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MDS本のための再撮影

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以前、出版したMDSの本「暮らしの空間デザイン手帖」の改訂版を作成中です。この分野の本として記録的な売り上げだったのですが、5年も経つとさすがに売り上げが下がり始めているとのことで、コロナ禍の「今、日本に家を建てるということ」も意識した改訂版を出して欲しいと依頼を受け、新作15作品を追加して、内容も大幅に改定することになりました。その本の中で職住近接のことについても触れようと思っているので、成城の家の書斎とネイルサロンをそのような視点で再撮影させていただきました。
11月末出版予定なので、お盆休み返上で執筆です。。。

最初で最後の半分リアルな授業

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一見、これまで通りの設計課題の全体講評会の風景ですが、、、
東京理科大学の設計演習前期の授業は、他大同様にオンラインで行われてきましたが、前期最後の全体講評会は講師陣だけでも大学に集まろうということになり、各班5名合計40名の優秀者は模型を事前に持参し、発表当日はオンラインで行いました。講師陣はオンラインの発表とリアルな模型も見ながら講評、学生全員はオンラインでその風景を観るというスタイルです。
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モニターに映っているのは、森班の太田くん。大学にある模型をTAがiPhoneのカメラで写し、学生たちに同時配信。
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大学で大きく映し出された左側の画像は太田くんが自宅のPCをZOOMで画面共有したもので、右側は大学でTAが撮影している模型写真。さらに、本日、事情があって来れなかった新任の講師、牧さんは別のモニターに映し出されています。。。1カメ、2カメ、3カメ、、といくつもの映像があって、学生たちは自分の見たいものを見れるというシステムです。
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優秀者40名が発表を終えた後、講師一人5票持ちで投票。その集計の結果、上位4作品がこちら。一番手前、太田くんが全員の票を集めてダントツの一等でした。今後の活躍に期待しています!
どこの大学もオンラインを駆使した授業を試行錯誤しているようですが、悪いことばかりでなく、良いこともあるということがわかってきました。一方で、これまでオンラインでは見せてもらっていた模型を、改めて間近でみると新たに気づくことも多く、模型が持つパワーを痛感しました。オンラインとリアルをうまく組み合わせると良さそうですね。大きな進化が始まっています。

卒業設計講評会@日本大学

先週に続き、本日は日本大学生産工学部の卒業設計講評会に行ってきました。任期が切れて一度退任したので、日大は久しぶり。以前は中村好文さん、木下庸子さん、谷内田さんといった僕より上の世代のスター建築家がたくさんいたのですが、ほとんどが若い世代の講師に代替わりしています。

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まず模型と図面だけの審査を行い、票が多かった12人が2次審査に進みました。
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こちらは一等、中里くんの作品。1次審査の時からイチオシでした。府中刑務所の壁を街に溶け込ませて、周辺を活性化させる提案。街に対しての提案は良いのですが、刑務所の内部は全く提案がないのが、少し物足りない気がしました。
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こちらは樋口くんの作品。諏訪大社の御柱の祭りのクライマックス、木落しの山の対岸の敷地に建てる博物館のですが、建ち方を含めなかなか魅力的な提案と思いました。1次審査の時から2番目?に押し続けましたが、全体で4位。
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講評会の後は学生を交えて懇親会がありました。この学年は僕は教えていないのですが、つぎつぎと学生が講評の続きを聞きにきて、とても積極的。これから楽しみです。頑張ってください。

卒業設計講評会@東京理科大学

今年も卒業設計の講評会のシーズンがやってきました。論文だけで卒業できる大学も多いと思いますが、東京理科大学は例年同様、卒業設計を提出したのは3分の1くらいでした。講評会前の1次審査にも行きましたが、全般的には酷いものはないのですがズバ抜けて良いものがなく、ほぼ全員がまあまあ良いという感じ。15名が2次審査に進み、まず各人が発表。
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こちらは大山さんの作品。最近はどこの大学もリノベーションが多いようですが、彼女は意図して全く建築をつくっていません。都市の隙間に仮設足場などを使って、グラフィティで紡ぐ街づくりの提案です。狭義の意味でのいわゆる建物はつくっていませんがとても美しいプレゼンテーションで、建築とは何か?を問いかける問題作品として注目が集まりました。
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投票で絞りこまれた上位の作品を取り囲んで、上位3作品を選びました。周りを見渡すと非常勤の講師陣はガラリと一新されていて、気がつくと僕が最も古株。
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一等の大野くん。彼はMDSにもアルバイトに来てくれていました。おめでとうございます!
昨年までは講評会の途中からアルコールが出て、エンドレスの議論が繰り広げられいましたが(それが初見先生と小嶋先生がいらした頃の理科大の名物?のような講評会でしたが)、、、今年からは早々に講評会を終えてから懇親会。働き方改革ですね(笑)。授業以外にアルバイトなどで事務所に出入りしている学生と違って、久しぶりに会った学生にはこちらの発言が思惑と違って大いなる誤解をされていたり、学生の本音も聞けて色々な意味で勉強になりました。確かに自分自身も振り返って見ると、親切にしてくださった先生方のお言葉に腹を立てたりしていたような気が今更ながらもしてきました。。。

仕事始め

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あけましておめでとうございます。
新年の最初、まずはスタッフと一緒に初詣。
本年もどうぞよろしくお願いします!

年末年始のお休み

MDSの年末年始のお休みは12月28日(土)~1月6日(月)。
7日(火)から平常業務とさせていただきます。
本年は大変お世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願いします!

照明の調整@松濤の庭

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松濤プロジェクトの庭がようやく完成。造園は大まかには設計図をもとに進められますが、現場で樹木を見ながら色々なものが変更となり、、、それに伴って照明など諸々も当然、変更となります。
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基本的には家の中から見えることを前提としたライティングを考えているのですが、回遊式庭園でもあるので歩いている時に眩しくないようにもしなければいけません。
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今回も照明はシリウス。戸恒さんの指示のもと、スタッフの井上さんが白梅の巨木を照らすスポットライトをセッティング。戸恒さんと造園設計の戸田さんと同時にお会いするのは、ロシアのプロジェクト以来なので6、7年ぶり。ということで、お仕事の後は忘年会へ。

「大岡山の家」施主検査

大岡山の家の竣工検査に行ってきました。周囲が建て込んだ、隣地二辺との高低差の大きい旗竿敷地に建つジグザクの平面プランの住宅です。南の庭の他に、隣地の古い擁壁の補強のために盛土した奥の庭、竿の部分のアプローチを彩る前庭、この3つの庭に開く平面構成としています。
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突き当たりはダイニング、右は奥の庭、左奥はキッチン。

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南の庭に面した1階は水回り。2階リビングから1階奥のエントランスホールへ、この時期は太陽光が差し込みます。

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左奥が奥の庭。右側は旗竿敷地の竿の部分、前庭です。道路からは前庭越しに建物が顔を覗かせ、奥の庭まで見通せるようになっています。庭と街との距離感を多様に計画しています。

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あとは照明の調整をして引き渡しです。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学2年生の本年度最後の全体講評会。課題は低層にフィットネスジムの入った「スポーツ施設を内包した集合住宅」。低層の施設の天井高さはまちまちな上、求められるている容積も高いので、2年生の課題としてはかなり難しい課題だと思います。9班から優秀者3名選出して、発表、講評。そして、最後に投票して上位4名を選びました。 
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こちらは森班瀧内さんの発表風景。最後の投票で3位になりました。おめでとうございます!
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天井高の違う諸室の天井を揃えて、地盤面から埋まった高さを変えています。道路面から見える高さに2階レベルを抑えて、光のきちんと落ちる中庭プランとすることで街に対してとても気持ちの良い雰囲気を醸し出しています。中庭プランはプライバシーと採光の観点からすると、なかなか上手くいかないものですが、それもキチンと解決した力作です。
今年は(も?)飛び抜けて優秀な人はいないですが、設計を楽しみにながら頑張っている人が多いですね。仲良く競い合っている雰囲気も良いと思います。設計はセンスやスキルも必要ですが、大切なのは努力の持続(?)。まずは設計が楽しくないと何も始まりませんから。。。今後に期待してます!

「鎌倉浄明寺の家」久しぶりの訪問

久しぶりに鎌倉浄明寺に行ってきました。
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大屋根の軒先は低く抑えられ、2階の床は軒先側にいくほど天井が迫り、あえて立つことができるのは中央付近のみとなるようにして、
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その中央に背丈を超える大きい家具を置き、方形屋根の架かる四辺それぞれは、山と谷、集落、そして空が眺められる恵まれた環境で、それに呼応するように軒先をめくり上げ、景色の違う4つの間をつくりだしています。

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めくり残した軒先四隅は、床を切り欠いて1階からの吹抜けとし、上下階を繋いでいます。そこは猫の楽園です。猫たちもお気に召して頂けているようなので、ホッとしました(笑)

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夫婦2人と猫2匹が、それぞれ思い思いに過ごし共存できる居場所があちらこちらに、、、

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2階と全く雰囲気の違う1階。猫のための出入口もきちんと用意されています(笑)。こだわり抜いた家具と小物、素晴らしい住まい方に脱帽です。

外構工事@松濤

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すでに建物はお引き渡しを終えた松濤のプロジェクトの外構工事は今が大詰め。駐車場のコンクリートに一二三(ひふみ)石を埋め込みます。一二三石といえば修学院離宮の隣雲亭などが有名ですが、造園設計の戸田先生をお手本に職人さんが石を敷き詰めていきます。その後、別の場所で打ち合わせをして、戻ってみると、、、
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この通り!素晴らしい!一二三ではなく一二三四五ですね(笑)。
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門を潜って雁行させて玄関に辿り着くようにしているのですが、こちらは石を敷き詰めているところ。
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木の正確な位置や向きも、一本一本あちらこちらから見ながら決めていきます。
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2年ほど預かっていただいて松も茶室の前に植わりました。
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そして、苔を貼って、、、、
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ほぼ完成。あとは門と塀、そして照明のセッティングを残すのみ。

「松濤の家Ⅱ」お引渡し

松濤のプロジェジェクトの本宅と茶室、ようやくお引渡しをすることができました。昨年の夏には賃貸棟が竣工しましたが、そもそもお話をいただいたのは3年半前。住宅としてはかなり長期スパンのプロジェクトでしたが、一旦、ストップといったようなこともなく、擁壁工事、解体、外構工事なども含めて、流れるようなスケジュールで進めて参りましたので感無量です。
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こちらは本宅の玄関を入ってすぐの和室。格子の障子を開けると、白梅の巨木があります。残念ながら庭はまだ工事中で、あともう一息。
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和室からリビング方向を見るとこんな感じです。
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ファミリーゾーンとフォーマルゾーンは扉で仕切ることもできます。
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扉にはめ込まれているのはアンティークガラス。
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ダイニングキッチン
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その扉を開けると正面に階段、左側はフォーマルダイニング。
そして、壁は既存再利用の大谷石。2階に上がると・・・・
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壁面がガラス貼りのバレエスタジオ。
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ルーフテラスにはジャグジーがあります。1階のプライベートのバスルームとは別に、2階にはゲストを招くことを想定したサウナ付きのバスルーム。

全体講評会@日本大学

日本大学生産工学部の全体講評会がありました。日大は前期は3年生、後期は2年生を担当しているのですが、クウォーター制なので後期も二ヶ月間のみ。他の大学ですと半期で行う美術館とオフィスの2つの課題を二ヶ月で行い、講評会も午前と午後で二つの課題を1日で行うといったハードスケジュール。学生にとってはかなり大変なカリキュラムですね。
作品の総評としましては、オフィス課題はあまり面白いものがなかったのですが、美術館はいくつか良いものがありました。限られた時間の中での力作だとは思うものの、着想したものがそのまま案になったようなものが多く、スタディを繰り返したもう少し踏み込んだ提案を見たかったという印象です。
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こちらは木田くんの美術館の作品。傾斜地に合わせてチューブ状の空間が配置されていて、そのチューブとチューブに挟まれたスペースとチューブが色々な繋がり方を持つことで、建物全体が魅力的な建築となっています。とても素晴らしい案だと思います。今後が楽しみですね。

植栽と巨石の大移動

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松濤のプロジェクトの本宅と茶室の足場が外れていよいよ外構工事。
戸田先生の見守る中、茶室と賃貸棟の間に黒松を移動中。
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大きな樹木の配置が終わると、次に巨石の大移動。
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チェーンで吊り上げて、くるっと回します。
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重機も使いますが、、、、なかなか大変そうですね。
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そして、一週間後はこんな感じです。
飛び石が良い感じに配置され、ワクワクしてきますね。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学の設計課題の全体講評会がありました。今回の課題は昨年同様、銀座数寄屋橋交差点、ソニービル跡地に、高層の美術館を計画するといった2年生にしてかなり難易度の高いもの。
講師9人が先週の班ごとの講評会で優秀者2、3名を選び、本日の全体講評会では22名が発表。各案ごとにコメントして、最後に各講師4票を優秀と思われる案に投票。票の多い順で順位を決めるという流れです。
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一等は森班、四方さんでした。ガラスと壁で仕切られた内部空間と半外部空間が複雑に積層された完成度の高い作品です。他の先生方からも、代官山のヒルサイドテラスを高層化したような雰囲気だとか、緻密に動線がスタディされているなど、高い評価をされました。ELV、階段といったコアをコンパクトにまとめて、半外部のテラスを水平方向と垂直方向、両方にとりつつも、きちんと一筆書きで見て回れる美術館としての動線、機能を満足させているところが素晴らしいですね。
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2等は上島くん。前期は森班でもっとも頑張っていた学生で、案も良かったと思うのですが、他の先生方にはあまり評価されず(笑)、、、
今回、初めて上位入賞できて良かったですね。
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そして3等は小林くん。彼も前期は森班。今回、班が違っても自分が教えた学生が上位に残ると、自分のことのように嬉しいものですね。
設計課題で順位をつけるゲーム感覚の行為は否定的な意見もありますが、学生のモチベーションも上げることに大きく影響しているようです。次の集合住宅の課題も引き続き頑張りましょう!

「松濤の家2」大谷石

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いよいよ石工事が始まりました。こちらは、駐車場と勝手口を仕切る壁。もともとこちらのお宅の擁壁で使われていたものを再利用しています。安全性を考慮して、スチールのレールに引っ掛けるように取り付ける乾式工法でセットしていますが、、、、
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完成すると、このように組積造のように見えるようにしています。再利用ならではの風格が出ていますね。大谷石はここ以外に、ダイニングの大壁面やエントランスなどでも使っています。

「成城の家」祝!竣工

「成城の家」が竣工しました!
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ダークなトーンで抑えたリビングから南側の窓を見るとこんな感じ。
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そして、南側の窓辺からリビングを見るとこんな感じです。
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北側の窓の先には公園が広がっています。
詳しくは、またの機会に!

「松濤の茶室」差石と犬走り

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「松濤の茶室」はいよいよ竣工に近づいてまいりました。
束石の横に差石(伊勢吾郎太石)をこのように並べていきます。
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解体時に番号をふってあったので、それを参考に並べていきます。
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そして、このような感じなりました。続いて、手前の犬走り。
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犬走りも伊勢吾郎太石です。流石にこちらは、現状に合わせて再配置しているとのこと。歪な石を並べているのですが、外側はガイドに沿って比較的に直線的な石を並べているので、綺麗なラインが出ていますね。角もきちんと角ばっています。
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水平ラインもこのように測りながら石をセットしているから、ピシッとするのですね。ところで、再配置する際に元の石だけで同じ範囲を埋めつくすのは流石に難しいのでは?と思い、職人さんに訪ねると、やはり似た石をいくつか持ち込んでいるとのこと。ですよね・・・・(笑)。
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歪な大きな靴脱ぎ石の周りも綺麗に敷き詰められています。石と石の隙間にモルタルを丁寧に詰めているところ。本来ここは土足で歩き回るところですが、こんな手仕事を見ていると雑巾掛けしたくなりますね。。。

「松濤の茶室」左官

「松濤の茶室」は大工事が一段落して、左官工事に入りました。
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歪な部材ばかりのマスキングは一つの技ですね。
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大きな壁面は大きな金鏝で。
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小さな部位は小さな金鏝で塗っていきます。
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天井材と壁面にはわずかな隙間が開けているのは、空調の吸気口。
この小さな壁面にもきちんと左官が塗られています。
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下地窓の周りもきちんと塗られています。
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外壁の木賊張周りもこの通り。
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外壁出隅のところは、柱ではなく角を左官で角を作っています。
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まずは1回目の下塗りは終わりました。
引き続き、お盆明けから左官工事が再開です。
暑い中、有難うございます!

「等々力の家」久しぶりの訪問

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某建築賞の現地審査のため、久しぶりに等々力の家に行ってきました。エントランス前は緑が生い茂って、とても良い雰囲気になっていました。こちらの住宅のように、MDSのクライアントはセンスの良い方が多く、引き渡し後、時の経過と共にどんどん雰囲気が良くなっていくので、伺うのがいつも楽しみです。

「松濤の茶室」天井の仕上げ

「松濤の茶室」は、いよいよ天井の工事です。

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茶室4畳半、水屋2畳の小さな空間ですが、天井仕上げをいろいろ変えています。
茶室メインの天井は竿縁天井。竿縁は真竹で化粧板は杉の挽板です。
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短手方向の板のつなぎはこのようになっています。
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長手方向にはこのように胡麻割竹を入れています。手の込んだ天井です。
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茶室天井の一部は貴人口の庇を室内に貫入させ、屋根裏の構成を見せた掛込天井となっています。
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化粧板は杉柾、垂木はコブシ、間垂木と小舞は女竹です。
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床の間の天井は杉の鏡板。
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水屋竿縁天井の化粧板は屋久杉の挽板です。
そして、竿縁は磨き丸太で、廻り縁は錆び丸太です。
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流しの上は杉挽板の網代天井。
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玄関は虎竹の垂木の蒲芯漆喰押えの掛込天井です。
ガマの上から漆喰を塗ったあまり見かけない仕上げです。
来週からはいよいよ左官工事。竣工が楽しみです。

「大岡山の家」祝!上棟

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「大岡山の家」が上棟しました。
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上棟おめでとうございます!
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旗竿敷地に建つ「大岡山の家」。旗竿の竿のところは未来永劫、建物が立たないところ。そこを庭と捉えて計画されているのですが、さらに道路の向こう側の大きな木までを生かしたプランニング。手前味噌ですが、なかなか良い住宅になりそうです。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学の2年生の設計演習の全体講評会がありました。今回の課題は谷中に建つ設計事務所併用の都市住宅で、8班から選ばれた優秀者5名ずつ、合計40名が発表しました。
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こちらは松浦君の模型。谷中の路地の行き止まりからヒントを得たとのことですが、直交する軸に対して45度ふった軸を入れることで曖昧に空間を仕切ることに成功しています。開口の取り方や積層の仕方はもう少し工夫の余地はありますが、なかなか興味深い提案です。
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こちらは小林君のプレゼンテーション。彼は前回、森班だったということもあって途中経過を少しだけ見せてもらいましたが、素晴らしい案になりました。屋根を折り曲げて空間を分節するという手法は横浜の大桟橋など、いろいろあるとは思いますが、都市住宅のスケールで魅力的な形態を作り上げ、街との緩く連続させています。ただ短手方向に壁を無造作に入れているので、折角の屋根の操作を効果的に活かしきれていないのが残念ですね。
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こちらの森班、荒野さんも大屋根を大きく下げてアトリエと住宅を緩く分節した魅力的な内部空間をつくっていて、小林くんとはまた違った方法で屋根で空間を分節しています。もう少しスタディを重ねるとさらに魅力的になりそうな案ですね。
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こちらは森班、坂本さんのプレゼンテーション。谷中の特徴の一つでもある路地を敷地内にまで連続させて、路地以上に魅力的な空間を作り出しています。プライバシーや明るさの違った様々な居場所を作り、それらを立体的に組み合わせることで多様な場を作ることに成功しています。スケール感や図面の綺麗さなど総合的に完成度が高い作品です。
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全員の発表を終えた後、先生方それぞれ8名を選び、得票が多かったのはこの5名。そして2回目の投票で小林君、松浦君が同点一位、3位は坂本さんとなりました。惜しくも選外になってしまった金子君、大森さんは、次回は1等目指して頑張ってください。
ところで写真左側で司会をしている垣野先生は、この後、半年間オランダへ。そして来年からは専門分野の学校建築を教える3年生の設計の担当となり、2年生前期の住宅の課題は岩岡先生が担当の予定。

「松濤の茶室」銅板貼り

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「松濤の茶室」の屋根が銅板が貼られて、煌々と輝いています!
貼り残されたところは瓦の仕上げとなります。
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母屋の先端にも丸太に合わせて美しく銅板が巻かれています。
この輝きは風雨にさらされて年月をかけて緑青に変わっていくのが楽しみ。
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こちらは外壁下部の竹の木賊(トクサ)貼り。
一見、ただ並べて貼っているように見えますが、、、
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一本一本、光付けしているので隙間なく並んでいるのです。。。流石です!

アンティークガラス選び

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アンティークガラスを選びにクライアントと一緒に行ってきました。
「松濤の家2」のフォーマルリビングとファミリーリビングを仕切る扉は、
こちらで選んだ色々なガラスを組み合わせて作ります。
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こちらは以前、MDSが設計した西原の家のアンティークガラスの玄関扉。
ほとんどが輸入ガラスですが、お値段はピンキリです。
写真の扉はシャープなスチール製ですが、今回は木製の枠で巨大。
きっと美しい扉になるはず。とても楽しみです。