四国の建築家の間で神様的(?)存在の土佐派の建築家、
山本長水氏をご存知でしょうか?
MDSのデビュー作、王子木材工業本社ビルが掲載された号の新建築に
稱名寺本堂も掲載されていて、僕はその時に山本長水という名前を知り、
4、5年前に稱名寺本堂と武道場に行ってきました。
山本さんとは、徳島の山奥、祖谷の温泉宿で集合。
そこで徳島の建築家の内野輝明さんと、
山本さんのレクチャーをしていただき、その後懇親会。
次の日の朝、日本三大秘境とも言われている落合集落へ。
こちらは長岡家住宅。
1970年代初頭、誰よりもはやく祖谷の魅力を発見したアメリカ人、
アレックス・カー氏は、今では古民家再生を通じて、
落合という限界集落の再生をプロデュースしていることが知られています。
古民家には宿泊もできるので、今では外国人もたくさん来ているそうです。
ちなみに、茅葺き屋根の断面、白っぽく見えるが稲藁で、
経年変化で白っぽくなっていくそうです。
そして、その上下挟んでいのがススキだでそうです。美しい!
詳しくは、こちら。
その後、いよいよ山本長水氏の「かたつむり山荘」へ。
奥深い山間に建つ「かたつむり山荘」。
ねじれた屋根が特徴的な外観は、森にとけ込んだ佇まいですが、、、
中はダイナミックでありながら落ち着く、素晴らしい空間です。
四半世紀以上経った今でも全く色あせない名建築も、
竣工当時、木造建築は建築家の仕事ではないという風潮もあって、
新建築といったメジャーな建築雑誌には全く相手にされなかったとか。
時代の先、あるいは違う方向に行ってしまうと、全く相手にされないということは、
ゴッホやモジリアニなど、絵画の世界でも同じようなことはありますよね。。。
ただ、建築は絵画と違って建て主から設計料をいただければ生きてはいけるので、
絵画とは少し違った側面もあるのですが、しみじみ考えさせられます。
そして、高知市内の稱名寺本堂へ。
僕は2度目の訪問でしたが、今回は長水さんのご案内ということと、
知識がいろいろとついた今だからこそ見えるものあり面白かったです。