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曇り空のブルーインパルス

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青山の上空、事務所の窓から国立競技場方向を見ると、ブルーインパルスが通り過ぎるのが見えました。今日は先日のオリンピックの時よりさらに雲が多かったですね。私たち日本人にとっては64年の東京オリピックの青空に描かれた五輪のTV映像が目に焼き付いているので、どうしてもそれに比べてしまって、やや期待外れで感動できない人は多いのではないでしょうか?この曇り空のブルーインパルスは今の世相を表しているかのようですね。。。それはさておき、パラリンピック、無事に終わることを願っています。

「白金の家」英国「ATLAS OF BRUTALIST ARCHITECTURE」に

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イギリスのPHAIDON社から出版された「ATLAS OF BRUTALIST ARCHITECTURE」。MDSの設計した白金の家がこの本に掲載されています。そう言えば見本誌が送られて来ないなあと思いつつ、これまでにも掲載された他の多くの本の一冊としか思っていかなかったのですが、数人の建築家からこの本に載ってましたねと言われて、気になってAmazonで調べてみたところ、The New York Times Best Art Book of 2018やその他の概要欄やコメントにとても興味深いことが書かれていたので、高価な本ですが自腹で購入することにしました。しばらく欠品していたのか、1年近く経ってようやく届きました。分厚い立派な本で、世界中のブルータルな名建築が満載です。
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掲載されたページはこちら。小さくて少々がっかりしましたが、、、、隣は伊東豊雄の中野本町の家。こんな名作の横に掲載されるのであれば良しとしましょう(笑)。
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他の日本人建築家は、丹下健三、黒川紀章、磯崎新、安藤忠雄など、巨匠が勢揃い。
ところで、この本の中で一番取り上げらている建築家は、やはりブルータルな建築家の代表格、ル・コルビュジェです。
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インド・シャンディガールの国会議事堂。
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インド・アメダバードの綿工業館。
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フランスのロンシャン教会や、
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ラトゥーレット修道院など、他にもたくさん掲載されています。学生の頃、コルビュジェに憧れて世界中のコルビュジェの作品を見て回りまわりました。写真を見ているだけでその頃のことを思い出させてくれます。
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アメリカでブルータルな建築と言えば、ルイスカーンと思うのですが、、、なぜかやや少なめです。しかも、ソーク研究所が1/2ページと小さい!
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ヨーロッパに次いでやはりアメリカが多く、サンフランシスコのネルヴィのセントメーリー教会
といったの60年代、70年代のもの多いのですが、
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OMA コールハースのシアトル図書館や、
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スティープホールのべルヴュー美術館といった比較的に最近のものも多く掲載されています。
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ところで、SANNAAのNYのNEW MUSEUMも掲載されています。SANNAAやOMAなどの作品もブルータルな建築と言うのですね。とても興味深い本です。。。
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ヨーロッパではコルビュジェの次にピーター・ズントーの作品がたくさん載っています。ズントーの作品は日本ではまだあまり知られていない20年くらい前?にこちらのヴァルスの温泉にも行きました。とても懐かしいです。こちらの記事に当時のことが書いてあります。
この一冊で世界一周の建築ツアーが擬似体験できました!
ところで、錚々たる有名な建築群の中に、なぜMDSの小さな住宅が掲載されることになったのか?近現代の世界中のブルータルな建築の中で、若手枠ということのようです。ご興味のある方は是非、ご覧になってください!

ピーター・ズントーのヴァルス

ヴァルスには1998年に行きました。ヴァルスはヨーロッパではもともと有名な温泉地だったようですが、日本から行くような人はほとんどいなかったと思います。この温浴施設ができてからは、多くの建築家や建築学科の大学生が日本からもはるばるここへ行くようになりました。そういう意味でも、素晴らしいスイスの大自然にも勝る名建築であると言えます。温浴施設ならではの立ち込める湯気、天井の隙間から差し込む光、石に反射する音、そして外の素晴らしい大自然、それまでに体感したことのない光景でした。こんな建築を死ぬまでに一度は手がけてみたい!

動画インタビュー@西原の家

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エクスナレッジ社の動画インタビューの撮影で、西原の家に行ってきました。紙媒体の出版社も動画の撮影に力を入れ始めているようです。あまり上手く話せなかったような気がしますが、、、きっと上手く編集してくれるでしょう(笑)。

全体講評会@東京理科大学

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東京理科大学の全体講評会の風景。発表者は模型と図面を大学に持参して通常通りの講評会を行い、その風景をあちらこちらに置かれたカメラで写し、自宅にいる学生はオンライン上の好きな画面を見ながら授業を受けるというスタイルです。コロナ禍が一年以上も続くと、すっかりこんなやり方が日常になってしまいましたね。

久しぶりの建築探訪@大分

中津での法要の後、三密を避けて車で足早に大分県内の建築を見て回りました。
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中津から耶馬渓を経由して、龍岩寺奥院の投入堂へ。投入堂と言えば、国宝にもなっている鳥取の三徳山三佛寺が有名ですが、こちらはほとんど知られていないのではないでしょうか?
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こちらは三徳山三佛寺に比べると遥かに道のりが楽で、少々拍子抜けしました。
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しかも、近寄れるだけでなく、
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中に入れたのには驚きました!誰もいないところで静かに拝観できました。
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その後、別府を経由して大分市内へ。
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大分と言えば、磯崎新の旧大分県立図書館。

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docomomoにも選ばれていながらも、一時は解体の危機にあった磯崎さんの初期の名作。
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どこから見ても力強い外観です!
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現在はアートプラザという名に変えて、美術館として使われています。
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以前、図書館だったとは全く思わせないダイナミックな内部空間です。
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そこから少し内陸に入って、藤森さんのラムネ温泉に。インスタ映えすると建築とは無縁の一般の方々にもとても人気のある藤森建築。改めて訪ねてみると、やっぱり和みます。なるほど、建築的にもとても良いです。
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そして、杵築にも立ち寄りました。こちらは塩屋の坂から酢屋の坂を見た風景。
またコロナが落ち着いたら、ゆっくりと旅行したいものですね。。。

筑紫亭と風の丘葬斎場@中津

父の四十九日の法要で大分県の中津市に行ってきました。
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法要を終えた後、近くの老舗料亭、筑紫亭へ。こちらは大正時代の中津が栄えていた頃の面影を残す建物で、主屋と離れと塀は国の有形文化財に登録されています。
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手入れの行き届いた庭を抜けて玄関へ。
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玄関を振り返ると・・・美しいですね。
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中に入ると、また庭があります。
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2階にもたくさんの部屋がありますが、こんな時期なので客は僕らだけで貸し切りです。ゆらゆらとした吹きガラスが時代を感じさせます。
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三密を避けて広々としたお部屋に少人数で、中津名物のはも料理をいただきました。
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貸し切りということで、全ての部屋を女将さんに案内していただきました。こちらは、主屋と離れをつなぐ廊下。
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離れは庭に点在する数寄屋建築。
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このような廊下で繋がっています。
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なかなか凝ったディテールですね。
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このような建物と庭を維持するのは東京でも大変のことですが、人口10万人にも満たない地方都市の中津ではとても大変なことだと思って女将さんお聞きすると、海外や日本各地から筑紫亭を目当てに来ていただいているのでなんとか続けれられているとこと。
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一番奥のお座敷、竹の間の床。
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すべての部屋はそれぞれ異なった設えになっています。とても素晴らしい建物の中で、美味しい食事をいただくことができ、とても満足。その後、八面山のこがね山荘へ行く途中、「風の丘葬斎場」に立ち寄りました。
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「風の丘葬斎場」は、20年ほど前に竣工した、槇さんの名作。
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コロナ禍ということで、中に入ることはできませんでしたが、エントランス周りと庭を散策させていただきました。
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建物と庭の境界がなく、
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緩やかな傾斜した大地に呼応するような佇まいです。
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歩いていくと風景が、少しずつ変わっていきます。
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歩いているだけで心が安らぎます。そう言った意味でも、やはり素晴らしい建築ですね。ふと、ストックホルムの森の墓地を思い出しました。