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「深沢の家」引渡し

震災による資材調達の影響をほとんど受けることなく、
無事に「深沢の家」の引渡しを迎えることができました。
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下記のCGとほぼ同じアングル。
予想通りの空間が出来上がりました。
近日中に、私が撮った写真をアップする予定です。

日本建築学会 建築設計資料集成に「たまらん坂の家」掲載

日本建築学会が編集する「建築設計資料集成」という本があります。
大学で建築学を専攻する人が、必ず一度は目にする本です。
そのコンパクト版が「コンパクト建築設計資料集成」。
そして、このほどそのインテリア篇が出版され、
私たちが設計した「たまらん坂の家」がそこに掲載されました。
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たまらん坂の家」が掲載されているページには、
「バラガン自邸」、篠原一男の「白の家」、
伊東豊雄の「中野本町の家」歴史に残る名作がずらり。
とっても光栄なことです。

「たまらん坂の家」で「SUMAI no SEKKEI 賞」

「住まいの環境デザイン・アワード」の授賞式が
新宿のパークタワーで行われ、「たまらん坂の家」で
暮らしデザイン部門の「SUMAI no SEKKEI賞」をいただきました。
「SUMAI no SEKKEI賞」とは、
建築雑誌「住まいの設計」の編集長の鈴木康之さんにより、
数ある作品の中からこれは!と思う一作品が選ばれ、与えられる賞です。
有難うございました!
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たまらん坂の家」で「SUMAI no SEKKEI賞」をいただきました。
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たまらん坂の家」の竣工後検査に行った時の写真です。
冬だというのに緑が絶えず生い茂り、インテリアも充実してきました。
センスの良さに脱帽です。
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竣工時はコストの関係で未完だったバスコートもついに完成。
これからの季節もまた楽しみです。

「深沢の家」塗装工事

柱シリーズの2作目「深沢の家」は今、塗装工事中。
外壁の左官工事を終え、足場の解体ももう間近。
震災の影響で、建材の調達が難しく工事中断の多い中、
この住宅に関しては特に影響もなく、
来月中旬には引渡しの予定です。
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この建物の特徴であるV型の柱が、
大空間を可能にすると同時に、空間を分節する役割を担っています。
来月上旬にオープンハウスを予定しておりますので、
ご興味のある方は info@mds-arch.com までご連絡下さい。
詳細が決まり次第、ご連絡させて頂きます。

東日本大震災「たまらん坂の家」で

東日本大震災で被災された方々、関係者の方々におかれましては、
心よりお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧をお祈りいたします。
震災後、これまで当事務所が手掛けた全ての建主さまにご連絡し、
建物に問題のないことを確認致しました。
問題がなかったことを確認できた一方で、
私たちの責任の重さを改めて痛感し、
今後も建主の財産を守るということは勿論、
社会資本として建築、そして街をどのようにつくっていくべきかを、
真剣に考えていかねばならないと思いました。
震災当日は「玉川上水の家」、「たまらん坂の家」の竣工後検査で、
私たちは事務所を空けておりました。
「たまらん坂の家」のある多摩東部は震度5弱とのことのようなので、
東京都心の震度5強よりはやや揺れが小さかったのかもしれません。
尋常ではない揺れであると感じてはいたものの、そのまま検査を続け、
工務店さんはシーリングなどの手直しを行い、帰宅の途につきました。
JRが終日運休との発表があったので、私たちは歩いて都心に向かい、
幸いにも2、30分ほどでタクシーをつかまえることができました。
都心方面へは帰れない家族を迎えに行く車で渋滞し、
普段であれば1時間もかからない距離で、3時間半ほどかかりましたが、
とても恵まれた状況だったと思います。
環七より内側に入ったあたりから外側に向かって歩く人が増え始め、
山手線、明治通りと都心に近づくにつれ、その数が徐々に増し、
都心部の混乱した状況がようやくわかってきました。
事務所に戻った時には、既にスタッフにより
棚から落下した本や模型が元に戻されていたので、
正確な被害状況はわかりませんが、
私たちが受けたダメージは比較的少ないように感じました。
節電および計画停電による交通機関のダイヤの乱れや、
協力事務所、工務店、メーカーとの連絡が取りにくいことが、
やや通常通りとは言えない状況ですが、
極めて恵まれた状況であることには間違いありません。
ただニュースを観て、節電、募金を行うだけではなく、
建築家として今、何をすべきかをよく考え、
社会に対して責任ある行動をしていきたいと思っております。

東京理科大学 卒業設計審査会

ちょっと前の記事ですが・・・ 
今年も理科大の卒業設計の審査会に行ってきました。
小嶋さんが教授を退官されるということもあったのか、
審査を行う教授、非常勤講師が25名も集まりました。
1次審査を通過した学生が10数名なので、審査する側の方が圧倒的に多く、
質問攻めで学生はかなり押され気味でした。
人数が多くて言いたいことがなかなか言えない状況で、
各講師の考え方が当然違うので、最後まで意見は収束することなく、
長い議論の末、最終的には1等は多数決で決まった感じでした。
学生の設計は基本的には実際には建つことはありません。
その場合、ロジックと図面表現の美しさだけで評価されがちですが、
本来、建築の良さはそれだけでは判断できません。
うまく言えませんが、それは空気感とでもいうのでしょうか。
感覚的なそのようなものは、
議論にならないという意見を言う人もいましたが、
本当にそこを完全に無視した議論で良いのでしょうか?
そこが欠落している人が実際の建物を設計するようになると、
ロジックだけの貧相な空間をつくるようになることでしょう。
写真からは伝わらないそのようなものこそが実際は大切で、
インターネットに慣れ親しんでいる学生に、
そのあたりを教えるのはとても難しいと常々思っています。
講評会は審査する側にとっても勉強になるものです。
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理科大の卒業設計審査会は長時間におよび、
第二部からはワインとおつまみが出るのが特徴です。
お酒が入っても勿論真剣。
司会は例年通り小嶋先生。今年で退官、お疲れまさでした。

事務所、移転しました!

3月1日から事務所を南青山に移転致しました。
青山通りから骨董通りを曲がってすぐのところで、
最寄駅の表参道から徒歩5分ぐらいです。
渋谷駅、原宿駅からですと歩いて約20分。
是非、近くにお越しの際はお立ち寄りください。
住所はこちら→東京都港区南青山5-4-35

大学の設計製図の授業

先日、ゲスト講師として明治大学に行ってきました。
学生と接するのは、こちらもリフレッシュできて良いものです。
明大は理科大、日大とはまた違った雰囲気で、
大学での教育についていろいろ考えさせられました。
ところで、この時期はどこの大学も、卒業設計の提出に向け、
後輩が先輩を手伝う独特な空気が流れています。
今年も、理科大、日大には卒業設計の中間指導行ってきましたが、
2月中旬に行われる卒業設計審査会が楽しみです。
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こちらは日大での2年生の今年最後の設計製図の授業風景。
8人の講師が、それぞれが指導した20人の学生の中から、
1、2名を選び、全体講評会で議論の末、1等を決めます。
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1等は僕の指導した学生の加藤絵理さんの作品。
斬新なオフィスの提案で、圧倒的な票を集めた1等でした。
おめでとうございます。
どこの大学もコツコツ努力するのは女子学生。
男子諸君がんばりましょう!!!

修善寺「あさば」のお食事

そして「あさば」の夕食。
上質な素材をふんだんに使った、
素朴かつ大胆な料理との評判です。
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こちらが当主直筆のお品書き。内容はもちろんですが、
その書からも、これから始まる食事への想像がかきたてられます。
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まずは「ひいらぎ素揚げ」。からっと揚げられた、淡白なお味です。
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左が「もろこしすり流し」。とうもろこしの香りが香ばしい汁物です。
右は「文月盛肴」。
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「鯵たたき吸鍋」。お出汁がきいていて、とてもおいしい。
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「すずき島あじ造り」。弾力に富む歯応えのお造りです。
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「大見川鮎炭焼」。目の前で仲居さんが七輪で焼いてくれます。
頭からがぶりと豪快にいただきます。
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左が「白だつ茶豆胡麻あえ」、右が「床ぶしもろこし揚物」。
どちらも食感のおもしろいお料理です。
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「穴子黒米ずし」。穴子の下になって見えませんが、
その名のとおり黒いお米で握られています。
修善寺特産の黒米で、もっちりとした歯応え。
滋養強壮に優れた古代米の一種だそうです。
柔らかく煮た穴子の背骨が添えられています。
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「冬瓜牛炊合せ」
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「あゆごはん」と「じゅん菜の赤だし」。
なかなか家ではできない、旅館ならではの組み合わせです。
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〆は甘味・くずきり。
きしめんのように平たいくずきりに黒蜜をかけていただきます。
くずきりはよく知っている食材ですが、形が変わるだけで
食感や舌触りが変化し、また新たな印象を受けました。
〆の甘味と書きましたが、
この後、アイスクリームも出てきました。

修善寺の名旅館「あさば」

「mdsのときどきブログ」は「ときどき」しかアップされないとは言え、
いろいろな方に(いつもブログを見ていただき有難うございます!)
インドネシア、メキシコの建築視察の写真はまだですか?
と挨拶のように言われます・・・が、もう少しお待ち下さい・・・
年始はなんとなく日本的な気分でおりますので、
ブログアップできないでいた、日本国内の印象に残っているものを
いくつかご紹介します。
まずは、修善寺の「あさば」という旅館。
京都の「俵屋旅館」、湯布院の「亀の井別荘」など、
日本には世界に誇る「旅館」が数多くありますが、
伊豆・修善寺の「あさば」もそれに並ぶ、
伝統と現代的な感覚をあわせもつ名旅館です。
「あさば」は520年の歴史をもつ日本最古の旅館と言われており、
客室から池の対岸に格式高い能舞台が見えるのが有名。
建築史家、旅館の評論家など絶賛の旅館です。
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520年の風格を感じさせる賓客門が迎えてくれます。
瓦屋根の重厚感と門扉の彫刻が見事です。
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賓客門を抜けたところに玄関があります。
藍色に染められた麻の暖簾が涼やかです。
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訪れたのは夏。ロビーには涼を感じさせるこんな演出も。
氷のかたまりにつる草をまとわせています。
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そして随所に旅館のセンスを感じさせる小物がみられます。
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こちらが泊まった部屋からの風景。
池の水面が近く、目の前に能楽堂、その背後に緑豊かな山が迫ります。
到着が早かったので、部屋を選ばせて頂きました。
滝の水音も相まって、五感で日本の夏を満喫です。
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客室の床の間。掛軸と花、そして余白から何を感じ取るか・・・
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襖紙の模様。全ての客室の襖紙を見てみたくなります。
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こちらは読書室。客室とは違う角度からの景色が楽しめます。
こじんまりとした旅館のためか、他の宿泊客とほとんど出会うことがありません。
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旅館といえば、やっぱり露天風呂。
のんびりお湯につかって、気がつくと大きな鳥が・・・。
池には川の水を引いているので、川魚がたくさんいて、
それを目当てに鳥がやってくるのだとか。
後で仲居さんに伺うまでは、彫刻だと思ってました・・・
あまりにじっとして動かないので・・・
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暗くなっていく様子をじっくり堪能。
夜、能舞台はライトアップされ、ここでしか体感できない情景が現れます。
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小舟でいくつもの行燈を池に浮かべていきます。
この行燈が静寂な空間へいざないます。
「月桂殿」と名付けられた能舞台は、
明治後期に深川の富岡八幡宮から移築されたものだそうです。
神聖な領域と人の住むこちらの領域に距離を感じます。
能舞台には旅館で働く方々も立ち入りできないそうです。
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伝統的な旅館でありながら、壁のレンガを白く塗った現代的なサロン。
夜は外のライトアップを楽しめるように、室内はかなり暗め。
ハリー・ベルトイアの「ダイアモンドチェア」が置かれています。
緩やかな時間を過ごした後は、いよいよ夕食。
食事については、次でご紹介します。