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「成瀬の家」無事、引き渡し

「成瀬の家」無事、引き渡することができました。
引っ越し前の僕が撮った写真ですが・・・
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この住宅は、丘陵地にある郊外型住宅街の三差路に面して建つ平屋です。
周囲への圧迫感を考慮し、
軒高を抑えた切妻の大屋根を架けた佇まいとなっています。
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玄関は低く、暗く抑えて、
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そこをくぐり抜けると、天井の高い空間となります。
建物の中心がダイニングで、その先が南東の光が差し込むリビング。
ダイニングテーブルは床のフローリングを加工したもので、
写真の手前は座布団、リビングはソファ、奥はダイニングチェアに座ります。
キッチンで立ってる人も含めて、4つの床のレベル差の違いにより、
それぞれのところにいる人の目線の高さが揃うようになっています。
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キッチンから、ダインニング越しにリビングを見たところ。
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リビングから北側のキッチンを見たところ。
変形した敷地形状と高低差を生かすべく、大屋根の下に敷地に沿って部屋を配置し、
残された歪な残余空間には敷地高低差にあわせて床高さを設定し、
平面的にも断面的にも変化に富む、周辺環境に馴染んだ豊かな場をつくっています。
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ダイニングテーブルに座って西側を見たところ。
西日を抑えるために、天井を低く抑えて、開口部も最小限の大きさです。
暗がりをつくることで、光がつくる陰影がとても美しい。。。
左側は子供部屋になっています。
仕切りは両側から使える棚になっていて、一部は机です。
手前ダイニングから座布団に座って、ピクチャウィンドウから遠くが眺められます。
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子供部屋からは普通に椅子に座り、
勉強しながらキッチンで料理をするお母さんが見えるようになっています。
今はお子さんが小さいので、このような状態になっていますが、
勿論、お子さんが大きくなっった時のことも想定しています。
それは、5年後、10年後のお楽しみ!
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夜になると子供部屋の棚は照明ボックスに!
比較的に安価な照明器具を上手く組み合わせて、
明暗のある上品な空間に仕上がっています。
今回も照明計画はシリウスの戸恒さんです。
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デッキとリビングが連続しています。
夏に夕涼みしながら、ビールを飲んだら幸せな気分になれそうですね。
お引っ越しされて、少し落ち着いた頃に、
きちんと写真を撮らせて頂くことになっています。
家具が入ると一段と良くなりそうで、とても楽しみです。

「商店建築」他2冊に掲載されています。

MDS設計の住宅が掲載された雑誌が、書店に数冊に並んでいます。
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「商店建築4月号」にアイカの賞の記事の中で、
MDSが設計した「岡崎の家」と「八ヶ岳の山荘」が紹介されています。
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「126人の間取り」に、
MDSの設計した「たまらん坂の家」「鷺沼の家」「あざみ野の家」が掲載されています。
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「世界でいちばん住みたい間取り」では、
MDSの設計した「あざみ野の家」が掲載されています。
書店に行かれた時に、是非、ご覧になって下さい。

「仙川の家」 施主検査

「仙川の家」の施主検査に行ってきました。
工程の関係でオープンハウスは残念ながらできませんでしたが、
予定通り今週末の引き渡しには間に合いそうです。
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障子上部は陰影のある素材感が美しい左官の壁。
1階北側のリビングに2階の南側のハイサイドライトから光が落ちます。
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ダイニングから階段越しにリビングを見たところ。

「タレルの部屋」と「鈴木大拙館」

昨日の伝統工芸の工場見学に続き、
「石川の伝統工芸を活用した建築内装材提案会」に出席した後、
久しぶりの金沢ということで少しだけ建築見学。
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21世紀美術館は竣工してすぐに行ったことがあるので、今回は2度目。
市民に開放したプランは素晴らしく、無料ゾーンだけでも楽しめます。
「タレルの部屋」の静寂は、特にお気に入り。
角が少し汚れているのが気になります。。。早く直した方がいいですね(笑)。
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21世紀美術館から歩いてすぐのところにある「鈴木大拙館」に行ってきました。
谷口吉生氏の設計です。
完璧な日本の美学を見せつけられた感じで、思わず頭が下がります。

石川県伝統産業の見学

石川県の伝統工芸のアドバイザーとして、
山中漆器、九谷焼、加賀友禅の見学に行って来ました。
まず、山谷漆工房へ。
石川県の漆と言えば輪島塗が有名ですが、
山中漆器は産業としての漆の産地で、売上高として日本一だそうです。
ガン吹き、樹脂入りなどは漆塗りの本流ではないのかしれませんが、
新たな漆の可能性を模索しているという意味では先進的です。
ちなみに、樹脂を入れると漆が紫外線にも耐えられるようになるようで、
漆塗りのIPHONEカバーなどにその技術が使われいるようです。
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普通に漆を塗った場合、曲げるとパリパリとなるそうですが、
こちらの技術を使うとそのようにはならないようです。
提灯に塗ると水をはじく防水の効果もあり、新たな可能性を感じました。
そして、宮吉製陶へ。
LIXILの手洗器のSANCHIBETUシリーズの九谷焼をつくっている会社です。
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こちらの特徴は薄い手洗器を型で大量生産することに模索しています。
数年前、LIXILの衛生陶器の工場を見学させて頂いたことがありますが、
それとは全く違う製法で、比較すると面白いですね。
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下から圧力を加えて型へ流し込み、一定時間圧力を加え続けるそうです。
薄いところと厚いところで乾燥する時間が違うため、
ひび割れが生じやすく、とても苦労したそうですが、商品化は間近とのこと。
次は、九谷焼きの伝統技法のひとつ、金彩を特に得意とする「錦山窯」へ。
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釉裏金彩(ゆうりきんさい)という技法によるお皿。
通常の金彩は釉薬の上に金泥を用い塗布・線描するのですが、
釉裏金彩は金粉や模様に切り抜いた金箔を貼り、
その上に透明釉を掛けて焼きつけたものだそうです。
金箔の厚さが異なるものを使ったりすることで、模様に幅ができます。
表面はコーティングされているので、勿論剥がれません。
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こちらは、一枚一枚金箔を貼っているところ。
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そして、最後は奥田染色。
加賀友禅の伝統技法を現代にどのように生かせるか模索しています。
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こちらは木の練り付け材に染色したもの。
木目に染色の濃淡のある風合いが重なり、
深みのある表情の表面材として利用できそうですね。
夜は石川県庁の伝統振興室の方々と意見交換をしながら懇親会。
建築は設計者と施工者の両者が良い関係の上で成立していて、
建築のクオリティは設計者だけでは担保できるものではありません。
建築業界においても職人さんになりたいという若者が減り、
また一方で難易度の高い高価な仕上げは激減しているために、
日本が築き上げてきたレベルの高い技術が急激に衰退しています。
この状況を食い止めることも建築家の大事な使命であり、
今回の石川県の訪問は、その考えの延長線上にあります。
日本の伝統技術と建築が融合できると良いと願っています。

「成瀬の家」設計検査

「成瀬の家」の設計検査に行ってきました。
いくつかの指摘事項がありましたが、
今月末には無事引き渡しができそうです。
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陰影のある落ち着いた雰囲気に仕上がりました。

ゲスト審査員@積水ハウス

元「都市住宅」編集長の植田実氏とMDSの我々二名が、
積水ハウスで竣工したものの中から年間トップを決める場に、
社外の特別審査委員として招待されました。
積水ハウスの設計部には全国で1700名程いるそうですが、
事前審査で選んだ12名に発表していただき、我々が講評するというものです。
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審査会の後、MDSのレクチャー。そして、その後、懇親会。
二日目はMDSが設計した住宅をご案内しました。
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1軒目は「たまらん坂の家」。二班に分けましたが、この状況。
床が全く見えません(笑)。。。
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そして、2件目は「ポジャギの家」。こちらも人でいっぱいです。
住宅メーカーの方とお話する機会はほとんどないので新鮮な体験でした。
ある意味ではこちらもいろいろ勉強させていただきました。
建築家と住宅メーカーは住宅をつくるという意味では同業ですので、
今後も双方で意見交換しながら、日本の住環境が向上していけばと願っています。

「仙川の家」 左官工事

「仙川の家」の工事監理に行ってきました。
この住宅の最も重要な北側R壁の左官工事。
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こちらの窓から1階の北側リビングまで、曲面の壁をなめて光を落とします。
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「掻き落とし」仕上げは、始めに柔らかいブラシで荒くこすって、
仕上げに剣山のような固いものでテクスチャーをつけていきます。
完全に乾く前のベストなタイミングで掻き落としをしています。
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材料は京都の土と粘土だけ。
糊も海藻糊を使っているのですべて自然素材の土壁です。
掻き落とされた土は水でこねれば再利用可能なエコな材料です。
竣工まで、もう一息です。

「岡崎の家」「八ヶ岳の家」ダブル受賞

MDSが設計監理をした「岡崎の家「八ヶ岳の山荘」の2作品が、
アイカの賞を受賞し、表彰式に行ってきました。
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審査員長の飯島直樹氏の講評のご挨拶で、
「岡崎の家」は一等(最優秀賞)にするかをかなり悩まれたとのことでした。
残念ではありますが、その言葉が聞けただけで嬉しいですね。

日本大学卒業設計審査会

日大の卒業設計の講評会に行ってきました。
日大は教えに行きはじめて7年になりますが、
ここ数年、講評会を欠席していたので久しぶりの出席。
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1次審査は大きな会場に展示された約70人の作品から、
教授と非常勤講師をあわせた約30人の審査員が各8作品選び、
5人以上から選ばれた16作品が2次審査に進みました。
公開審査は一人ひとりプレゼンテーションと質疑応答を行いますが、
講評する時間が短く、ややストレス・・・
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こちらが一等の作品。2等とはわずか1点差でした。。。
一人の審査委員6点持ちなのですが、
僕が1等に4点入れ、2等の作品に1点入れました。
つまりそれぞれ3点、2点の配点をしていたら、
順位は入れ替わっていたということですね。
木材の出荷前、木を乾燥させる時期に、
その積み方を工夫して建築として使用するという提案。
なかなか良い着眼点だと思いました。
ところで、講評会の後の懇親会で、何人かの学生から、
「なぜ自分が評価されなかったのか?」
あるいは、「なぜ一票入れてくれたのか?」などの質問をさせれましたが、
僕の中でも評価軸をどこにするかで入れるもが変わります。
勿論、きちんと評価に対するコメントはできますが、
あまり順位などは気にしないで欲しいと思います。
大学によっても評価軸は変わりますので・・・
今回悔しいと思った人は、これに懲りずに頑張って欲しいと思います。
実際の建築もこのような点数では評価できませんからね。。。