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コラム6/コンセプトが導く「カタチ」

  「形態は機能に従う」というモダニズムの巨匠、ルイス・サリバンの言葉や、構造の合理が形態と一致することを良しとする風潮がありますが、合理的なものが必ずしも美しいデザインにならないことがあります。言い換えると、説明のできない感覚的な部分も大切であり、合理の近傍に美しさがあるのかもしれません。
  私たちは図面や模型、パースなどによって、設計中はもちろん、工事中であってもスタディを繰り返しますが、そのすべての過程において「なぜ○○○なのか?」と問われた時に筋道を立てて説明できることは、多くの人が関わってできあがる建築の世界ではとても大切なことだと思っています。明快なコンセプトに基づいて論理的な思考によるスタディをすることで、建主をはじめ設計を一緒に進めるスタッフ、協力事務所、施工者の全員と進むべき方向性を共有することができるので、円滑にプロジェクトを進めることができます。そのようにしてできあがった建物は、その成り立ちが理解しやすく、説得力のある形態となります。ただ、デザインを論理的につめると言っても、そこにはもちろん設計者の感性や主観が入り込むため、例え着眼点が同じであっても、設計者によって全く違うものになります。つまり、論理的につめることと同様、設計者の感性も大切であり、どこまで論理的につめるかは最終的には設計者のさじ加減だと思っています。
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