帰国した翌日は日大、翌々日は理科大で、設計製図の全体講評会。
どちらの大学も2年生で課題は住宅。
こちらは日大の講評会。
一等に選ばれた田中君のプレゼンテーション。
模型に照明がしこまれていて、
先生方の点数が全体的にかなり高めに。。。
こちらは理科大の中村さんの作品。
屏風のような折れ曲がった壁が、
道路に対して正体した窓がないようにしていて、
内と外の連続性を大切にしつつ、
プラーバシーを守るといった案。
学校は夏休みとなりますが、インターンシップというものがあり、
7月後半から9月前半はMDSには多勢の学生が出入りします。
主に事務所で模型制作などをしてもらいますが、
現場見学や竣工した建物の撮影補助などもしてもらいます。
学校は休みだけど、授業は毎日あるという感じですね。
建築設計の楽しさと厳しさを体感して、
将来、建築家を目指してもらえるといいのですが・・・・
施主打合せ@モスクワ
新しいプロジェクトの打合せのために、
電車に3時間ほど乗ってサンクトペテルブルクからモスクワへ。
こちらがドイツ製の新幹線。
パスポートチェックを受けて乗車します。
ロシアでは免許証はIDとしては認められていないようで、
ロシア人もパスポートは携帯しておくことが多いようです。
打合せは夕方に終わり、ディナーまでの数時間が観光タイム。
モスクワと言えば、やっぱり「赤の広場」。
そして、赤の広場に隣接するポクロフスキー聖堂(ワシリー寺院)。
個人的に気になるのは、赤の広場よりこちらの方。
1560年にイワン雷帝によって建てられた当時はドームは地味で、
現在のタマネギ形になったのは17世紀頃だそうです。
9つのネギ坊主は、それぞれひとつづつが教会になっています。
ちなみに、サンクトペテルブルクの「血の上の救世主教会」は、
こちらの建築が原型になっていると言われています。
「血の上の救世主教会」はRC造、1907年竣工と実はとても新しく、
ポクロフスキー聖堂は木造であり、技術的にも歴史的にも全く別物。
ポクロフスキー聖堂は迷路のような廊下沿いに、
小部屋がいくつもはいりついているといった印象です。
とは言うものの、多くの人が区別がつかない(?)この二つの建築を、
以前から、体感してみたかったので、見学できて大満足!
中心部の最も広いところがこちら。
突然、賛美歌が建物内に響き渡り、厳かな雰囲気に・・・
そして、こちらがモスクワ大学。
スターリン・クラシック様式の建築の中で最大規模で高さ236m。
ニューヨークの摩天楼にコンプレックスを抱いていたスターリンが、
1950年代に7つのビルを建て、スターリン・クラシック様式と言われていますが、
モスクワでの別名は「7姉妹」「スターリンのウエディングケーキ」。
学生の頃の教科書「建築史(市ヶ谷出版)」を読み返してみると、
「建設技術は近代化していながら、意匠は過去の様式によっている特有な様式である。
この過去様式の巨大趣味の建築を、
第二次大戦後の西欧近代建築家が、近代にあるまじきものとして批判した。
これに対してソビエトの建築家は、
何が美しいものかを決める主人公は建築家ではなく民衆であり、
民衆が好む様式を用いて設計するのが建築家の社会的責任であると反論した。
この反論の基になる美学理論は社会主義リアリズムと呼ばれるもので、
社会主義国家の芸術一般に共通した創作方法論である。」と書いてありました。
20年前、学生の頃に勉強したスターリン・クラシックも、
時が流れ、建築家になってから読み返す文章の受け止め方は違いますね。
いろいろと考えさせられます。。。
近くに寄ってようやく人がいることに気がつきます。
実際にその場に行かないと体感できないとは思いますが、
とてつもなく大きいことが認識できますか?
建築的には賛否両論ありますが、圧倒的な迫力です。
また、建築のデザインの社会的責任という意味を考えさせられました。
時間がないので車の中からですが、外務省。
こちらもスターリン・クラシック!
そして、こちらにも!
ところどころに点在しているのですが、見つけるとうれしくなります。
東京で東京タワーが見えた時の感覚に少し似ているような・・・。
そして、こちらはロシアアヴァンギャルドが生み出した唯一の住宅。
ロシア構成主義の建築家メーリニコフの自邸です。
こちらのメーリニコフ邸は普段は見れないのですが、
ロシア語で交渉していただいて、なんとか外観のみ見学させて頂きました。
こちらは1929年竣工で、同年に竣工した有名な建物として、
ミース・ファン・デル・ローエのバルセルナ・パビリオンなどがあります。
レンガ積みの躯体に木造の床という工法ですが、
円筒を二つ組み合わせた平面に、六角形の窓という現代においても斬新なもの。
この住宅は前述のスターリン・クラシックより、
20年以上前に竣工していることになります。
ロシアが世界をリードした束の間の時代の重要な建築ですが、
ソ連時代はメーリニコフは冷遇され、人生を終えたとのこと。
建築と政治は密接に関係しているとつくづく思いました。
モスクワはとても短い時間でしたが、とても新鮮でした。
共産主義の街と言えばそれまでですが、
建築関係者は見ておいて損のない街だと思いました。
アメリカのハイウェイのように幅の広い道路と、
スターリンクラシックのような超高層ビル。
そして、ロシアヴァンギャルドの建築。
社会主義という激動を乗り越えたモスクワは、
きちんと勉強してから見学すると面白いですね。
また、近々、モスクワに行くことになりそうなので、
きちんと歴史を勉強しておこうと思います。
プレゼンテーション@サンクトペテルブルク
サンクトペテルブルグに、施主打合せに行ってきました。
今回もフィンエアのヘルシンキ経由でしたが、
ヘルシンキからサンクトペテルブルク行きの飛行機が小さく、
大事な模型がギリギリ機内の棚に入らず焦りました。。。。
プレゼンテーションを無事終え、
次のステップに進むことになりました。
フィンランド湾に面した運河の街、サンクトペテルブルク。
数日の滞在でしたが、毎日のようにボートに乗せて頂きました。
やはり白夜と運河は最高です!
運河が街中を張り巡らされているので、
何通りもルートがあるようです。
白夜の旧市街を時速100kmで爆走です。
ぶつかったらご臨終のスピードですが・・・・
バレエやオペラの名門、マリインスキー劇場。
昨年は建設中だった新館も今年は完成していました。
次の日は打合せが予定より早く終わったので、
1時間程ボートに乗ってフィンランド湾の対岸まで行って夕食。
日本ではなかなかできない贅沢な時間の使い方ですね。
そして夕日を眺めながら、サンクトペテルブルクに戻りました。
こちらはクライアントがボートを停泊させているところで、
併設されたレストランから見える運河の風景も美しい。
「ロシアはご飯がおいしいですね」と通訳の人に言ったら、
「美味しいところにしか行ってないからね(笑)」とのこと。
ロシアにはどこに行ってもモデルのような美人と、
おいしいご飯というのは錯覚かも?
こちらはうなぎとパイナップルのSUSHI。
今回もたくさんSUSHIを食べましたが、どれも意外と美味しい。
日本人からすると不思議な食べ物ですが、かなりお気に入りです。
サンクトペテルブルクの詳細は昨年のブログを見て下さい。
そう言えば、NHKのロシア語講座の今年の舞台はサンクトペテルブルク。
ロシア語を勉強しようと録画はしていますが、そのままに。。。(笑)
中国の雑誌「MANSION」に掲載されました。
中国の雑誌「MANSION/豪邸」に「八ヶ岳の山荘」が掲載されました。
世界中、特に欧米の豪邸が掲載されていますが、
それに交じってMDSが設計した「八ヶ岳の山荘」が掲載されました。
中国語はわかりませんがタイトルは「Old but New」。
まあ悪くないですね。
何が書かれているのでしょうね(笑)。
「八ヶ岳の山荘」は下記の海外ウェブサイトでも紹介されています。
AECCafe/India
Archdaily/ Chili
archplatforma.ru/Russia
architizer/ Holland
designboom/ Italy
Dezeen /UK
Japan Architects
ILikeArchitecture.net/UK
mooponto/
id-china.com.cn(Interior Design )/China
www.archdez.com / India
arthitectural.com/
gooood/China
書店にたくさん並んでいます!
最近、MDSが設計したものが、新旧問わずたくさん掲載されました。
書店に並んでいると思いますので、是非、ご覧になって下さい。
「最高に美しい邸宅案内」には「七里ガ浜の家」が掲載されています。
「最高に心地いい間取りをつくる本」には、
「たまらん坂の家」と「あざみ野の家」。
「部屋別・間取りアイディア 300」には、
「目白の家」「鷺沼の家」「たまらん坂の家」「あざみ野の家」。
「住宅の高さ寸法 攻略マニュアル」には「たまらん坂の家」。
照明のコーナーはシリウスの戸恒さんの記事で、
「ジンカンパニー本社」「荻窪の家」「玉川上水の家」など、
事例としてほとんどがMDSのものが使われています。
そして、「誰にも聞けないインテリアのルール」。
最近、TV、雑誌、新聞、webなどの取材が多く、把握できなくなってきました。。。。
「岡崎の家」が「A-Collection」の表紙に。
MDSが設計した「岡崎の家」が「A-Collection 012」に掲載されました。
MDSが設計した「岡崎の家」が表紙です。
しかも、巻頭です。
梁材として120角の木材を並べた天井が美しいですね。
「JIA建築年鑑2012」に「ポジャギの家」が掲載されました。
日本建築家協会JIAが毎年100作品を選出し、
「現代日本の建築家 JIA建築年鑑2012」を発行しています。
MDSが設計した「ポジャギの家」が掲載されています。
「モダンリビング」に「八ヶ岳の山荘」が掲載されました
「白金の家」 役所検査
役所検査のため、「白金の家」の工事監理に行ってきました。
ようやく外観と内装の全貌が認識できるようになってきました。
少し工事が残ってしまいそうですが、
今週末、オープンハウスを行わせて頂くことになりました。
「成瀬の家」無事、引き渡し
「成瀬の家」無事、引き渡することができました。
引っ越し前の僕が撮った写真ですが・・・
この住宅は、丘陵地にある郊外型住宅街の三差路に面して建つ平屋です。
周囲への圧迫感を考慮し、
軒高を抑えた切妻の大屋根を架けた佇まいとなっています。
玄関は低く、暗く抑えて、
そこをくぐり抜けると、天井の高い空間となります。
建物の中心がダイニングで、その先が南東の光が差し込むリビング。
ダイニングテーブルは床のフローリングを加工したもので、
写真の手前は座布団、リビングはソファ、奥はダイニングチェアに座ります。
キッチンで立ってる人も含めて、4つの床のレベル差の違いにより、
それぞれのところにいる人の目線の高さが揃うようになっています。
キッチンから、ダインニング越しにリビングを見たところ。
リビングから北側のキッチンを見たところ。
変形した敷地形状と高低差を生かすべく、大屋根の下に敷地に沿って部屋を配置し、
残された歪な残余空間には敷地高低差にあわせて床高さを設定し、
平面的にも断面的にも変化に富む、周辺環境に馴染んだ豊かな場をつくっています。
ダイニングテーブルに座って西側を見たところ。
西日を抑えるために、天井を低く抑えて、開口部も最小限の大きさです。
暗がりをつくることで、光がつくる陰影がとても美しい。。。
左側は子供部屋になっています。
仕切りは両側から使える棚になっていて、一部は机です。
手前ダイニングから座布団に座って、ピクチャウィンドウから遠くが眺められます。
子供部屋からは普通に椅子に座り、
勉強しながらキッチンで料理をするお母さんが見えるようになっています。
今はお子さんが小さいので、このような状態になっていますが、
勿論、お子さんが大きくなっった時のことも想定しています。
それは、5年後、10年後のお楽しみ!
夜になると子供部屋の棚は照明ボックスに!
比較的に安価な照明器具を上手く組み合わせて、
明暗のある上品な空間に仕上がっています。
今回も照明計画はシリウスの戸恒さんです。
デッキとリビングが連続しています。
夏に夕涼みしながら、ビールを飲んだら幸せな気分になれそうですね。
お引っ越しされて、少し落ち着いた頃に、
きちんと写真を撮らせて頂くことになっています。
家具が入ると一段と良くなりそうで、とても楽しみです。