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最初で最後の半分リアルな授業

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一見、これまで通りの設計課題の全体講評会の風景ですが、、、
東京理科大学の設計演習前期の授業は、他大同様にオンラインで行われてきましたが、前期最後の全体講評会は講師陣だけでも大学に集まろうということになり、各班5名合計40名の優秀者は模型を事前に持参し、発表当日はオンラインで行いました。講師陣はオンラインの発表とリアルな模型も見ながら講評、学生全員はオンラインでその風景を観るというスタイルです。
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モニターに映っているのは、森班の太田くん。大学にある模型をTAがiPhoneのカメラで写し、学生たちに同時配信。
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大学で大きく映し出された左側の画像は太田くんが自宅のPCをZOOMで画面共有したもので、右側は大学でTAが撮影している模型写真。さらに、本日、事情があって来れなかった新任の講師、牧さんは別のモニターに映し出されています。。。1カメ、2カメ、3カメ、、といくつもの映像があって、学生たちは自分の見たいものを見れるというシステムです。
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優秀者40名が発表を終えた後、講師一人5票持ちで投票。その集計の結果、上位4作品がこちら。一番手前、太田くんが全員の票を集めてダントツの一等でした。今後の活躍に期待しています!
どこの大学もオンラインを駆使した授業を試行錯誤しているようですが、悪いことばかりでなく、良いこともあるということがわかってきました。一方で、これまでオンラインでは見せてもらっていた模型を、改めて間近でみると新たに気づくことも多く、模型が持つパワーを痛感しました。オンラインとリアルをうまく組み合わせると良さそうですね。大きな進化が始まっています。

卒業設計講評会@日本大学

先週に続き、本日は日本大学生産工学部の卒業設計講評会に行ってきました。任期が切れて一度退任したので、日大は久しぶり。以前は中村好文さん、木下庸子さん、谷内田さんといった僕より上の世代のスター建築家がたくさんいたのですが、ほとんどが若い世代の講師に代替わりしています。

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まず模型と図面だけの審査を行い、票が多かった12人が2次審査に進みました。
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こちらは一等、中里くんの作品。1次審査の時からイチオシでした。府中刑務所の壁を街に溶け込ませて、周辺を活性化させる提案。街に対しての提案は良いのですが、刑務所の内部は全く提案がないのが、少し物足りない気がしました。
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こちらは樋口くんの作品。諏訪大社の御柱の祭りのクライマックス、木落しの山の対岸の敷地に建てる博物館のですが、建ち方を含めなかなか魅力的な提案と思いました。1次審査の時から2番目?に押し続けましたが、全体で4位。
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講評会の後は学生を交えて懇親会がありました。この学年は僕は教えていないのですが、つぎつぎと学生が講評の続きを聞きにきて、とても積極的。これから楽しみです。頑張ってください。

卒業設計講評会@東京理科大学

今年も卒業設計の講評会のシーズンがやってきました。論文だけで卒業できる大学も多いと思いますが、東京理科大学は例年同様、卒業設計を提出したのは3分の1くらいでした。講評会前の1次審査にも行きましたが、全般的には酷いものはないのですがズバ抜けて良いものがなく、ほぼ全員がまあまあ良いという感じ。15名が2次審査に進み、まず各人が発表。
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こちらは大山さんの作品。最近はどこの大学もリノベーションが多いようですが、彼女は意図して全く建築をつくっていません。都市の隙間に仮設足場などを使って、グラフィティで紡ぐ街づくりの提案です。狭義の意味でのいわゆる建物はつくっていませんがとても美しいプレゼンテーションで、建築とは何か?を問いかける問題作品として注目が集まりました。
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投票で絞りこまれた上位の作品を取り囲んで、上位3作品を選びました。周りを見渡すと非常勤の講師陣はガラリと一新されていて、気がつくと僕が最も古株。
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一等の大野くん。彼はMDSにもアルバイトに来てくれていました。おめでとうございます!
昨年までは講評会の途中からアルコールが出て、エンドレスの議論が繰り広げられいましたが(それが初見先生と小嶋先生がいらした頃の理科大の名物?のような講評会でしたが)、、、今年からは早々に講評会を終えてから懇親会。働き方改革ですね(笑)。授業以外にアルバイトなどで事務所に出入りしている学生と違って、久しぶりに会った学生にはこちらの発言が思惑と違って大いなる誤解をされていたり、学生の本音も聞けて色々な意味で勉強になりました。確かに自分自身も振り返って見ると、親切にしてくださった先生方のお言葉に腹を立てたりしていたような気が今更ながらもしてきました。。。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学2年生の本年度最後の全体講評会。課題は低層にフィットネスジムの入った「スポーツ施設を内包した集合住宅」。低層の施設の天井高さはまちまちな上、求められるている容積も高いので、2年生の課題としてはかなり難しい課題だと思います。9班から優秀者3名選出して、発表、講評。そして、最後に投票して上位4名を選びました。 
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こちらは森班瀧内さんの発表風景。最後の投票で3位になりました。おめでとうございます!
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天井高の違う諸室の天井を揃えて、地盤面から埋まった高さを変えています。道路面から見える高さに2階レベルを抑えて、光のきちんと落ちる中庭プランとすることで街に対してとても気持ちの良い雰囲気を醸し出しています。中庭プランはプライバシーと採光の観点からすると、なかなか上手くいかないものですが、それもキチンと解決した力作です。
今年は(も?)飛び抜けて優秀な人はいないですが、設計を楽しみにながら頑張っている人が多いですね。仲良く競い合っている雰囲気も良いと思います。設計はセンスやスキルも必要ですが、大切なのは努力の持続(?)。まずは設計が楽しくないと何も始まりませんから。。。今後に期待してます!

全体講評会@日本大学

日本大学生産工学部の全体講評会がありました。日大は前期は3年生、後期は2年生を担当しているのですが、クウォーター制なので後期も二ヶ月間のみ。他の大学ですと半期で行う美術館とオフィスの2つの課題を二ヶ月で行い、講評会も午前と午後で二つの課題を1日で行うといったハードスケジュール。学生にとってはかなり大変なカリキュラムですね。
作品の総評としましては、オフィス課題はあまり面白いものがなかったのですが、美術館はいくつか良いものがありました。限られた時間の中での力作だとは思うものの、着想したものがそのまま案になったようなものが多く、スタディを繰り返したもう少し踏み込んだ提案を見たかったという印象です。
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こちらは木田くんの美術館の作品。傾斜地に合わせてチューブ状の空間が配置されていて、そのチューブとチューブに挟まれたスペースとチューブが色々な繋がり方を持つことで、建物全体が魅力的な建築となっています。とても素晴らしい案だと思います。今後が楽しみですね。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学の設計課題の全体講評会がありました。今回の課題は昨年同様、銀座数寄屋橋交差点、ソニービル跡地に、高層の美術館を計画するといった2年生にしてかなり難易度の高いもの。
講師9人が先週の班ごとの講評会で優秀者2、3名を選び、本日の全体講評会では22名が発表。各案ごとにコメントして、最後に各講師4票を優秀と思われる案に投票。票の多い順で順位を決めるという流れです。
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一等は森班、四方さんでした。ガラスと壁で仕切られた内部空間と半外部空間が複雑に積層された完成度の高い作品です。他の先生方からも、代官山のヒルサイドテラスを高層化したような雰囲気だとか、緻密に動線がスタディされているなど、高い評価をされました。ELV、階段といったコアをコンパクトにまとめて、半外部のテラスを水平方向と垂直方向、両方にとりつつも、きちんと一筆書きで見て回れる美術館としての動線、機能を満足させているところが素晴らしいですね。
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2等は上島くん。前期は森班でもっとも頑張っていた学生で、案も良かったと思うのですが、他の先生方にはあまり評価されず(笑)、、、
今回、初めて上位入賞できて良かったですね。
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そして3等は小林くん。彼も前期は森班。今回、班が違っても自分が教えた学生が上位に残ると、自分のことのように嬉しいものですね。
設計課題で順位をつけるゲーム感覚の行為は否定的な意見もありますが、学生のモチベーションも上げることに大きく影響しているようです。次の集合住宅の課題も引き続き頑張りましょう!

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学の2年生の設計演習の全体講評会がありました。今回の課題は谷中に建つ設計事務所併用の都市住宅で、8班から選ばれた優秀者5名ずつ、合計40名が発表しました。
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こちらは松浦君の模型。谷中の路地の行き止まりからヒントを得たとのことですが、直交する軸に対して45度ふった軸を入れることで曖昧に空間を仕切ることに成功しています。開口の取り方や積層の仕方はもう少し工夫の余地はありますが、なかなか興味深い提案です。
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こちらは小林君のプレゼンテーション。彼は前回、森班だったということもあって途中経過を少しだけ見せてもらいましたが、素晴らしい案になりました。屋根を折り曲げて空間を分節するという手法は横浜の大桟橋など、いろいろあるとは思いますが、都市住宅のスケールで魅力的な形態を作り上げ、街との緩く連続させています。ただ短手方向に壁を無造作に入れているので、折角の屋根の操作を効果的に活かしきれていないのが残念ですね。
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こちらの森班、荒野さんも大屋根を大きく下げてアトリエと住宅を緩く分節した魅力的な内部空間をつくっていて、小林くんとはまた違った方法で屋根で空間を分節しています。もう少しスタディを重ねるとさらに魅力的になりそうな案ですね。
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こちらは森班、坂本さんのプレゼンテーション。谷中の特徴の一つでもある路地を敷地内にまで連続させて、路地以上に魅力的な空間を作り出しています。プライバシーや明るさの違った様々な居場所を作り、それらを立体的に組み合わせることで多様な場を作ることに成功しています。スケール感や図面の綺麗さなど総合的に完成度が高い作品です。
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全員の発表を終えた後、先生方それぞれ8名を選び、得票が多かったのはこの5名。そして2回目の投票で小林君、松浦君が同点一位、3位は坂本さんとなりました。惜しくも選外になってしまった金子君、大森さんは、次回は1等目指して頑張ってください。
ところで写真左側で司会をしている垣野先生は、この後、半年間オランダへ。そして来年からは専門分野の学校建築を教える3年生の設計の担当となり、2年生前期の住宅の課題は岩岡先生が担当の予定。

今年も谷中で夕涼み

東京理科大学の第二課題の敷地は昨年同様、谷中の今HAIGISOがあるところ。
出題したばかりで学生の進み具合もまだ芳しくないので(?)、、、
少し早めに授業を終わらせて、今年も現地調査に行くことにしました。
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授業を終えたはずですが、学生も続々と敷地に到着。
敷地を見ることはとても大切です。
では、学生諸君は頑張ってください!ということで学生たちとは別れて、、、
我々講師陣は上野桜木方面へ。
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デジャブのようなこの光景。ちなみに昨年のブログはコチラ
ほぼ同じです(笑)。
ただ、今年は長谷川先生とTAの大学院生たちも加わって、
女子率が7割超えの理科大らしくない(?)華やかなメンバー構成。
まだ明るいうちに外で飲むお酒は最高です!

全体講評会@日本大学

日本大学3年生の全体講評がありました。
日大は3年ぶりなのですが、昨年からクウォーター制となったようです。
これが少々問題があって、これまで半期で行っていたものを半分、
つまり4、5月のほぼ二ヶ月でこれまでの2課題を行いました。。。
小学校と集合住宅といった用途の建物を一ヶ月で仕上げなければならず、
学生はかなりタイトで、教える側も物足りなさを感じました。
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講評会も1時間半で2課題の全体講評を行う無謀なカリキュラム。
ずらりと並べられた各班の優秀作品から先生方が発表を聞かずに票を入れ、
発表者する人をその得票で1課題、4名づつ選びました。
発表する気満々の各班から選ばれた優秀者の学生のほとんどは発表できず、
各先生の講評を聞けないので、当然ながら欲求不満が溜まっているご様子。
僕が選んだものはほとんど発表していないので、
講評する側も消化不良でとても後味が悪いことになってしまいました。
良い案、優秀な人が埋れてしまっていますね。改善点が山済みです。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学2年生の第一課題の全体講評会がありました。
学生にとって最初の設計課題で、傾斜地に建つ別荘です。
各班優秀者+α5名が発表して先生方が投票して、その結果について議論。
そして再投票して順位を決めるといういつもの流れ。
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森班の優秀者、上嶋君の力作。
一枚の大屋根の下に傾斜を生かした多様な空間が生まれています。
他の先生方にも優秀であることは認められたものの、得票は伸びず残念でした。
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森班のもう一人の優秀者、河原崎さんの作品。
ランドスケープを考えながら傾斜地のに大きなデッキを覆い、
そのデッキの上下に生まれる空間を上手く使った素晴らしい作品。
スケール感が若干おかしいものの、敷地全体を生かしている点などが評価され、
見事1位に!おめでとうござます!
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そして同点1位のこちらの作品。
巧みに三角形を組み合わせて天井高を変化させて、多様な空間を作っています。
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こちらが一次投票で得票が多かった8作品。
ここから議論して順位を決めましたが、実際はほぼ同レベルですね。
引き続き、次の課題も頑張りましょう!
ところで、司会をしているのは常勤の垣野先生。
夏から1年間オランダへ行くのですが、たまたま日大の亀井先生と話していると、
同じ時期にデルフト大学に1年間行くとのこと。なんという偶然。
そんな縁も大切にということで、こちらの講評会にお呼びしました。
講評会の後はいつものように学生を交え懇親会へ。