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「松濤の茶室」断熱と空調

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ようやく屋根全体が板で覆われました。
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元々は断熱はありませんでしたが、断熱材を入れています。
空調は極力目立たないように天井裏にダクトを展開させて、
天井スリットから吸排気することにしました。
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ところで、軒先の女竹。よく見ると、全部行儀よく大小2本づつ並んでいます。
竹の太さは地面に近い方が太く一定ではないので、
2本合わせてどこも同じ幅になるように上下組み合わせているとのこと。
なるほど!素晴らしい!

今年も谷中で夕涼み

東京理科大学の第二課題の敷地は昨年同様、谷中の今HAIGISOがあるところ。
出題したばかりで学生の進み具合もまだ芳しくないので(?)、、、
少し早めに授業を終わらせて、今年も現地調査に行くことにしました。
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授業を終えたはずですが、学生も続々と敷地に到着。
敷地を見ることはとても大切です。
では、学生諸君は頑張ってください!ということで学生たちとは別れて、、、
我々講師陣は上野桜木方面へ。
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デジャブのようなこの光景。ちなみに昨年のブログはコチラ
ほぼ同じです(笑)。
ただ、今年は長谷川先生とTAの大学院生たちも加わって、
女子率が7割超えの理科大らしくない(?)華やかなメンバー構成。
まだ明るいうちに外で飲むお酒は最高です!

全体講評会@日本大学

日本大学3年生の全体講評がありました。
日大は3年ぶりなのですが、昨年からクウォーター制となったようです。
これが少々問題があって、これまで半期で行っていたものを半分、
つまり4、5月のほぼ二ヶ月でこれまでの2課題を行いました。。。
小学校と集合住宅といった用途の建物を一ヶ月で仕上げなければならず、
学生はかなりタイトで、教える側も物足りなさを感じました。
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講評会も1時間半で2課題の全体講評を行う無謀なカリキュラム。
ずらりと並べられた各班の優秀作品から先生方が発表を聞かずに票を入れ、
発表者する人をその得票で1課題、4名づつ選びました。
発表する気満々の各班から選ばれた優秀者の学生のほとんどは発表できず、
各先生の講評を聞けないので、当然ながら欲求不満が溜まっているご様子。
僕が選んだものはほとんど発表していないので、
講評する側も消化不良でとても後味が悪いことになってしまいました。
良い案、優秀な人が埋れてしまっていますね。改善点が山済みです。

「松濤の家2」ガラス工事

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「松濤の家2」の現場は順調に進んでいます。
この日はガラスをサッシを取り付けしていました。
二人で運べる大きさなので、それほど大きくないのですが大変そう。
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ガラスに貼り付けているのはコチラ。暑い中、お疲れ様です!

「松濤の茶室」屋根工事

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「松濤の茶室」ようやく屋根らしくなってきました。
このあたりの板材は以前のものを洗ったものです。
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下から見るとこのような感じになっています。
二本抱き合わせの女竹は傷んでいたので、新しいものに取り替えています。
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建物の坪単価を算出する際の坪数は色々なものがありますが、
茶室の場合は建物内部に加えて庇や軒も含めた軒坪で計算することが多いです。
この作業を見ていると、室外も室内と同様に扱うのは当然ですね。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学2年生の第一課題の全体講評会がありました。
学生にとって最初の設計課題で、傾斜地に建つ別荘です。
各班優秀者+α5名が発表して先生方が投票して、その結果について議論。
そして再投票して順位を決めるといういつもの流れ。
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森班の優秀者、上嶋君の力作。
一枚の大屋根の下に傾斜を生かした多様な空間が生まれています。
他の先生方にも優秀であることは認められたものの、得票は伸びず残念でした。
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森班のもう一人の優秀者、河原崎さんの作品。
ランドスケープを考えながら傾斜地のに大きなデッキを覆い、
そのデッキの上下に生まれる空間を上手く使った素晴らしい作品。
スケール感が若干おかしいものの、敷地全体を生かしている点などが評価され、
見事1位に!おめでとうござます!
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そして同点1位のこちらの作品。
巧みに三角形を組み合わせて天井高を変化させて、多様な空間を作っています。
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こちらが一次投票で得票が多かった8作品。
ここから議論して順位を決めましたが、実際はほぼ同レベルですね。
引き続き、次の課題も頑張りましょう!
ところで、司会をしているのは常勤の垣野先生。
夏から1年間オランダへ行くのですが、たまたま日大の亀井先生と話していると、
同じ時期にデルフト大学に1年間行くとのこと。なんという偶然。
そんな縁も大切にということで、こちらの講評会にお呼びしました。
講評会の後はいつものように学生を交え懇親会へ。

「鎌倉浄明寺の家」施主検査

「鎌倉浄明寺の家」の検査に行ってきました。
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方形屋根の架かる四辺それぞれは、山と谷、集落そして空が眺められる恵まれた環境で、それに呼応するように軒先をめくり上げ、景色の違う4つの間をつくりました。めくり残した軒先四隅、床を切り欠いて土間からの吹抜けとし、上下階を繋いでいます。
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こちらは猫の出入り口(笑)。夫婦2人と猫2匹がそれぞれ思い思いに過ごし共存できる場がひっそりと佇んでいます。

現場のハシゴ

大学に週2で教えに行っていると、
必然的に現場をハシゴすることになってしまいます。
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こちらは「松濤の家2」の現場定例。
大きな梅の木を眺めながらの打ち合わせ。
とっても贅沢!爽やかな風が流れています。。。
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こちらは「松濤の茶室」の現場。ヒノキの丸太がずらりと並べています。
倉庫保管中に歪みが生じているので、全ての丸太の微調整が必要です。
風雨に晒された外側を一見磨き丸太に見えるのですが、よく見ると錆丸太。
ということで、痛んだ手前の一本は錆丸太を新調してます。
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手前が新調した檜の錆丸太。
形が違う一本一本の丸太を調整するのですからかなり大変ですね。
そして、次は「高円寺の家」の現場へ。
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3階建ての鉄筋コンクリート造。
コンクリートの打設、ようやく全て終わりました。
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外壁の仕上がりのチェックです。補修する箇所を確認しているところ。
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スラブの支保工はまだ残っていますが、来週全て取り外せます。
綺麗な光が入っていますね。なかなか良さそう。
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こちらは、コンクリートのコタタキ仕上げの見本です。
真ん中にすることにしました。

春の外房

新しいプロジェクトの現地調査のため外房に行ってきました。
帰りに九十九里浜の海を見に行きたいと思っていたのですが、
話が盛り上がって帰りの電車はギリギリ。海は残念ながら次回までお預け。
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ということで写真は車窓からの田園風景。
田植えを終えたばかりの水田は清々しい春の風を感じさせてくれますね。

「松濤の茶室」祝!上棟

「松濤の茶室」が上棟しました!
半世紀ほど前に京都東山からここ松濤に移築された茶室を、
本宅の建て替えにあわせて適切な位置に再移築するというものですが、
京都に建っていた状態に戻しつつ、若干、敷地に合わせてプランと立面を変更し、
現代の技術と知恵を使ってつくり変えています。
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茶室の外側にはひとまわり大きな屋根で覆い、その中で工事が進められています。
これらの部材は長らく水澤工務店の倉庫で預かっていただいていたのですが、
塗り壁の下地の木摺も半世紀以上前の貴重なものなので、
大きな版のまま解体して痛んだところだけ入れ替え、洗って再利用。
その上の明るい色をした梁は今回、新しく入れていますが、他の梁は前のままです。
その梁は仕上げの奥に入って竣工したら見えないのですが、
以前に似た曲がったものを探してきていて、少しでも原型に近づけています。
土台や大引きも一部とり替えていますが、はじいたものも束などに再利用しています。
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おお!石が浮いています!
複雑な石の形にあわせて柱を削る数奇屋大工の技の一つ「ひかりつけ」。
外観から見えるところは極力、以前のままとしていますが、
ベタ基礎に四周土手を立ち上げるように基礎を立ち上げて、土台を回し、
水が入らないようになった大引きの束は、ゴムパッキンの上に置き、
外周の束石はこのように下からボルトで締めています。
こうすることで長期的にも石と柱の隙間が開くこともありません。
隣の本宅の現代の軸組工法とこちらの伝統工法の工事が併走して進み、
比較しながら木造の現場が見える貴重な機会。
工事の規模や施工方法は全く違うのですが、だからこそどちらも面白いですね。

大学の「桜」

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10年の任期が切れて一度は辞めた日大ですが、
また非常勤講師の声がかかり、3年ぶりに行ってきました。
キャンパス内の桜は希望に満ち溢れた雰囲気となって、やはりいいものです。
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こちらは土手沿いの理科大の桜。こちらも今まで通り週一で行きます。
川村も週一で東洋大学へ行くので、本業も忙しくなりそうです。。。

「鎌倉浄明寺の家」内装工事

「鎌倉浄明寺の家」はいよいよ内装工事。
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天井の高さが極端に違う2階には、仲良く大中小の3つの脚立が並んでいます。
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開放的な2階と対照的な見通しがあまり効かない1階の空間。
右手前の小さなRのついた開口は猫専用!
来月末の竣工を目指して、ラストスパートです。

卒業設計講評会@東京理科大学

東京理科大学の卒業設計の講評会に行ってきました。
今年の4年はやる気のある優秀な学生が多く、激戦が予想されていました。
事前に一次審査で選抜し、本日は優秀者16名の講評会です。
7時間以上の長〜い議論の末、優秀者を決めました。
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一等はこちらの坂田さんの作品。
視覚障害者の空間把握の視点から空間を作ると、
それが結果として健常者にとっても魅力的な空間となるとのこと。
目の見えない(あるいは徐々に目に目なくなっている)人が、
壁につたって歩くことに加え、床に勾配をつけることにより、
自分の居場所を認識できるようにするという着眼点が素晴らしい。
確かに目を閉じても僅かな傾斜は感じるので、下に降りると出口になり、
同じレベルを歩くと曲がりながら目的地にたどりつけることができそうです。
事前の一次審査の時も高得点を入れ、最後まで推し続けた作品です。
学生に言われるまで全く気がつかなったのですが、
毎年僕が推している案が一等になっているようです。
言われてみれば確かにそうですね(笑)。でも、これは偶然です。
審査に参加するメンバーが変われば恐らく順位は変わるものです・・・
学生はどの先生が誰に入れたとか、僕ら以上によく覚えています。
卒業してからも会った時に言われ続けるので、
とても緊張感を持って採点するように心がけています。
設計には数学などとは違って正解はないので、採点は本当に難しいです。
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こちらも推しつつけた牛尾くんの作品。
美しい急斜面の階段で知られる尾道ですが、高齢化による空家問題が深刻。
公共の垂直導線を組み込んだ建築をいくつか作るだけで、
その問題を劇的に解決しようとする提案。
着眼点は素晴らしいのですが、建築的な完成度が低く残念ながら3位止まり。。。
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そして、多くの先生方が一等をとるのではと思っていた辻川くん。
新宿という都市に新しい線を上書きするような建築の提案。
都市スケールの提案は良いのですが、、、最終形としての建築がイマイチでした。
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そして、ライバル大野くんの作品。上野駅の空港スケールの大規模再開発。
駅ナカと駅ソトのチューブ状のグリット構造で全体を構成。
うちにもアルバイトにきていた辻川くんと大野くん。
2年生の頃から元気一杯で、この二人がこの学年を引っ張ってきいましたが、
卒業設計はやや残念な結果でした。。。今後の成長がとても楽しみです。
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そして、こちらは香港の再開発、山西さんの作品です。
既存の建物を残しつつ、空中で上下に増殖するもので、
無秩序に増殖していく香港らしい建ち方ですね。
このような大規模な元気一杯の提案が例年より多かった気がします。
東京はオリピック関連、渋谷の再開発などの建設ラッシュ。
卒業設計のテーマはそんな社会情勢の影響もあるのかしれませんね。
発表できなかった学生の中にも良いものもありました。
これに懲りずに頑張ってください!
そして、春休みには良い建築をたくさん見て回ってください!

「三鷹の家」一年検査

「三鷹の家」の一年検査に行ってきました。
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重なり合う壁を上下から切り抜き、曖昧に仕切りられた空間をつくっています。
2階のセンターに設けたルーフテラスから吹き抜け越しに、
冬は1階の奥まで光が差し込むように設計されています。
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計算通り光が差し込んでいます!
竣工から一年経ちましたが、とても綺麗に住まわれていて嬉しいです。

「代々木の家」一年検査

「代々木の家」の1年検査に行ってきました。

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3階は単身赴任のご主人が東京に戻った時に寝るところ。
天井を見上げたこのアングルがとてもお気に入りとのこと。
散らかし盛りのお子さんが二人いる住宅なのに、なぜかお部屋が綺麗。
地下に行くと、、、そこにはワンダーランドがありました!
天井も高いので、縄跳びなどもしているとのこと(笑)。
改めて散らかせるスペースをとることが重要と思いました。

大谷石の擁壁を解体@松濤の家II

擁壁を孕ませていたクロガネモチを無事移動させたので、
その擁壁の解体がいよいよ始まりました。
この擁壁は鍋島家が宅地開発(道路は今でも鍋島家のもの)した時、
つくられたものとのことなので、歴史のある大谷石。。。
つまり、フランクロイドライトが旧帝国ホテルに使う前のもの?
ということで再利用をすることにしました。

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これは数ヶ月前。
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まず、矢板で土を止めて、擁壁の裏側を重機で掘削。
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途中からは人力です。
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一度、撤去した石は石屋さんのところで保管していただきます。
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大谷石を切り出すと、中はこんな感じ。山から切り出しものと同じですね。
100年以上の風雨にさらされた表面も捨てがたく、詳細はこれから。

「鎌倉浄明寺の家」祝!上棟

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「鎌倉浄明寺の家」が上棟しました。
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スケールと全体のカタチが認識できます。
自画自賛ですが、なかなかいい空間になりそうです(笑)。
夕方から建て主様のご厚意で上棟式をしていただきました。
どうも有難うございました。

クロガネモチの移動

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昨年、根回しをしておいた「松濤の家」のクロガネモチの移動をしました。
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とても大切な木なので、かなり慎重に進めています。
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大型クレーンで持ち上げると、こんな巨大な根が・・・・
あとは、関係者全員で枯れることないように祈るのみ。

「松濤の家II」「松濤の茶室」祝!地鎮祭

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「松濤の家II」「松濤の茶室」の地鎮祭に行ってきました。
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松濤のプロジェクトは関わり初めて2年半。
数ヶ月前にようやく賃貸棟は竣工しましたが、
これから、擁壁沿いの巨木、クロガネモチを移動して擁壁解体、
そして、新しい擁壁を作って地盤を確かなものとして、いよいよ基礎工事。
竣工はちょうど1年後くらいと、まだまだ道のりは長いですが、、、
白梅を取り囲むように茶室と本宅をつくります。