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筑紫亭と風の丘葬斎場@中津

父の四十九日の法要で大分県の中津市に行ってきました。
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法要を終えた後、近くの老舗料亭、筑紫亭へ。こちらは大正時代の中津が栄えていた頃の面影を残す建物で、主屋と離れと塀は国の有形文化財に登録されています。
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手入れの行き届いた庭を抜けて玄関へ。
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玄関を振り返ると・・・美しいですね。
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中に入ると、また庭があります。
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2階にもたくさんの部屋がありますが、こんな時期なので客は僕らだけで貸し切りです。ゆらゆらとした吹きガラスが時代を感じさせます。
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三密を避けて広々としたお部屋に少人数で、中津名物のはも料理をいただきました。
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貸し切りということで、全ての部屋を女将さんに案内していただきました。こちらは、主屋と離れをつなぐ廊下。
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離れは庭に点在する数寄屋建築。
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このような廊下で繋がっています。
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なかなか凝ったディテールですね。
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このような建物と庭を維持するのは東京でも大変のことですが、人口10万人にも満たない地方都市の中津ではとても大変なことだと思って女将さんお聞きすると、海外や日本各地から筑紫亭を目当てに来ていただいているのでなんとか続けれられているとこと。
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一番奥のお座敷、竹の間の床。
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すべての部屋はそれぞれ異なった設えになっています。とても素晴らしい建物の中で、美味しい食事をいただくことができ、とても満足。その後、八面山のこがね山荘へ行く途中、「風の丘葬斎場」に立ち寄りました。
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「風の丘葬斎場」は、20年ほど前に竣工した、槇さんの名作。
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コロナ禍ということで、中に入ることはできませんでしたが、エントランス周りと庭を散策させていただきました。
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建物と庭の境界がなく、
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緩やかな傾斜した大地に呼応するような佇まいです。
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歩いていくと風景が、少しずつ変わっていきます。
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歩いているだけで心が安らぎます。そう言った意味でも、やはり素晴らしい建築ですね。ふと、ストックホルムの森の墓地を思い出しました。

川下りと鰻@柳川

「大正屋」には、佐賀空港からレンタカーで行ったのですが、
チェックインまで少し時間があるので、
空港から30分ほどの柳川にちょっと立ち寄りました。
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柳川と言えば、川下り。
ただ、川下りとは言うものの、正確にはここは川ではなくお堀。
つまり、水は一方向に流れていないそうです。知らなかった。。。
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船を降りたタイミングで、雅楽の伴奏つき結婚式に向かう船団が・・・
ここの料亭にも行ってみたかったところですが、今回は時間がないのと、
大広間は今は改装中で見れないとのことのなので、また次回のお楽しみに。
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しばらく、待っていましたが、なかなかやって来ないので、望遠で(笑)
雅楽の演奏をする人たちの乗った船の後ろに、新郎新婦の船。
そして、急いで若松屋へ。花より団子ならぬ鰻です(笑)。
なんとなく、鰻と言えば、蒲焼きが食べたい気分でしたが、
やはり折角なので柳川名物「鰻のせいろ蒸し」を注文。
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こちらが「鰻のせいろ蒸し」。
そして、一口食べてみると、、、、、、
予想を遥かに超えた、驚きの美味しさです。久々に感動しました!
鰻は柔らかく、そして芳ばしく美味しいのですが、下のご飯も絶品です。
ほんの2時間程の柳川でしたが、最高のひと時でした。

竹原義二氏×横内敏人氏×中村義明氏@京都

日本建築家協会、JIA建築セミナーで関西に行ってきました。
関西ツアーは僕の企画で、初日は関西の重鎮を訪ねることに。
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朝早くに大徳寺高桐院に集合。
ここで建築家の横内敏人氏にご案内して頂くことになっていましたが、、、、
お寺の都合により拝観できないということに。
スタート早々、予定外の展開。急遽、大仙院へ。
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次に向かったのは中村外二工務店。
俵屋といった高級旅館、菊乃井といった高級料亭、そして京都迎賓館など、
日本を代表する極上な木造建築を手がける数寄屋大工の最高峰です。
代表の中村義明氏に、ショールームと工房を詳しくご説明頂きました。
昼食は横内氏と中村氏とご一緒させていただき、
とても濃密な時間を過ごしました。
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午後一は竹原義二氏設計の一保堂へ。
一保堂の美味しいお茶をいただきながら、
竹原氏にレクチャーしていただきました。
その後、横内敏人氏のアトリエへ。
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こちらはゲストハウス。まず、その周辺環境に素晴らしさ驚きました!
竹原氏(手前帽子をかぶった方)も、すっかりくつろいだご様子。
中村外二工務店の数寄屋大工の技の数々がちりばめられた上質な空間。
一見、古風な建物にも見えますが、ガラスが大きく現代的ですね。
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そして、アトリエで竹原氏と横内氏に対談していただきました。
関西には伝統技術を継承する職人が多く、
建て主も関東とは少し異なるようです。
関東とは自ずとつくるものも変わってくるとのこと。
とても興味深いお話がたくさん聞けて良かったです。
夕食は、竹原氏と横内氏と南禅寺の近くのレストランへ。
本当に濃密な一日でした。どうも有難うございました。

菊乃井本店

親の長寿祝いで菊乃井本店に行ってきました。
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言わずと知れた京都、いや日本を代表する老舗料亭。
夕方の少し早い時間に行って、代表的なお部屋を拝見せていただきました。
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お食事をいただいたのはコチラのお部屋。
電話で予約の際にこちらを手がけた中村外二工務店云々という話になり、
我々が建築関係者と察して、新しくつくったお部屋へという気遣い(?)。
白木の清楚なお部屋で、庭も美しく、食事も極上。すべてが完璧でした。
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床板はセイヨウトチノキの一枚板。床柱は北山杉。
天井は美しい木目の霧島杉を編んだもの。
奥の棚は赤い紐で吊られているように見えますが、
その紐の中に鉄の棒が入っていました(色々、工夫していますね)。
帰る頃には、すっかり日も暮れて、趣のある雰囲気に。。。
菊乃井本店はミシュランの三ツ星。
和食の世界でミシュランの星の数を気にするのは、
いかがなものかとも思いますが、文句なしの三ツ星ですね。

村野藤吾の料亭 「なだ万 山茶花荘」

ホテルニューオータニ日本庭園内にあるなだ万 山茶花荘
村野藤吾が設計した料亭に行ってきました。
以前、村野藤吾が設計した佳水園に泊まった時、
そして、堀口捨巳が設計した料亭、八勝館で食事をした時、
次は、是非、訪れて見たいたいと思っていたところでした。
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竹木賊張りの塀にこけら葺きの屋根がかかったエントランスの門。
門の外からは少しだけ奥が見えるのですが、
そこをくぐらないとその先が見えない演出です。
これぞ、日本の美学。。。素晴らしい!
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そして、門をくぐっても、またその先が見えません。
土塀の上にはきちんと屋根がのっていて、雨から壁を守っています。
メンテが行き届いているからということもありますが、
1976年に竣工したとは思えない美しさです。
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振り返るとこのような感じ。

オカメ笹と竹林、そして木漏れ日が土塀を引き立てます。
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さらに先の玄関からの見返しです。
そう言えば、、、晴れているのに石が綺麗な色をしています。
ここまでの長いアプローチを全部水打ちしてくれているのですね。
思わず、頭が下がります。。。
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そして、こちらが玄関です。
床は玄晶石割り肌、沓脱石は御影石。天井は杉網代張り。
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ここは中曽根首相とレーガン大統領の時代、
東京サミットで使われたことで有名な「桐の間」。
ここの見せ場はなんと言って床の間です。
高松の栗林公園内にある掬月亭「初莚観」にある井桁格子に倣い、
住友のマークを思わせる菱形の井桁格子にしています。

天井の光天井の和紙張りは竣工当時は一枚ものでしたが、
今はメンテナンスをしやすいように9分割にしたそうです。
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そして、こちらが井桁格子のアップ。
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こちらは「 茜の間」。和紙と違った趣きの光天井ですね。
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そして、こちらは今回食事をいただいた「葵の間」。
村野藤吾好みの洞床があります。
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床の間の横の窓から赤い椿が簾越しに見えます。
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庭に出ると低く抑えた軒先が連なっていてます。
手前が葵の間で、奥に見えるのが「桐の間」。
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こちらは「葵の間」の土庇。
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そして、こちらが「桐の間」の土庇。少しだけ違いますね。
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食事が終わった後に、日本庭園を散策。
大きな鯉が似合う風景です。。。
この日は私たち4人のみの貸し切り状態でしたが、
長時間にわたり大勢の方々にもてなしていただき、
日本の「おもてなし文化」を満喫させていただきました。

京都食べ歩き

夕暮れ時、鴨川の川床のカフェで、まずはビールを一杯。
その後、歩いて「割烹たいら」 という新しくできたお店へ。
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カウンターが8席のみの小さなお店です。
料理はとても上品で美味しく、好印象。
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3件目は祇園のNITIというバーへ。
堀木エリ子さんの和紙を内装に使ったシルエットの美しい空間です。
そして、ウエスティンホテルに戻り、バーでカクテルを一杯。
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次の日の昼は、白川沿いのレストランへ。
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白川と木造の古い建物。それだけで、絵になります。
川のせせらぎを聞きながら、神戸牛を使った料理に舌鼓。
心安らぐひとときでした。
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2階は瓦屋根の連なりが美しい、1階と違った趣き。
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そして、締めは八坂の塔の膝下、「東山艸堂」。
広大な敷地に建つ建物は、日本画壇の巨匠、竹内栖鳳の私邸。
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古さを生かしたモダンな空間で、
緑が美しい昼間にもう一度行ってみたいお店です。

「八勝館」

名古屋市八事の老舗料亭「八勝館」に行ってきました。
「八勝館」で食事をしたのは初めてでしたが、
以前、近くに住んでいたので、大変懐かしくもありました。
それはさておき、
「八勝館」は北大路魯山人ゆかりの料亭として知られていますが、
建築界では堀口捨巳の設計した名建築として有名です。
docmomoにも選ばれており、近代以降の数寄屋建築として代表的なもの。
八事は名古屋における有数の起伏の富んだ高級住宅地ですが、
その地形を生かしたお庭もお見事です!
紅葉の美しさが時が経つのを忘れさせます。
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こちらの建物がエントランスとなります。
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こちらが有名な「御幸の間」です。
近代以降の数寄屋建築の最高傑作。
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ここも有名なカット。
庭と室内を曖昧につなぐ中間領域です。
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結婚式の前に見学させてもらいました。
そして、お庭を散策です。
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小雨が降っていましたが、石畳が濡れてこれはこれで良い感じ。
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少し疲れてきたので、こちらで一休み。
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滋賀県甲賀より移築した離れの「田舎家」も庭に花を添えます。
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こちらの縁側はこんな感じ。
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瓦を差し込んでいます。
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食事は3人だけだったので、こちらの小さな個室で。
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外気を取り入れるこの市松の建具。
日本の美意識に感服!さらに庭の方にいくと、
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庭とのつながりが素晴らしい!!
日本人に生まれて良かったと思うひとときでした。