口。
硬質な人工素材を組み合わせることで、個々の素材を引き立たせ、暖かみと緊張感を融和しています。
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躙口から見た景色。左奥に見えるのが茶道口。囲い板は千年屋久杉、中柱は丹波椿。
二丈台目の小間ですが、非常に密度の高い空間です。
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こちらが貴人口。左に躙口。床は鉛板張り、床柱は薬師寺古材の桧。
手前は立礼式の土間となっています。
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水屋は明るくシンプル。
現代的なとても小さな茶室ですが、無限の広がりを感じさせる落ち着く空間です。
流石、磯崎さんです。感服いたしました。

「コープオリンピア」訪問

マーフィーのフローリングで知られるアトムカンパニーが、
東京オフィスをコープオリンピアに移転したと聞き、、、
早速、移転祝いも兼ねて建物見学に行ってきました(笑)。
コープオリンピアは東京オリピックの翌年、1965年に竣工で、
一億円を超えた「億ション」第一号ということでも有名ですが、
表参道の緑と風格のある佇まいでご存知の方も多いのでは?
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いろんな間取りの部屋があって、改装もされているので、
今となっては一つとして同じ部屋はないと思いますが、
こちらの部屋は、キッチン、水回りなど、ほとんど竣工当時のままとのことで、
リフォームの相談されましたが、、、、今のままが良いですね(笑)。
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屋上には今は使われていないようですがプールもあります。
360度の大パノラマの絶景です。
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丹下健三の名作、代々木体育館は来年のオリンピックに向けて耐震改修中。
この建物はどこから見ても本当に美しいですね。
西洋美術館に続いて、こちらも世界遺産登録を目指しているようですが、
オリピックに間に合えば良いですね。

「自由学園明日館」の大谷石

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自由学園明日館で東洋大の卒業設計展が行われているということで、
久しぶりに明日館に行って来ました。
アルバイトに来ていた金子さんと岡安くんの学年で、
講評会には行けませんでしたが、3位と5位とだったのこと。
彼らは会場にいたので、少しだけ講評を。
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ところで、ここ明日館の設計はフランクロイドライト。
ライトと言えば大谷石(?)。
某プロジェクトの大谷石、どうしようかなあ?と最近は常に頭の片隅に大谷石が・・・
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こちらの1階センターのホールの柱、他には1、2階の暖炉周りや、
外部ではエントランスの床などに大谷石が使われています。
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改めて間近で見てみると、、、
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かなりラフな表面のものを、少し複雑に積んでいますね。
規模とのバランスで表情も変える必要がありますが、、、悩ましい。。。

「高円寺の家」配筋検査

「高円寺の家」の配筋検査に構造設計者と行ってきました。
いくつか是正項目はありましたが、いよいよ内側の型枠を起こします。
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道路が狭い密集地で、かつ小さな住宅なので資材の置き場や、
作業スペースはほとんどないので、杉板型枠をトラックに立て掛けながら・・・
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こんな状況で、、、現場の中は足の踏場がありません(汗)。
これは大変。あと3層もありますが、どうぞよろしくお願いします!
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コンクリート打ち放しの丸いポツ、ポツの正体を知らない方のために・・・
こちらがセパレーター。型枠を外した時、白い部分の跡がその正体です。
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まず、外側の型枠からセパレーターを取り付け、内側の型枠を起こして内と外を緊結。
その型枠の中にコンクリートを流して、それを外して出来上がり!

謹賀新年2019

新年、明けましておめでとうございます!
今年は京都で新年を迎えました。

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折角、京都で年を越すということなので、、、
火のついた縄をくるくると回すをけら詣りで有名な八坂へ、
大混雑の中、行ってきました。
をけら詣りは大みそかの夜から元旦にかけて夜を徹して御神火を焚く神事で、
参拝者はこの火を火縄に移して持ち帰って、
神棚の灯明にともしたり雑煮を炊く火種にしたりして無病息災を祈るとか。
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をけら灯籠の火を吉兆縄に移して、、、
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くるくる回します。以前から、やってみたいと思っていたので、うれしい(笑)。
本来は自宅まで火を消さないようにくるくると回しながら持ち帰るようですが、
多くの人は出口の水の入った桶で消していました。
観光客やまっすぐ家に帰らない若者が多いですし、
そもそも人混みでくるくる回すのは迷惑ですね(笑)。
本年もどうぞよろしくお願い致します!

「吉祥寺の家」一年検査

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「吉祥寺の家」の一年検査に行ってきました。
住んでしばらくして設計意図がわかり、感動することも時々あるとのこと。
特に大きな問題はなく、とても喜んでいただけているようで何よりです。

鯨井勇氏の「プーライエ」の見学

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70年代の住宅、鯨井勇さんの自邸プーライエを見学させていただきました。擁壁に食い込むように作られた住宅で、増改築を繰り返して今の形になっているとのこと。現在は中庭は畑になっていて、自宅とアトリエは別棟になっています。
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鯨井勇さん学生紛争に翻弄された世代(日大なので本丸ですね)で、その頃の時代背景やこの住宅は卒業設計であることなど説明していただきました。その頃の学生のパワーは、今と全く違いますね。。。
鯨井勇さん、貴重な機会をどうも有り難うございました!