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土地を切って賃貸に①

持っている土地の使い方・今ある家の建て直し方として、土地を分割して賃貸として運用しながら、コスト面の安心感を作るという方法があります。

このコラムでは、その事例を3つほど紹介します。今回は①。

賃貸棟。敷地の高低差を利用し、地下1階地上2階建木造ガレージ付きの高級賃貸。高級賃貸を専門にする不動産会社様と一緒に、高賃料でも入居者の表れる仕様を詰めて計画しています。

▲賃貸内部。CLICKで大きな画像をご覧になれます。

建て替え後のオーナー住居と賃貸。門まわりは古くなった木扉や狭く段差のが大きく使い勝手の悪かった人用門扉部分の補修とリデザインを経て、再利用しています。植え込みなどもそのままに、交差点の風情を保全しています。お庭には茶室もあり、使い勝手と母屋との関係を考慮して配置を変えています。

美しく古い木々の植わった庭も、計画に合わせて造園家の先生に協力を仰ぎ既存樹木の保全を重視しながら計画していただいています。茶室は補修と元の姿を復元する工事に加え、空調を組み込むことで快適性も改善しています。こちらのお庭と茶室の詳細は、コチラ からご覧になれます。

<賃貸(別棟)を自宅の土地に建築して自宅を建て替える流れ>

実際の計画にあたっては、下図のような工程を踏むことで、仮住まいを借りる無駄なコストと労力を削減する形で進めました。

八ヶ岳の山荘 筬欄間を間仕切りに。

八ヶ岳の山荘 の2階のベッドルームでは、既存の家屋に付いていた「筬欄間(おさらんま)」をベッドルームと通路の間仕切りとして利用しています。欄間は和室の襖・障子等の間仕切りの上に付けられるもので、筬欄間は特に細い桟が並んだ形状のものをいいます。元々は横に付いていた欄間を縦にすると、純和風の欄間も、雰囲気がガラリと変わります。

色の薄い木部は今回新しく作ったもの。柱と柱の間に木目の美しい小梁を通して、その間にコマを噛ませて浮かせて設置しています。

透けのある間仕切りが風通しのよい空間つくり、爽やかな印象を感じられます。

「代田の町家」見学

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数年前に売りに出ていた坂本一成氏設計の1976年竣工の「代田の町家」。
新しい住み手が決まりリニューアルされました。
リニューアル前に一度拝見させていただことがあるので、今回は2度目。
階段廻りが少し変わったり、キッチン、洗面浴室は新品の状態になっていますが、
床の石も含め、色もほぼオリジナルのまま。
それでいて古さを全く感じさせないというのは、素晴らしいですね。
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こちらは緑道側。シルバーの外壁が輝いています。
竣工当時もこの状態だったらしいのですが、
新建築は白黒だったこともありシルバーの印象はあまりないようです。
途中で色を塗ってしまったようですが、今回オリジナルの状態に戻したとのこと。

ル・コルビジェ×日本@国立近現代建築資料館

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旧岩崎邸の隣にある国立近現代建築資料館に行ってきました。
理科大の美術館の設計課題の敷地ということで行ったのですが、
ル・コルビジェ×日本展がやっていました。
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僕が教えに行っている日大の学生(廣田研究室)がつくった立派な模型が、
展示してありありました。11月8日までですのでご興味がある方はお早めに!

タンゴと鬼子母神

雑司ヶ谷のタンゴバー、エル・チョクロに行ってきました。
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以前から気になっていた雑司ヶ谷の住宅地にひっそりと佇むライブハウス。
古い木造住宅を改装したようです。
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タンゴということで、アルゼンチンのビール・キルメスをいただきながら、
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タルタ・デ・チョクロ(とうもろこしのキッシュ)とチョリソー、
エンパナーダ(ビーフミートパイ)のアルゼンチン料理。
そして、アルゼンチンの赤ワインと、
すっかりタンゴの気分になったところで、、、、
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いよいよ近藤久美子さん(バイオリン)とレオナルド・ブラーボさん(ギター)の演奏です。
とてもこじんまりとした落ち着いた空間で、しかも間近で聴くタンゴは格別。
良い意味でタンゴらしい日本の場末感がここにありますね。
タンゴと言えばバンドネオンというイメージが強いのですが、
もともとはギターと、フルートといった管楽器からはじまり、
バイオリン、そしてさらに遅れてバンドネオンが入ってきたとのこと。
そんなバンドネオンが今やタンゴの代名詞になっているのが腑に落ちない(?)
という近藤さんのご主人は、
若手バンドネオン奏者のリーダー的存在、小松亮太氏です(笑)。
そんな興味深い話も交えたとても楽しいライブでした。
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ライブハウスを出ると、ちょうど鬼子母神のお祭りで雑司ヶ谷は人で一杯。
レトロな雰囲気を醸し出す都電と池袋の超高層ビルを背景に写真を一枚。
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宗教行事ではありますが、ややサンバのように聞こえなくもなく、、、、
楽しそうに激しく踊り狂う(?)集団もいる不思議な光景です。
東京にこんなお祭りがあるとは知りませんでした。
タンゴと鬼子母神、雑司ヶ谷は不思議な街です。すっかり気に入りました。

紅葉の軽井沢

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初秋の軽井沢に行ってきました。
今年の紅葉は例年よりも少し早いとのこと。
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川口通正さんが設計した住宅を拝見させていただきました。
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建主様のご厚意で、美しい風景を眺めながら食事までさせていただき、
とても有意義な時間を過ごすことができました。どうも有難うございました。

リノベ、既存建具の再利用

鶴見のリノベーションでは、既存家屋の最も古い部分の骨格を保存することにしましたが、各所にあしらわれていた飾りのある個性的な建具を再利用して新しいプランの随所にちりばめています。

こちらは、もともと床の間の横、書院にはめられていた富士山をシンボリックに描いた乳白ガラスの障子。パントリー入口上部の垂れ壁は、隣り合う壁に構造の壁を追加するために取り壊す必要がありました。開いてしまったこの部分に、書院の障子をはめ込みました。パントリーの照明で裏側から照らすことで、夜には行燈のようにぼんやりと光ります。

2階は既存の構造体をほとんど新しい仕上で覆ったモダンな造り。奥に見えるシャンデリアと光の漏れる障子は、既存のものを再利用しています。

モダンな造りの2階も実際には構造上必要な既存の柱が露出してしまう部分がありました。あえてプランはをこれに制限されずに計画し、露出した柱を既存の建具(仏壇の扉であったもの)を造作で組んだ枠にはめ込み、木製の手摺の一部のように見えるようにしています。

こちらは新しい仏壇。もともとあった大きな仏壇をコンパクトに纏めることになり、4枚引き違いだった建具を2枚の開き戸として仕立て直してもらうことにしました。

既存の仏壇と富士山の書院障子の様子。

「つつじヶ丘の家」久しぶりの訪問

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数ヶ月前に竣工した「つつじヶ丘の家」。
引っ越しされてはじめての訪問ですが、快適に過ごされているご様子。
奥様の手料理と美味しいお酒で会話も弾み、気がついたら終電間際。
夜遅くまでどうもありがとうございました。