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北欧17/テンペリアウキオ教会

気がつくと街はすっかりクリスマス一色です。
サンタクロースと言えばフィンランドということで、再び北欧旅行ネタです。
フィンランドの教会をいくつか紹介しましょう。
まずは、ヘルシンキの中心部にあるテンペリアウキオ教会。
こちらは岩盤を掘ってつくられた珍しい教会。
単純明快なつくりが素晴らしく、特に天井は圧巻です。
竣工は1969年。設計者はティモ&トゥオモ・スオモライネン兄弟。
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岩盤を掘ってつくられた教会です。
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天井は圧巻です。
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こちらが天井のディテール。
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ほとんどが岩盤に埋まっていて、天井の180枚の窓ガラスから光が差しみます。
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週末は分刻みで、たくさんの結婚式が行われていました。
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上部はこんな感じになっています。

北欧16/アアルトハウス

アアルトのスタジオから歩いてすぐの所に自邸がある。
アアルトは最初はユバスキュラという小さな街で設計事務所をはじめ、
その後、トゥルクに移転し、そして、ヘルシンキ郊外のこの場所に、
自宅兼事務所をつくり、仕事場が手狭になりスタジオを建てた。
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メインエントランス。
木の部分が住宅エリアで、レンガに漆喰を塗った部分が事務所エリア。
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この当時のアアルトの定番、レンガに漆喰の仕上げ。
漆喰は経年変化して味のある表情を醸し出す。
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住宅エリアの外装に使われている細い木板は、
アアルトの代表作の一つ「マイレア邸」の外装とほぼ同じです。
2階のテラスからは、建設当時は海が見えたそうですが、
今は住宅が建ち並び、海を見ることはできません。
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なかなか快適そうな仕事場です。

北欧15/アアルトスタジオ

ヘルシンキの郊外にアアルトのスタジオがある。
建築家の巨匠アルヴァ・アアルトは、フィンランドの英雄でもあり、
以前、フィンランドのお札になっていたことがある程だ。
そのようなアアルトがどんなところで仕事をしていたのか興味があった。
建物の全体が白いので、晴れていると空が青く、光りが差し込み、
その白さが引き立つと思いつつ、
訪れた日は残念ながら天候があまり良くなかった。
しかしながら、コルビジェのサヴォア邸のように、
建物全体の印象が天候にあまり左右されないような気がした。
それは、北欧的な採光にも影響があるとは思うが、
素材の持つ力と洗練されたディテールがあるからだとも思う。
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外装はレンガに漆喰を塗っている。
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仕事場の天井は片流れで、杉板(?)型枠コンクリートに塗装。
両側にハイサイドライトが設けられ、適度な明るさが確保されいる。
こんな職場だと素晴らしい案が浮かびそう。
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ラウンジは中庭に面して、天井を高くとっている。
内装は白で統一されているが、いろいろな素材が使われている。
写真ではその良さが伝わらないのが残念。
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ラウンジの中庭側は緩くカーブしている。

北欧14/カレヴァ大聖堂

早朝、トゥルク港に到着後、足早に二つの教会を見学し、
午後一で特急に乗り込んでタンペレに移動。
このようなハードスケジュールになってしまったのは、
この教会がどうしても見たかったからだ。
アアルトの「夏の家」「ユヴァスキュラ大学」「自邸」など、
見学できる日時が決まっているものが多く、
少し無理をしないと効率良いスケジュールが難しい。
旅先で会った日本人も、やはり同じようなこと言っていました。
ところで、カレヴァ大聖堂はライリ&レイマ・ピエティラの設計。
何枚ものコンクリートの壁が天に向かってそびえ立ち、
その隙間から光が差し込むという単純かつ明快な建築。
今までに体感したことのないその物質感に圧倒され、
素材の持つパワーを改めて再認識させられました。
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天にそびえ立つコンクリートの壁は圧巻です。
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時々刻々と光が変化して、内部空間の表情も変わります。
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天井です。

北欧13/タンペレ市立図書館

久しぶりに北欧ネタ。
気が向いた時に思い出したように北欧ネタを書いていますが、
時々「また北欧に行ったんだね」とか、
「随分長いこと行っていたね」とか言われ、
誤解を招いているようです(笑)。
久しぶりの北欧ネタは、タンペレ市立図書館から。
フィンランドの建築家、ピエティラの設計です。
雷鳥をモチーフにした斬新なデザインで、内部空間は有機的。
フィンランドと言えば、森と湖に覆われた豊かな自然、
そしてそこに住むサンタクロースとムーミン。
この図書館の地下はムーミン谷(ムーミン博物館)で、
世界中の旅行者は普通はそちらに行くようです。
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北欧12/トゥルク マッティ・サナクセンアホ

トゥルクにはブリュックマンの礼拝堂があり、
近郊にはアアルトのデビュー作、パイミオのサナトリウムがある。
しかし、私たちがこの街を訪れたかったのは、
数年前にできたばかりのある木造の礼拝堂を見たかったからだ。
その名前は、聖ヘンリー・エキュメニカル礼拝堂。
マッティ・サナクセンアホという私たちと同世代の若い建築家の設計だ。
どちらの名前も日本人には難しくて覚えられない(笑)。
あまり知られていないが、「a+u」の2006年8月号で紹介されている。
トゥルクからさらにバスで30分ほどの辺境の地にあり、
バスの本数はわずかで、乗っている人もほとんどいない。
礼拝堂は松林の丘の上に立っていた。
銅板で覆われた外装はうつ伏せにした船のようでもあり、魚のようでもある。
躯体は松の集成材を曲げたリブで構成されており、室内の壁は無塗装の板張り。
経年変化で外装の銅板は緑青を吹き、室内の板は赤みを帯びてくることだろう。
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幻想的な北欧的な空間。
木造にも新たな可能性があることを痛感させられた。
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銅板で覆われた外装はうつ伏せにした船のようでもあり、魚のようでもある。
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祭壇側の外観。
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祭壇際の開口からの光が、祭壇壁を美しく照らす。
このガラスはハンヌ・コノラという作家の作品らしい。

北欧11/トゥルク ブリュックマンの礼拝堂

ストックホルムからの船は、朝8時頃、トゥルク港に到着。
午後にはタンペレへ移動する予定だったので、
急いでエリック・ブリュックマンが設計したキリスト復活の礼拝堂へ。
フィンランドには素晴らしい教会がたくさんある。
イタリア、スペインなどの教会とは違い、
比較的新しい自然と調和した現代建築が多い。
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北欧の建築は自然との調和が素晴らしい。
木立の向こう側に建築が見えてくるというのが北欧流(?)
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切妻屋根の塗壁。シンプルな家型の外観は普遍的。
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エントランスのアイアンワークの扉。
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正面が祭壇。側面から木漏れ日が入り込む。

北欧05/ストックホルム 地下鉄

ストックホルム市内のあちこちで岩盤を見かけた。
岩盤の上に都市が築かれているのだろうか?
地下鉄も岩盤をくり抜いてつくられれているように感じた。
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素晴らしいペインティングがされている駅があった。
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プラットフォームまで続いている。

北欧03/ストックホルム 市立図書館

「ストックホルム市立図書館」の設計者は、
「森の墓地」と同じくエーリック・グンナール・アスプルンド。
ここも以前から訪れたかったところ。
古典的な形態をとりながらも、世界にふたつとない空間だ。
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ゆるやかな階段をあがっていくと中央にエントランスがある。
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中に入り、階段をのぼり円柱の中へ。
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四周が本棚で囲まれた象徴的な空間。
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本棚に沿った歩廊。ライトアップも素晴らしい。

北欧02/ストックホルム 森の礼拝堂

森の墓地の中にある「森の礼拝堂」。
十字架のある丘を越え、少し下った左手にゲートがあり、
そこをくぐって木々をぬけたところにひっそりと建っています。
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ゲートの先に森の礼拝堂が小さく見えます。
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しばらく木漏れ日の中を歩いていくと・・・
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ひっそりと礼拝堂が建っています。
美しいプロポーションです。