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春の外房

新しいプロジェクトの現地調査のため外房に行ってきました。
帰りに九十九里浜の海を見に行きたいと思っていたのですが、
話が盛り上がって帰りの電車はギリギリ。海は残念ながら次回までお預け。
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ということで写真は車窓からの田園風景。
田植えを終えたばかりの水田は清々しい春の風を感じさせてくれますね。

「松濤の茶室」祝!上棟

「松濤の茶室」が上棟しました!
半世紀ほど前に京都東山からここ松濤に移築された茶室を、
本宅の建て替えにあわせて適切な位置に再移築するというものですが、
京都に建っていた状態に戻しつつ、若干、敷地に合わせてプランと立面を変更し、
現代の技術と知恵を使ってつくり変えています。
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茶室の外側にはひとまわり大きな屋根で覆い、その中で工事が進められています。
これらの部材は長らく水澤工務店の倉庫で預かっていただいていたのですが、
塗り壁の下地の木摺も半世紀以上前の貴重なものなので、
大きな版のまま解体して痛んだところだけ入れ替え、洗って再利用。
その上の明るい色をした梁は今回、新しく入れていますが、他の梁は前のままです。
その梁は仕上げの奥に入って竣工したら見えないのですが、
以前に似た曲がったものを探してきていて、少しでも原型に近づけています。
土台や大引きも一部とり替えていますが、はじいたものも束などに再利用しています。
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おお!石が浮いています!
複雑な石の形にあわせて柱を削る数奇屋大工の技の一つ「ひかりつけ」。
外観から見えるところは極力、以前のままとしていますが、
ベタ基礎に四周土手を立ち上げるように基礎を立ち上げて、土台を回し、
水が入らないようになった大引きの束は、ゴムパッキンの上に置き、
外周の束石はこのように下からボルトで締めています。
こうすることで長期的にも石と柱の隙間が開くこともありません。
隣の本宅の現代の軸組工法とこちらの伝統工法の工事が併走して進み、
比較しながら木造の現場が見える貴重な機会。
工事の規模や施工方法は全く違うのですが、だからこそどちらも面白いですね。

大学の「桜」

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10年の任期が切れて一度は辞めた日大ですが、
また非常勤講師の声がかかり、3年ぶりに行ってきました。
キャンパス内の桜は希望に満ち溢れた雰囲気となって、やはりいいものです。
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こちらは土手沿いの理科大の桜。こちらも今まで通り週一で行きます。
川村も週一で東洋大学へ行くので、本業も忙しくなりそうです。。。

「鎌倉浄明寺の家」内装工事

「鎌倉浄明寺の家」はいよいよ内装工事。
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天井の高さが極端に違う2階には、仲良く大中小の3つの脚立が並んでいます。
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開放的な2階と対照的な見通しがあまり効かない1階の空間。
右手前の小さなRのついた開口は猫専用!
来月末の竣工を目指して、ラストスパートです。

卒業設計講評会@東京理科大学

東京理科大学の卒業設計の講評会に行ってきました。
今年の4年はやる気のある優秀な学生が多く、激戦が予想されていました。
事前に一次審査で選抜し、本日は優秀者16名の講評会です。
7時間以上の長〜い議論の末、優秀者を決めました。
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一等はこちらの坂田さんの作品。
視覚障害者の空間把握の視点から空間を作ると、
それが結果として健常者にとっても魅力的な空間となるとのこと。
目の見えない(あるいは徐々に目に目なくなっている)人が、
壁につたって歩くことに加え、床に勾配をつけることにより、
自分の居場所を認識できるようにするという着眼点が素晴らしい。
確かに目を閉じても僅かな傾斜は感じるので、下に降りると出口になり、
同じレベルを歩くと曲がりながら目的地にたどりつけることができそうです。
事前の一次審査の時も高得点を入れ、最後まで推し続けた作品です。
学生に言われるまで全く気がつかなったのですが、
毎年僕が推している案が一等になっているようです。
言われてみれば確かにそうですね(笑)。でも、これは偶然です。
審査に参加するメンバーが変われば恐らく順位は変わるものです・・・
学生はどの先生が誰に入れたとか、僕ら以上によく覚えています。
卒業してからも会った時に言われ続けるので、
とても緊張感を持って採点するように心がけています。
設計には数学などとは違って正解はないので、採点は本当に難しいです。
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こちらも推しつつけた牛尾くんの作品。
美しい急斜面の階段で知られる尾道ですが、高齢化による空家問題が深刻。
公共の垂直導線を組み込んだ建築をいくつか作るだけで、
その問題を劇的に解決しようとする提案。
着眼点は素晴らしいのですが、建築的な完成度が低く残念ながら3位止まり。。。
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そして、多くの先生方が一等をとるのではと思っていた辻川くん。
新宿という都市に新しい線を上書きするような建築の提案。
都市スケールの提案は良いのですが、、、最終形としての建築がイマイチでした。
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そして、ライバル大野くんの作品。上野駅の空港スケールの大規模再開発。
駅ナカと駅ソトのチューブ状のグリット構造で全体を構成。
うちにもアルバイトにきていた辻川くんと大野くん。
2年生の頃から元気一杯で、この二人がこの学年を引っ張ってきいましたが、
卒業設計はやや残念な結果でした。。。今後の成長がとても楽しみです。
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そして、こちらは香港の再開発、山西さんの作品です。
既存の建物を残しつつ、空中で上下に増殖するもので、
無秩序に増殖していく香港らしい建ち方ですね。
このような大規模な元気一杯の提案が例年より多かった気がします。
東京はオリピック関連、渋谷の再開発などの建設ラッシュ。
卒業設計のテーマはそんな社会情勢の影響もあるのかしれませんね。
発表できなかった学生の中にも良いものもありました。
これに懲りずに頑張ってください!
そして、春休みには良い建築をたくさん見て回ってください!

「三鷹の家」一年検査

「三鷹の家」の一年検査に行ってきました。
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重なり合う壁を上下から切り抜き、曖昧に仕切りられた空間をつくっています。
2階のセンターに設けたルーフテラスから吹き抜け越しに、
冬は1階の奥まで光が差し込むように設計されています。
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計算通り光が差し込んでいます!
竣工から一年経ちましたが、とても綺麗に住まわれていて嬉しいです。

「代々木の家」一年検査

「代々木の家」の1年検査に行ってきました。

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3階は単身赴任のご主人が東京に戻った時に寝るところ。
天井を見上げたこのアングルがとてもお気に入りとのこと。
散らかし盛りのお子さんが二人いる住宅なのに、なぜかお部屋が綺麗。
地下に行くと、、、そこにはワンダーランドがありました!
天井も高いので、縄跳びなどもしているとのこと(笑)。
改めて散らかせるスペースをとることが重要と思いました。