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谷口吉生「雪ヶ谷の家」見学

谷口吉生が設計した「雪ヶ谷の家」が見学ができるとの情報を知人から得て、
急遽、諸々の予定を変更して見学に行ってきました。
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谷口さんはニューヨーク近代美術館増築なども手掛けているので、
恐らく一般の方にも認知されている建築家ではないでしょうか。
谷口さんの初期の作品、しかも個人住宅が見学できるというのは貴重な機会。
この頃の都市住宅に共通していることだとは思いますが、
外部から切り離された中庭があって、
天井の高さや床のレベル差を設けることで高さ方向に緩急をつけて、
階段がそれらの空間をつないでいます。
白い正方形のタイルもその頃の流行なのでしょうね。
とは言うものの、全く古臭さを感じさせない、
時代を超えてここにあるといった印象で、、、、
今、僕らが考えているようなことをすでにやられていて、
もっと頑張れ!と喝をいれらた感じがしました。

新建築住宅特集に「等々力の家」掲載

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新建築住宅特集5月号にMDSが設計した「等々力の家」が掲載されました。
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都市の隙間に建つ住宅「等々力の家」
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外観からは想像出来ない劇期的な内部空間が広がっています。
是非、お手にとってご覧になって下さい。

上大岡の家 外壁工事

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「上大岡の家」の現場に行ってきました。
外壁はこれから左官工事に入るところ。
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この住宅の敷地はかなり特殊で、ここを境に一層分の段差がありますので、
左右別棟で、2棟をエクスパンションジョイントで繋いでいます。。。
詳しくは、またの機会のお楽しみ。

横須賀の竹の子

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横須賀の個人美術館の裏庭の竹林。
宮脇愛子のアート作品がさりげなく竹林に溶け込んでいます。
こちらの竹林の採れたての竹の子を使ったお料理をいただきました。
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竹の子のカルパッチョ。
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こちらは、竹の子のステーキ。

採りたてでないとつくれないらしい。
どれも竹の子の美味しさを引き出す竹の子三昧のフルコース。
存分に春を楽しませていただきました。

「西原の家」祝!竣工

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「西原の家」が竣工しました。
駅前のお店の多い商業エリアから高台の住宅地に切り替わる境界に建つ都市住宅です。
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ファサードは特殊型枠によるコンクリート打ち放し。
パネコートの単調になりがちなコンクリート打放しを、
ランダムに水平な目地を入れることで打ち継ぎ目地をその中にまぎれこませ、
細切れの台形のラーチ合板を隙間を開けた型枠とすることで出目地となります。
どこにでもある合板にほんの一手間、二手間かけることで、
現代の工業化された規格寸法を消し去った個性的な表情のファサードが生まれました。
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テラスの先に隣地の桜の大木が望めます。
そして、リビング上部、和紙を通した淡い光が上から降り注ぎます。
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桜が舞うテラスを駆け抜けるワンちゃん。
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今回は、玄関扉もかなり頑張りました!
色々な輸入ガラスも織り交ぜながらつくったオリジナルのスチール扉です。
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照明はいつものように、シリウスの戸恒さん。
リビングとダイニング、そして階段室を緩やかに分節する短手方向の壁は、
耐震壁でもありますが、その壁が空間に奥行きと動きを与えています。
家具や素材、照明、ディールにもこだわった上質の空間。
詳しくは、またの機会に。

南青山の桜

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青山の桜と言えば、青山霊園の桜が有名ですが、
MDSからお散歩に行くような距離なので、
私たちにとっては身近なのはアニエス・ベーの前のこちらの桜。
通りをはさんで向かいのCafe Maduのテラス席が特等席。
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その隣りの店は、こんなディスプレイ(生け花?)。
なかなか斬新ですね。

「松濤の家」祝!上棟

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傾斜した道路に大きなクレーン車が鎮座して、建て方がはじまりました。
規模が大きいということもあり、建て方は二日かかりました。
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そして、祝!上棟。建主様に上棟式を行っていただきました。
引き続き、頑張ります!

新建築住宅特集の撮影@等々力の家

昨年末竣工のMDSが設計した「等々力の家」が、
新建築住宅特集の5月号に掲載されることとなり、
先日、その撮影に立ち会ってきました。
この住宅は細いところで間口2mにも満たない南北に細長く歪な土地で、
隣地との高低差が大きいところで2m程、
計画地内においてもこの地域の起伏の残像が残る敷地に建つ住宅です。
ファサード面となる北側道路側から奥に行くに連れ、
緩やかにカーブして狭まる敷地境界に沿って4つの小さなブロックを連ね、
ブロック毎に東西方向に片流れ屋根を上下に振幅させています。
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妻面上方の窓の先には空が見え、
奥に行くに連れ狭く絞り込まれるパースの効いた空間は、
実際の面積以上に視覚的な広さを助長しています。
1階レベル西側は隣家の地階=擁壁となっているため、
擁壁に面して開口を設けていますが、
対面の東側は隣家が迫っているため、隣家に正対しないよう、
ブロックのずれにより生じた南北面の僅かな妻面に開口部を設けていています。
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階段を上がると、個室に続き浮遊感のあるプライベートリビング、
ベッドスペースへとつながるが、ベッドスペースはオープンでありながらも、
床レベルや軸の振り方によりベッドの存在が消されています。
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このような緻密な諸室の配置が、様々なシークエンスを展開させます。
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それぞれの開口部から性格の違う光が差し込み、
角度を持った壁や天井が太陽の動きと共に刻一刻とその表情を変え、
変化に富む飽くことのない内部空間となっています。
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キッチンの先に庭。上部は奥様の寝室。
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平断面において建物の中央に位置するダイニングは上下左右に視線が抜けながらも、
天井で抑えられた落ち着いた団欒スペースとなっています。
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 外から続くタイル張りのホールはピアノが置かれた応接スペース、
そこから敷地境界なりに角度を成してダイニング、キッチンとつながります。
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非常に難しい敷地でしたが、とても魅力的な住宅が出来たと思います。
詳しくは新建築住宅特集5月号(4月19日発売)を是非、ご覧になって下さい。

ベトナム4 現地で頑張る日本人

ベトナムで設計活動をしている日本人建築家の作品も見学させてもらいました。
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こちらはボチョンギアのパートナーだった時に西澤俊理さんが担当した住宅。
元々は2世帯住宅として設計したのですが、
諸事情で地下1階が西澤さんの事務所で、3階より上が西澤さんのご自宅。
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地下のアトリエで、西澤さんに丁寧なレクチャーをしていただきました。
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細長い地下空間で、室内はとても暗く(暑い日差しを遮っている?)、
突き当たりの僅かな光が壁を照らしているのがドラマチック。
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ファサード側の日よけの室内側はこんな感じ。
年中暑いホーチミンでは基本的に日差しをカットするのが鉄則なんですね。
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屋上の日よけはこのような感じ。
雑誌などで見ていた竣工時とは違ったジャングルですね。
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内外が連続した開放的な内部空間。
日本では網戸を必ずしますが、ベトナムでは気にする人としない人と半々らしい。
現代の日本人はあまりにも虫が家に入ることを気にしすぎるばかりに、
デザインの可能性を狭めてしまっているかもしれませんね。
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どこを切り取っても絵になる素晴らしい住宅でした。
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その後、西澤さんが設計したレストラン4PSで、一緒にお食事。
オーナーも日本人のピザ屋さん。
大人気のお店で、最近、2店舗目が開店したとのこと。
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床をぶち抜いて、その代わりに他を補強。
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西澤さんは、東大出身の安藤忠雄事務所出身なのですが、
多彩の素材の使い方や色気のあるディテールなど、
ちょっとそれらを感じさせない作風です。
空間もお味も最高でした!あと、西澤さんと篠崎さんとの会話もですね。
そして、ベトナムで活動をしているもう1人の建築家佐貫大輔さん。
佐貫さんは以前、セミナーでお呼びしたことがありますが、
今回はツアーでは時間的に組み込めなかった佐貫氏設計のアパートには、
フリーの時間に少人数で拝見させていただきました。
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間口が狭く奥に細長い敷地に建つ3階建ての集合住宅です。
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特徴的なファサードは実は既製品だそうです。
水平方向にランダムなコンクリートのラインがアクセントとなっていますが、
それはこの素焼きのブロックを施工する際の基準にもなっています。
このブロックが日差しを遮りつつ、涼しい風を通します。
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細長い敷地の途中に中庭のあるいわゆる立体町家ですね。
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佐貫さんは理科大の小嶋研究室に所属中、ハノイモデルを担当していたのですが、
その経験も生かされているのでしょう。
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所々に風の通り道もデザインされていて、とても良い風が流れています。

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住んでいる住人にお願いしてくれて、室内にもいれていただきました。
丁寧にご説明いただき、そして、ホーチミンの夜もご案内いただき有難うございます。
ベトナムで活躍しているギアさん、佐貫さん、西澤さん。
今回の企画の中心人物の塚田さん、そしてそのつながりで篠崎先生。
彼らは以前からどことなく繋がりある知り合いのような同世代で、
そんなそれぞれが、それぞれの場所で頑張っていることを確認し合い、
今まで以上に頑張ろうと思えたように思います。
本当に濃密な毎日で、とても3日間とは思えない充実したものになりました。
ご協力して下さった方々に、感謝、感謝です。