代々木上原の家が久しぶりに記事になりましたが、竣工して10年になります。時の流れは本当に早いです。。。
全体講評会@東京理科大学
東京理科大学の全体講評会の風景。発表者は模型と図面を大学に持参して通常通りの講評会を行い、その風景をあちらこちらに置かれたカメラで写し、自宅にいる学生はオンライン上の好きな画面を見ながら授業を受けるというスタイルです。コロナ禍が一年以上も続くと、すっかりこんなやり方が日常になってしまいましたね。
久しぶりの建築探訪@大分
中津での法要の後、三密を避けて車で足早に大分県内の建築を見て回りました。
中津から耶馬渓を経由して、龍岩寺奥院の投入堂へ。投入堂と言えば、国宝にもなっている鳥取の三徳山三佛寺が有名ですが、こちらはほとんど知られていないのではないでしょうか?
こちらは三徳山三佛寺に比べると遥かに道のりが楽で、少々拍子抜けしました。
しかも、近寄れるだけでなく、
中に入れたのには驚きました!誰もいないところで静かに拝観できました。
その後、別府を経由して大分市内へ。
大分と言えば、磯崎新の旧大分県立図書館。
docomomoにも選ばれていながらも、一時は解体の危機にあった磯崎さんの初期の名作。
どこから見ても力強い外観です!
現在はアートプラザという名に変えて、美術館として使われています。
以前、図書館だったとは全く思わせないダイナミックな内部空間です。
そこから少し内陸に入って、藤森さんのラムネ温泉に。インスタ映えすると建築とは無縁の一般の方々にもとても人気のある藤森建築。改めて訪ねてみると、やっぱり和みます。なるほど、建築的にもとても良いです。
そして、杵築にも立ち寄りました。こちらは塩屋の坂から酢屋の坂を見た風景。
またコロナが落ち着いたら、ゆっくりと旅行したいものですね。。。
筑紫亭と風の丘葬斎場@中津
父の四十九日の法要で大分県の中津市に行ってきました。
法要を終えた後、近くの老舗料亭、筑紫亭へ。こちらは大正時代の中津が栄えていた頃の面影を残す建物で、主屋と離れと塀は国の有形文化財に登録されています。
手入れの行き届いた庭を抜けて玄関へ。
玄関を振り返ると・・・美しいですね。
中に入ると、また庭があります。
2階にもたくさんの部屋がありますが、こんな時期なので客は僕らだけで貸し切りです。ゆらゆらとした吹きガラスが時代を感じさせます。
三密を避けて広々としたお部屋に少人数で、中津名物のはも料理をいただきました。
貸し切りということで、全ての部屋を女将さんに案内していただきました。こちらは、主屋と離れをつなぐ廊下。
離れは庭に点在する数寄屋建築。
このような廊下で繋がっています。
なかなか凝ったディテールですね。
このような建物と庭を維持するのは東京でも大変のことですが、人口10万人にも満たない地方都市の中津ではとても大変なことだと思って女将さんお聞きすると、海外や日本各地から筑紫亭を目当てに来ていただいているのでなんとか続けれられているとこと。
一番奥のお座敷、竹の間の床。
すべての部屋はそれぞれ異なった設えになっています。とても素晴らしい建物の中で、美味しい食事をいただくことができ、とても満足。その後、八面山のこがね山荘へ行く途中、「風の丘葬斎場」に立ち寄りました。
「風の丘葬斎場」は、20年ほど前に竣工した、槇さんの名作。
コロナ禍ということで、中に入ることはできませんでしたが、エントランス周りと庭を散策させていただきました。
建物と庭の境界がなく、
緩やかな傾斜した大地に呼応するような佇まいです。
歩いていくと風景が、少しずつ変わっていきます。
歩いているだけで心が安らぎます。そう言った意味でも、やはり素晴らしい建築ですね。ふと、ストックホルムの森の墓地を思い出しました。
「JIN ANNEX」祝!上棟
JIN ANNEX が上棟しました。以前、MDSで設計したアパレル企業の本社ビルの横の敷地に建つ、住宅のような写真スタジオのような建物です。BIMで検討及び設計したMDSで最初のプロジェクトです。
「成城の家II」 祝!地鎮祭
「成城の家II」の地鎮祭に行ってきました。コロナ禍で混乱していた昨年はちょうど現場なかったのですが、今年に入って次々に着工します!
VRで住宅を設計する時代に
最近、設計のやり方が大きく変化してきました。とても小さな空間を検討する場合、大きな模型をつくってそれを覗き込むことで検討は可能ですが、CGパースの場合はどうしても超広角レンズで引き延ばされたもので全体を把握しなけばいけません。その超広角という歪みが、私たちに錯覚を与えます。MDSでは、12mmレンズで視点が1200くらいで描いたパース、というようにかなり厳密に歪みを意識してパースを見るようにしていますが、それでも、実際に出来上がってその場に身を置いて体感する時に違った印象を受けます。勿論、写真を撮ると、事前に描いたパースと全く同じなのですが・・・・不思議です。そして、その錯覚を解消するものがVRです。
こちらがVRのゴーグルです。VRと言ってもピンキリで、こちらの機種はiphoneを差し込んで見る数千円で買える安価なもの。ただ、あまりリアルすぎると想像力の余地がなくなってしまうので、これでも十分すぎると思っています。気軽に買えるものなので、スッタフも自宅に自分用のものを買って、リモートで検討しています。普通に見える画角に設定して空間全体を見渡すことで、実際にそこにいるような錯覚を受けるのですが、歪みがあっても空間全体を包含するような検討したい場合は、超広角の設定にしてiPadを多用しています。それらを可能にしたのがBIMなのですが、MDSの場合はARCHICADの特にBIMxの存在が大きいです。小規模な建物をBIMで設計することにはかなり後ろ向きでスタディ模型をたくさん作って検討していましたが、リモートを余儀なくされたコロナ禍のここ1年で一気にARCHICADをフル活用することでデジタル化して、気がつくと住宅を設計する上では最先端をいくアトリエ事務所となってしまったのではないでしょうか?
今でも模型の持つ力はかなり大きいと思っていますが、そもそもプレゼンで模型を見せられない、リモートでスタディ模型を常に見れる状況ではない、架構が複雑で模型を作るのが大変すぎる、あるいは、リノベーションで既存と新規が混在して模型で検討するのが難しいなどなど、模型よりもコンピュータによる3Dで検討する方が勝る部分も多々あります。従来のCGと比べてBIMによる3Dの違いは、そのまま切った平面や断面が図面になることに加えて、簡単に描き出した3DデータをiPadやVRで簡単に見れることが大きい。それに加えて、絵ではなくて、ミリ単位の正確な寸法を計りながら、検討、指示だしできるという点が良いところだと思います。使い方を一歩間違えると、建物全体を考慮しない断片、断片が集積したおかしなものができてしまうと思っていますが、BIMによって小規模建物の可能性が広がると思っています。
「大岡山の家」1年検査
大岡山の家の1年検査に行って来ました。
エントランスの正面に見える奥の庭に日が差し込み、
みかんが照らされて、絵になる風景ですね。
とても楽しく住まれているご様子が伝わってきて、
こちらもとても幸せな気持ちになりました。
コロナ禍の卒業設計講評会
卒業設計の講評会のシーズンがやってきました。昨年のちょうどこの時期、中国のコロナが話題になり始めたのを思い出します。今年は卒業設計講評会をどのようにを行うのか?と世界中の大学で頭を悩ましていることでしょう。コロナの状況が刻々と変化する中で責任を持って決断し、学生と教員そして関係する多くの人たちに事前に連絡するのはとても大変なことだと思います。このような状況下、なんとかより良い方法を見つけて前向きに行動する人類は、改めて素晴らしい!と思ってしまいます。。。
今年も森は東京理科大学と日本大学、川村は東洋大学の講評会に行きました。結局のところ、東京のほとんどの大学は学生は学校には行かずオンラインとしたようですが、理科大は常勤の先生も含め、原則はそれぞれのIDで自宅や研究室からZOOMに入り、司会者も会場に行かないとう徹底ぶり。司会の西田さんの進行に沿ってZOOMで一人ずつコメントをしていくという進め方で、各人の興味のあるところ、考え方の違いが明確となり、評価の多様性が面白かったと学生にも評判が良かったようです。日大は基本的には先生方は大学に行き、参加できない先生はZOOMで参加するというやり方でしたが、どうしても盛り上がった会場がメインとなってしまい、会場にいる先生方はオンラインの存在を忘れてしまうという現象が起きてしまいました。僕は司会がオンライン上にいる理科大は家からオンラインで参加し、司会が会場にいる日大では会場に行きましたが、どちらも結果的には正解でした。その逆だった先生方は不満があったのではないかと思います。今後の課題ですね。
こちらは日大の作品展示会場。審査会の数日前にデータが送られてきて、1次審査はデータのみで投票できるようになっていたので、特に当日オンライン参加の先生たちは会場を見ずに採点をしている先生も多かったようです。データとリアルな展示で採点が変わるかが個人的には興味深かったのですが、基本的にはあまり変わらないが、展示された大きな模型に採点が影響されることもあるという感想です。リアルの展示ではやはり模型のインパクトは絶大で、オンラインより努力や熱意が伝わり伝わります。例えば写真右手前の大きな模型が並んだプレゼンは好みを超えて多くの人の心を打ち、一等になりました。勿論、作品が素晴らしいのですが・・・。ただ、一方で大きな模型にすることで、墓穴を掘ってしまうこともあるように思いました。
こちらは一等、内野さんの発表風景。オンラインだと発表者の存在感は小さく、発表後は作品しか印象に残らないというのが残念ですね。
こちらは惜しくも三等、須賀さんの作品。模型はやや寂しいですが・・・、オンラインやデータを使った審査といった今年の発表方法にあった力の入れ方がむしろ興味深かったとも言えます。作品自体も既存の集合住宅にオフィス空間を新設した「ニューノーマルの時代の団地再生」と時代背景に沿ったテーマで新鮮さもありました。須賀さんは3年生の時からインターンでMDSに来ていた学生で、4月からスタッフになります。今後に期待しています!
「I’m home.」に「鎌倉浄明寺の家」掲載
「I’m home.」にMDSで設計監理を行った鎌倉浄明寺の家が掲載されました。
今春発売予定のMDSの著書の表紙になる住宅です。大屋根、土間、ペット、色などなど、掲載のテーマには事欠かない住宅ですが、アート特集の中での掲載です。
建築空間もさることながら、家具と飾られているもののセンスが抜群です。是非、お手にとってご覧になってください。