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「松濤の家」茶室の解体

「松濤の家」の茶室の解体がいよいよ始まりました。
こちらの茶室は一時、水澤工務店で保管していただき、
元々、茶室のあったところに賃貸棟をつくります。
そして、茶室は別の場所に少しカタチを変えて建てることになります。
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工事用の屋根で覆われた茶室。お寺の修復などでよく見る光景ですね。
京都から半世紀ほど前に、こちらに移築された由緒ある茶室なので、
解体の時にも雨に濡れないように屋根をつけるのは当然のこと。
基本的には使える部材は洗って使うので、
釘の一本一本もとても丁寧に外しながら、解体していきます。
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朝一から打合せしている間に、約500枚の瓦が全部取り外されていました。
痛んだ瓦は新しいものに変えますが、使えるものは移築した時に使います。
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瓦の下のトントン葺き。薄い木を一枚一枚、丁寧に取り外していきます。
今ではほとんど使われないものなので、実物を見たのは初めて。
コレだけで防水しているのに、雨が漏らないのが不思議です。
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数日後、現場に来ると、銅板はすべて取り外されていて、
屋根の板を外す工程に入っていました。
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そして、次の日はこのような感じに。
普段は、下からしか見ることができませんが、
上から眺めると、どのように作られているのか、よくわかります。
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土庇が室内にそのまま入って、勾配天井になっているのがわかります。
つくるのとは順番が真逆なだけなので、巻き戻せばつくる順番。
きちんとした数寄屋建築を携わることはなかなかないので、
このような機会はとても勉強になります。この先が、とても楽しみ。

紅白の梅と茶室

松濤の家の茶室解体が来月はじまるということで、
記録写真を撮りにいくことに。
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紅梅の向こう側に見えるのが解体する茶室。
手前の白梅より紅梅は咲く時期が遅いので、
紅白の梅が同時に咲いているタイミングをねらうのは難しく、
白梅は少し散り気味ですね。
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この茶室は京都から半世紀ほど前に移築したものですが、
明るく、現代人にも使い勝手が良さそう。
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障子を開けると白梅が見えるようになっています。
勿論、移築後も梅が見えるように配置する予定。

西翁院・澱看席

JIAセミナー解散後、特別公開中の西翁院の澱看席を見学に行きました。
茶人・藤村庸軒の茶室で、師匠の宗旦の三畳敷とよく似ていて、
点前座と客座との境に中柱を立てて仕切壁をつけ、
そこに火灯口をあけて「道安囲」とよばれる構えの名茶室。
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写真撮影はNGなので、こちらは入口からの写真。
たまたま見つけたこちらの特別公開は、なんと13年ぶりののようです。
茶室にご興味のある方は必見です(3月18日までです。)。
澱看の席を見学した後、そこから歩いて茂庵というカフェへ。
その途中にある、大正時代のレトロな街並を横目に吉田山の山頂へ。
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建物も楔をつかった木造の趣のある雰囲気で、今、人気のスポットらしい。
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木々の隙間から京都市内を眺めながら、美味しいケーキを頂きました。
まだまだ行ったことがないところが沢山ありますね。。。。。

樂吉左衛門の茶室

私が実行委員をつめるJIA建築セミナーで、樂吉左衛門氏に講演をお願いしました。
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千家十職の樂焼十五代当主の樂吉左衛門氏。
琵琶湖のほとりにある樂さんの茶室で、
その茶室について直接お話を聞く貴重な機会でした。
茶室と言えば、一般的な数寄屋建築をイメージしがちですが、
樂さんがそんな様式にとらわれる茶室をつくるはずもなく、
伝統的なものから、何をもらい、何を変換し、何を捨てるかを真剣に考え、
試行錯誤の結果として、この茶室ができたとのこと。
ちなみに、最初に捨てたのは土だそうです。
茶室は非日常の場所だが、非日常と言ってもそれは精神の非日常であるなど、
とても奥の深い貴重なお話に感服しました。
また、千利休の時代から続く重くのしかかる伝統を継承しつつも、
現代に生きる前衛的なデザインを作ろうとするその姿勢には、
非常に心を打たれました。
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滋賀県の琵琶湖のほとりに建つ佐川美術館。
あちらに浮かぶのが、樂さんがつくった茶室です。
実は、小間を含む、ほとんどの部分は水面の下にあります。
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佐川美術館とその増築部分の茶室の設計者、
竹中工務店の内海さんに茶室をご案内していただきました。
今回は、建築家協会のセミナーということもあり、
特別に小間の中にもあがらせていただきました!感激!
かなりの時間とコストがかかったようですが、
「急かさざること おいとい無きこと ご指導無きこと」
つまり、お金、時間、そして、建主が口出ししないとのことが、
小堀遠州(?)が言ったとされる良いものができる3つの条件だそうですが、
この茶室はその条件を満たしているとのこと。
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樂さんのこだわりで水面すれすれです。
前衛的な茶室ですが、きちんとお点前のできる素晴らしい茶室でした。
見学が終わったあとは近くの温泉宿に泊まり、懇親会。
同じ部屋となった竹中の内海さんとは夜遅くまでお話させていただき、
内海さんにはご迷惑だったかもしれませんが(笑)、
とても勉強になる楽しいひとときを過ごさせていただきました。
どうも有難うございました!

茶室の実測調査

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日本庭園をできるだけ保存しながら住宅を建て直すこちらのプロジェクト。
京都から移築されたこちらの茶室は、
若干、補修はするものの敷地内で移築することに。
解体前に水澤工務店による実測調査が始まりました。
とても難しいプロジェクトですが、少しずつ前に進んでいます。

茶室をめでる

東京屈指の高級住宅街に都心とは思えない緑豊かな日本庭園。
京都から移築されたお茶室のある素晴らしい敷地のプロジェクトが始まりました。
歴史の重みのあるそれらを保存しながら、
敷地全体をどのような新たな形に変えるべきか考えねばならない、
難しくも、やりがいのあるものです。
まずは水澤工務店さんと一緒に現地調査に。
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目利きの水澤さんは、一目見てこれは貴重なものだと、、、、
新たな計画に取り込む際には、一度きれいに解体した後、
極力同じ状態に戻すべきとの見解も踏まえ、
今後、敷地全体の配置計画そして建物設計を進めていきます。
このプロジェクト、とても楽しくなりそうです。

SUMIKAプロジェクト

東京ガスの方に宇都宮のSUMIKAプロジェクトを案内して頂きました。
この日はスタッフ共々研修旅行です。
藤森さんの設計した住宅を初めて見ましたが、
僕らとは全く違うスタンスなのに、共感するところがたくさんありました。
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藤森さんとすぐわかる外観がさすがです。
外壁は焼き杉、右側にはハシゴが貫通しています。
とても可笑しな住宅です。
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こちらはハシゴが貫通している部分で、茶室です。
茶室は室内ともつながっていますが、客人はこちらのハシゴからとのこと。