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コペンハーゲン03/キンゴー・ハウス

オーストラリア、シドーに言えば、オペラハウス。
その有名な建築を設計したのは、
デンマークの建築家ヨーン・ウッツォン。
コペンハーゲンから電車で北へ50分。
ヘルシンオアという小さな街にウッツォンの初期の作品があります。
その街ははシェークピアの「ハムレット」の舞台になったところで、
ユネスコの世界遺産に登録されているような街ですが・・・・
ヘルシンオア駅から10分程バスに乗り、
ウッツォンが設計したキンゴー・ハウスという集合住宅へ。
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外部は殺風景で、とても閉鎖的なつくりですが、
建物の間を抜けると・・・・・
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低層の伸びやかな集合住宅が広がっています。
この集合住宅の最大の特徴は、
一住戸は専用庭を取り囲むようにL字形の建物があり、
それが起伏を馴染ませるように雁行した配置となっている点です。
ところどころにベンチやブランコがある原っぱで、
子供にとっても楽しい場所なんでしょうね。
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内部空間には入れなかったのが残念でしたが、
日本では見られない配置計画を体感することができました。
このキンゴー・ハウスがその後の集合住宅に、
大きな影響を与えたと言われています。

コペンハーゲン02/ルイジアナ美術館(内部編)

昨日のルイジアナ美術館の続きです。
起伏を生かした低層の建物が公園内に広がっています。
建築的な構成は力強いものではないですが、
緑と海を取り込みながら気持ちの良い空間が連続しています。
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緑を見ながら廊下を進みます。
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展示室は天井の高さ、床のレベル差に変化があり、
上の階から見下ろすと、作品越しに池が見えるところあります。
そして、知らず知らずのうちに地下のレベルにいるということも・・・
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途中で休憩。その先は海。絶景です。
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カフェは庭と連続していて、海が一望できます。
一日中、ここでのんびり寛ぎたいところですが、やはり、忙しい日本人(笑)。
ルイジアナ美術館からさらに北、スウェーデンとの国境の街ヘルシンオアへ。

コペンハーゲン01/ルイジアナ美術館(外部編)

先月のロシア出張の帰りにデンマークに立ち寄りました。
フィンエアはヘルシンキ経由となりますが、
ヘルシンキとコペンハーゲンは飛行機で1時間半程度。
往復でも数万円ととてもリーズナブル。
ただ、デンマークの物価は高いけど・・・・
コペンハーゲンは行きそびれていた街のひとつで、
ルイジアナ美術館は以前から行きたかった美術館でした。
建築家の間で、「建築的に」どこの美術館がトップか?
という話はよくしますが、ここを挙げる人がかなり多い。
そのような場合、実際に行ったことがあることが前提になるので、
これまではルイジアナ美術館は僕の場合はランキング外でした。
評価は主観的なものですし、評価の指標でランキングは変わりますが、
僕はルイス・カーンのキンベル美術館(フォートワース/アメリカ)、
日本では金沢の21世紀美術館がトップだと思っていましたが、
実際にルイジアナ美術館を訪れてみて、やはり素晴らしい美術館でした。
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コペンハーゲンから電車で数十分のところにあるルイジアナ美術館。
美術館といっても海が見える公園の中に、
低層の建物が木々の間にポツポツと建っているという佇まい。
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敷地全体に起伏があり、植栽が日陰をつくります。
コペンハーゲンは湿度が低いのか、日陰は涼しくとても快適。
子供連れの家族から老夫婦まで、様々な年齢層の方々が、
思い思いに芸術に囲まれながらくつろいでいます。
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鉄板の芸術。リチャード・セラの作品。
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坂の下から見ると階段は見えないのですが、
坂の上から見るとこんな感じです。
斜面にうまく調和しています。
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対岸はスウェーデン。天気もよく最高です。
ここのカフェでランチを食べるために、
コペンハーゲンに来たと言っても過言ではありません(笑)。
長くなったので、今日はここまで。内部空間はまた明日!

「赤塚の家」真夏の工事監理

「赤塚の家」の工事監理に行ってきました。
工事の進捗状況は順調で、内装のボード張りはほぼ終わり、
これから塗装および左官工事に入ります。
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まだ資材がたくさん置いてあるので、
全貌が見えませんが、なかなか良い住宅になりそうです。
建て主様のご厚意によりオープンハウスを来月させていただく予定です。
内覧をご希望される方はお手数おかけしますが、
氏名、住所、連絡先、ご職業を info@mds-arch.com までお送り下さい。

MDSが建築設計スタッフ募集

MDSでは建築設計のスタッフを募集しております。
サンクトペテルブルクのプロジェクトがフル稼働するにあたり、
語学が堪能な方(英語またはロシア語)、CGが得意な方を探しております。
ご希望の方は、下記HPからご連絡下さい。
http://www.mds-arch.com/site/recruitment

ドイツの雑誌「AD」他に掲載されました。

最近、MDSが掲載された雑誌のご紹介。
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ドイツの雑誌「AD」にMDSが設計した「八ヶ岳の山荘」が掲載されました。
ドイツ語がわかないので、何が書かれているのかわかりませんが・・・
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「住宅インテリア究極ガイド(エクナレッジ)」に、
MDSが設計した「目白の家」「ポジャギの家」が掲載されました。
こちらは書店に平積みされいると思いますので、ご覧になって下さい。

積水ハウスの広報誌にMDSの講評文が掲載されました。

今年の春、積水ハウスの審査会に特別審査委員として招待されましが、
その時の講評および講演などが掲載された冊子が届きました。
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積水ハウスの竣工した数ある住宅の中、
私たちが選んだ年間トップの住宅数件が掲載された広報誌です。
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元「都市住宅」編集長の植田実氏とMDSの講評文が掲載されています。

隅田川の花火は30分で中止に!

毎年恒例の隅田川花火大会。
今年も友人宅の屋上で、墨田川の花火を見に行きましたが・・・
開始直後からパラパラと雨が降り始め・・・
15分後くらいは傘をさして見ているのもつらくなり、
30分後くらいには豪雨のために中止に!
とても残念でしたが、また来年に期待して。
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2013年の隅田川の花火とスカイツリー。
豪雨の中、傘をさしながら撮影した貴重な写真です。

大学の講評会、そして学生は夏休み

帰国した翌日は日大、翌々日は理科大で、設計製図の全体講評会。
どちらの大学も2年生で課題は住宅。
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こちらは日大の講評会。
一等に選ばれた田中君のプレゼンテーション。
模型に照明がしこまれていて、
先生方の点数が全体的にかなり高めに。。。
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こちらは理科大の中村さんの作品。
屏風のような折れ曲がった壁が、
道路に対して正体した窓がないようにしていて、
内と外の連続性を大切にしつつ、
プラーバシーを守るといった案。
学校は夏休みとなりますが、インターンシップというものがあり、
7月後半から9月前半はMDSには多勢の学生が出入りします。
主に事務所で模型制作などをしてもらいますが、
現場見学や竣工した建物の撮影補助などもしてもらいます。
学校は休みだけど、授業は毎日あるという感じですね。
建築設計の楽しさと厳しさを体感して、
将来、建築家を目指してもらえるといいのですが・・・・

施主打合せ@モスクワ

新しいプロジェクトの打合せのために、
電車に3時間ほど乗ってサンクトペテルブルクからモスクワへ。
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こちらがドイツ製の新幹線。
パスポートチェックを受けて乗車します。
ロシアでは免許証はIDとしては認められていないようで、
ロシア人もパスポートは携帯しておくことが多いようです。
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打合せは夕方に終わり、ディナーまでの数時間が観光タイム。
モスクワと言えば、やっぱり「赤の広場」。
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そして、赤の広場に隣接するポクロフスキー聖堂(ワシリー寺院)。
個人的に気になるのは、赤の広場よりこちらの方。
1560年にイワン雷帝によって建てられた当時はドームは地味で、
現在のタマネギ形になったのは17世紀頃だそうです。
9つのネギ坊主は、それぞれひとつづつが教会になっています。
ちなみに、サンクトペテルブルクの「血の上の救世主教会」は、
こちらの建築が原型になっていると言われています。
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血の上の救世主教会」はRC造、1907年竣工と実はとても新しく、
ポクロフスキー聖堂は木造であり、技術的にも歴史的にも全く別物。
ポクロフスキー聖堂は迷路のような廊下沿いに、
小部屋がいくつもはいりついているといった印象です。
とは言うものの、多くの人が区別がつかない(?)この二つの建築を、
以前から、体感してみたかったので、見学できて大満足!
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中心部の最も広いところがこちら。
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突然、賛美歌が建物内に響き渡り、厳かな雰囲気に・・・
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そして、こちらがモスクワ大学。
スターリン・クラシック様式の建築の中で最大規模で高さ236m。
ニューヨークの摩天楼にコンプレックスを抱いていたスターリンが、
1950年代に7つのビルを建て、スターリン・クラシック様式と言われていますが、
モスクワでの別名は「7姉妹」「スターリンのウエディングケーキ」。
学生の頃の教科書「建築史(市ヶ谷出版)」を読み返してみると、
「建設技術は近代化していながら、意匠は過去の様式によっている特有な様式である。
この過去様式の巨大趣味の建築を、
第二次大戦後の西欧近代建築家が、近代にあるまじきものとして批判した。
これに対してソビエトの建築家は、
何が美しいものかを決める主人公は建築家ではなく民衆であり、
民衆が好む様式を用いて設計するのが建築家の社会的責任であると反論した。
この反論の基になる美学理論は社会主義リアリズムと呼ばれるもので、
社会主義国家の芸術一般に共通した創作方法論である。」と書いてありました。
20年前、学生の頃に勉強したスターリン・クラシックも、
時が流れ、建築家になってから読み返す文章の受け止め方は違いますね。
いろいろと考えさせられます。。。
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近くに寄ってようやく人がいることに気がつきます。
実際にその場に行かないと体感できないとは思いますが、
とてつもなく大きいことが認識できますか?
建築的には賛否両論ありますが、圧倒的な迫力です。
また、建築のデザインの社会的責任という意味を考えさせられました。
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時間がないので車の中からですが、外務省。
こちらもスターリン・クラシック!
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そして、こちらにも!
ところどころに点在しているのですが、見つけるとうれしくなります。
東京で東京タワーが見えた時の感覚に少し似ているような・・・。
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そして、こちらはロシアアヴァンギャルドが生み出した唯一の住宅。
ロシア構成主義の建築家メーリニコフの自邸です。
こちらのメーリニコフ邸は普段は見れないのですが、
ロシア語で交渉していただいて、なんとか外観のみ見学させて頂きました。
こちらは1929年竣工で、同年に竣工した有名な建物として、
ミース・ファン・デル・ローエのバルセルナ・パビリオンなどがあります。
レンガ積みの躯体に木造の床という工法ですが、
円筒を二つ組み合わせた平面に、六角形の窓という現代においても斬新なもの。
この住宅は前述のスターリン・クラシックより、
20年以上前に竣工していることになります。
ロシアが世界をリードした束の間の時代の重要な建築ですが、
ソ連時代はメーリニコフは冷遇され、人生を終えたとのこと。
建築と政治は密接に関係しているとつくづく思いました。
モスクワはとても短い時間でしたが、とても新鮮でした。
共産主義の街と言えばそれまでですが、
建築関係者は見ておいて損のない街だと思いました。
アメリカのハイウェイのように幅の広い道路と、
スターリンクラシックのような超高層ビル。
そして、ロシアヴァンギャルドの建築。
社会主義という激動を乗り越えたモスクワは、
きちんと勉強してから見学すると面白いですね。
また、近々、モスクワに行くことになりそうなので、
きちんと歴史を勉強しておこうと思います。