• Archive

板倉工法の現場見学

安藤邦廣さんの板倉工法の家の現場を見学させて頂きました。
以前、伊勢神宮から現代の板倉工法に至る歴史についてお話して頂き、
そのような建築に対する安藤さんの考え方にとても感銘を受けました。
是非、見学をさせて頂きたいと楽しみにしていました。
sDSC03959.jpg
安藤さんに直々にご案内して頂きました。
デザインは木材の生産および流通から考えねばいけないとのことで、
とても貴重なお話をたくさん聞けて、大変有意義でした。
どうも有り難うございました。

谷内田さんの事務所でポルトガルのお話

日大非常勤講師でご一緒にしている建築家の谷内田さんから、
ポルトガルのスライド上映をして欲しいというお誘いがあって、
谷内田さんの事務所にお邪魔させて頂きました。
数年前に旅行に行っただけですが、
なぜかポルトガルに詳しい人ということになっていて、
時々、ポルトガルに旅行に行くという人から相談をうけます。
メンバーはタカギプランニングオフィスの高木さん、
木下道郎さんと谷内田さんのスタッフで2、30人くらい。
その中の何人かが、ポルトガル旅行を考えているとのこと。
アルバロ・シザ、ポサーダ、集落など、建築家向けのお話をしながら、
それを肴にお酒を飲むという感じです。
sDSC03921.jpg
話し込んで気がついたら、終電間近のお片づけの時間に・・・・
使わなかった屋上のスペースで、誰もいませんが一枚だけ。
とても楽しいひと時でした。

リッツカールトンホテル京都

俵屋旅館から京都迎賓館に行く途中、
最近、竣工したリッツカールトンホテルに立ち寄りました。
吉村順三設計のホテルフジタの敷地の建て替えです。
ほんの数年前、建築家協会の京都大会の後、
このホテルの地下のバーで夜遅くまで飲んだのが懐かしいですが、
京都も東京と同じようにどんどん変わっていきますね。
最近は京都の高さ規制がかなり厳しくなったようで、
事業収支上は超高級ホテルにするしかなかったとのこと。
sDSC03730.jpg
厳しい高さ規制のため、客室以外はほとんどが地下に埋められています。
吉村順三が設計したバーの前庭の面影が少し残っています。
DSC03732-3.jpg
庇をしっかりした出して、和のテイストでありながらモダンな外観。
エントランスがややわかりにくく質素なのは、
日本の旅館を意識してのことなのでしょうか?
駐車場の入り口がやや目立つのが気になりましたが、
車で来ることが前提なのかもしれませんね。
sDSC03699.jpg
エントランスのこの松は桂離宮の手法ですね。
中に入ると、このような和のエッセンスが随所にみられますが、
高級感と敷居の高さを見せつけるザ・高級ホテルです。
sDSC03704.jpg
このような感じにところどころに人が立っているのですが、
泊まらない人にとっては見張られている感じで・・・
あまり居心地は良いものではありませんね(笑)。
川沿いのカフェゾーンとレセプションは大階段で分けられていて、
こちらのブリッジでつながっています。
sDSC03711.jpg
こちらがレセプション。
sDSC03722.jpg
川側のサンクンガーデン沿いにあるカフェでお茶をすることしました。
sDSC03701.jpg
昼時だというのに、カフェには客は一人もいませんでした。
たまたまなのか・・・・・
お値段が高いということを除けば、とても気持ちの良いカフェです。
sDSC03708.jpg
傘、格子といった日本的なキーワードにした西洋的内装です。
外国のビジネスマンがいかにも好みそうなデザインですね。
今、旬な京都の高級ホテルも素晴らしいとは思いますが、
老舗高級旅館の代表の俵屋旅館とは対照的な部分も多いですね。
同じ高いお金を払って泊まるなら、やっぱり「俵屋旅館」かな。

「俵屋旅館」カフェとギャラリー

「俵屋旅館」から歩いてすぐのところに俵屋のカフェ、
「遊形サロン・ド・テ」があります。
sDSC03538.jpg
真白の外壁に瓦屋根のセンスの良い京都らしい店構え。
sDSC03541.jpg
中は町家を改装したシンプルな内装。
フィンユール、ウェグナーなどの北欧名作家具が置かれています。
sDSC03543.jpg
一番奥の特等席がちょうど空いていたので、こちらの席に。
庭を眺めながら、美味しい珈琲を頂きました。
この隣に、俵屋旅館オリジナルグッズを販売するお店、
「ギャラリー遊形」もあります。
とても小さな旅館なのに、すべてオリジナルのものをつくり、
それを販売しているとは・・・・流石、一流です。

「俵屋旅館」霞の間

「俵屋旅館」の続きです。
今回、私たちが泊まったのは「 霞の間  」。
一応、今回は仕事をしようと思ってこちらに来ているので、
大きな文机がある「霞の間」を選びました。
恐らく一番リーズナブルなお部屋だと思います。。。
sDSC03526.jpg
旅館のこんな場所で文章を書いていると、
なんとなくいいことを書いている気になってきます。

sDSC03584.jpg

本間から文机を見るとこんな感じです。

一見、窓が開かない部屋なのかと思っていましたが・・・・
sDSC03669.jpg
文机側はとても細い枠に大きなガラスのはめ殺し窓になっていて、
もう片方が同じ寸法の細い框のガラス窓が開けられるようになっています。
sDSC03668.jpg
アップするとこんな感じです。
sDSC03588.jpg
夕方になると光が差し込み、美しいのですが・・・・
これでは文机でお仕事ができませんので、障子を閉めてみました。
sDSC03596.jpg
障子を閉めるとこのような感じ。
sDSC03599.jpg
そして、雪見障子を開けてみました。
sDSC03675.jpg
お風呂場の窓から身をのり出して外を見ると、
屋根が重なり合っているのがよくわかります。
塀の向こう側は、孔雀の間の文机のところ。
密集していても、窓の取り方でそれを感じさえないという点では、
現代の狭小住宅などと同じですね。
sDSC03665.jpg
うわさには聞いていましたが、こちらがふかふかの布団です。
床に就くと、あっという間に夢の中に・・・・。
「霞の間」の文机はなかなか良かったですが、
今度は「竹泉の間」に泊まってみようと思っています。
ちなみに、俵屋旅館はHPも値段表もないので、
部屋を予約する時は電話するしかないのですが、
「竹泉の間」だけはJTBで予約できるようです。
中村好文さんの「意中の建築」で「竹泉の間」は詳しく紹介されていますが、
新館の1階のプラベートの庭に面したお部屋で、そこの文机も良さそうです。
今回の泊まった部屋の隣の「孔雀の間」も、いつか泊まってみたいです。
「俵屋旅館」は、そんなことをあれこれ考えさせる名旅館です。

「俵屋旅館」窓からの風景

「俵屋旅館」の続きです。
少し早く到着したので、お部屋をいくつか見せていただきました。
どれも甲乙つけがたい部屋ばかり。
「俵屋旅館」は京都の密集市街地にあるので、
高密度に部屋が配置されていますが、
どの部屋からも庭を眺められるようになっています。
そして、外を眺めるという点で、様々なタイプがあって、
各部屋全部違うということに驚かされます。
例えば、こちら。
sDSC03491.jpg
忘筌を思わせる障子で風景を切り取った「栄の間」。
椅子に座って地窓からの庭を眺められます。
現代的な雰囲気もありつつも、しっかり和の神髄を感じさせますね。
sDSC03486.jpg
こちらが「富士の間」。
古典的な庭との中間領域に土間があるタイプですが、
部屋から直接、プライベートな庭に出られます。
sDSC03465.jpg
こちらが「暁翠の間」。
こちらも和洋というくくりでは表現できないデザインですね。
sDSC03475.jpg
「暁翠の間」の入口にはプライベートな庭がついています。
小さな庭ですが、とても贅沢な空間ですね。
sDSC03506.jpg
「孔雀の間」の本間は続き間となっているので、
とても伸びやかで、かつ、日本的な雰囲気がよく出ていますね。
左に文机、右奥がデイベッドが置かれた部屋があります。
sDSC03503.jpg
「孔雀の間」の文机。
京都の密集市街地とは思えない見事な庭ですが、実はここは2階。
sDSC03507.jpg
和紙が貼られた小さな部屋に置かれたデイベッド。
横になっても庭が眺められるようになっています。
贅沢なお昼寝ですね。
sDSC03512.jpg
限られた敷地を最大限使い切ったお風呂場の庭。
お風呂からの風景にも気を配っています。
ところで、建築家の間で「俵屋旅館」と言えば、
吉村順三が新館を設計したことで有名ですが、
実はその面影はほとんどありません。
それは少し残念ではありますが、
常に進化し続けているところが、俵屋旅館の凄さだと思います。
中村外二工務店が常にどこかを工事しているとのことで、
庭も内装もメンテナンスがかなり行き届いて、やはり一流です。

「俵屋旅館」のおもてなし

「京都迎賓館」見学のために泊まる宿となると、
やはり「極上のおもてなし」の名旅館に泊まろうということになり、
世界中の誰もが絶賛する「俵屋旅館」に泊まることにしました。
「俵屋旅館」は伊藤博文、大隈重信などの明治の偉人から
スピルバーグ、ヒッチコック、米国大統領などなど、
世界中の著名人が泊まったことでも有名ですが、
建築家の間でも高級旅館と言えば必ずこの俵屋が上がります。
これまでに何度も俵屋旅館の話になりますが、
この旅館の批判をする人に出会ったことがありません。
あらゆる分野の超一流の誰もが絶賛するこの旅館は、
何が、どれほど素晴らしいのかを実際に体感したいと、
前々から思っていたのですが・・・・・
はじめて実際にエントランスをくぐり抜けた時、
やや拍子抜けするほど「さりげない」というのが第一印象でした。
そして、帰る時にはまた来たいと思わせるようになっていて、
これぞ「おもてなし」なのかと、その神髄がわかった気がしました。
sDSC03561.jpg
一流ホテルとは違った質素な入り口ですが、
訪れたのが祇園祭りの時期だったので「ハレ」の顔。
sDSC03535.jpg
雁行しながら、先に進むとこちらに。
気張らない入り口ですが、素晴らしい屏風が飾ってあります。
季節によってしつらえは変えているようです。
高級旅館であることを感じさせない優しい雰囲気ですが、
さりげなくおいてあるものは超一流のもの。
暗がりの先に、中庭が見えます。
sDSC03566.jpg
とても落ち着く小さな中庭です。
廊下が迷路のようになっていますが、ここが分岐点になっています。
庭の向こうに見えるのが、
sDSC03608.jpg
こちらの図書スペース。
到着すると、こちらに通されます。
奥の部屋の壁は、和紙向こう側から光を透けさせる洒落たデザイン。
sDSC03620.jpg
こちらがアーネストスタディ。
オーナーのご主人、故アーネスト・サトウのお部屋だったところですが、
今はだれもが使えるパブリックなスペースになっています。
北欧家具と興味深い本がぎっしり。
本屋ではなかなか見かけかないような数寄屋建築の大型本などもあって、
つい自分の世界に入ってします(笑)。
ただ、部屋は広くはないので、他の人がいるとやや気になる距離感?
sDSC03652.jpg
センスの良い小物やお花があちらこちらに飾っています。
「おもてなし」が「サービス」とは違うのは、
そこに報酬が発生しないからだとどこかで聞いたことがあります。
サービス料はあるけど、おもてなし料というものはなく、
そこがホテルと旅館との違いだということらしい。
俵屋の超一流のおもてなしは、さりげない気配りだと思いました。
マニュアル化させれた親切さの押し売りは一流ではないんですね。
とても勉強になりました。
建物は吉村順三の手がけた新館、施工は中村外二工務店と器も一流。
長くなるので、今日はここまで。

「京都迎賓館」見学

一般非公開の「京都迎賓館」の見学に行ってきました。
東京の迎賓館とともに、国賓を接待する大切な場所として、
日本のトップクラスのものが結集した極上の空間となっています。
sDSC03807.jpg
正面玄関から入ると日本庭園を囲むように回廊があります。
池に浮かぶ石と稲穂をしばらく見入ってしまいます。
sDSC03794.jpg
奥に見える廊橋からの風景は素晴らしいのですが、
そこからの撮影はNG。
sDSC03862.jpg
こちらの和船で、船遊びができるそうです。
乗せていたただきたいところですが、勿論NG。
sDSC03786.jpg
京都迎賓館の中で最も大きな「藤の間」。
左側に能舞台があります。
sDSC03801.jpg
こちらが舞台扉の截金(きりかね)。
テレビなどでもよく紹介される人間国宝の故、江里佐代子氏の作品。
実物を是非、拝見したかったものでしたが、
あまりの完璧さ故にか、意外とその凄さがわかりませんでした。。。。
残念ながら、僕はまだまだ見る目がないようです(笑)。
sDSC03782.jpg
こちらの天井は、様々なシチュエーションに対応できる光天井。
なんとも凄いことになっています。
sDSC03836.jpg
こちらは畳が敷き詰められてた純和風の「桐の間」の廊下。
写真で見ると一般的な日本の寸法体系に感じられると思いますが、
実際はかなり大きな空間です。
日本的な空間に見えるためには単なる部材寸法というより、
縦横のプロポーションとそれに伴った部材の適切な寸法が重要なんですね。
sDSC03823.jpg
そして、こちらが「桐の間」。
全長12メートルの漆の一枚仕上げの座卓です。
これは圧巻です!
京都迎賓館の建物自体は鉄筋コンクリート造の建物ですが、
数寄屋大工の最高峰として知られる二つの工務店、
安井杢と中村外二が内装などで関わっています。
sDSC03856.jpg
土庇を支える柱は石の微妙な凹凸にあわせて木を刻んでいたり、
床は修学院離宮を思い出させる一二三石など、
日本の伝統を感じさせるディテールが随所に感じられますね。
今、日本の伝統的な空間の最高峰は恐らくここだと思いますが、
このような場に実際に身を置くことができ、とても良い体験させて頂きました。
一度で良いので、ここで極上のおもてなしをしていただきたいですね(笑)。

「弦巻の家」祝!地鎮祭

「弦巻の家」の地鎮祭に行ってきました。
sDSC02486.jpg
猛暑で、みんな日陰に入っての地鎮祭。
夏冬の二つのリビング、大階段沿いの図書スペース、
風の流れを考慮した平面、断面構成などなど、工夫満載の都市住宅。
来年の3月竣工の予定です。