村野藤吾が設計した料亭に行ってきました。
そして、堀口捨巳が設計した料亭、
八勝館で食事をした時、
次は、是非、訪れて見たいたいと思っていたところでした。
竹木賊張りの塀にこけら葺きの屋根がかかったエントランスの門。
門の外からは少しだけ奥が見えるのですが、
そこをくぐらないとその先が見えない演出です。
これぞ、日本の美学。。。素晴らしい!
そして、門をくぐっても、またその先が見えません。
土塀の上にはきちんと屋根がのっていて、雨から壁を守っています。
メンテが行き届いているからということもありますが、
1976年に竣工したとは思えない美しさです。
振り返るとこのような感じ。
オカメ笹と竹林、そして木漏れ日が土塀を引き立てます。
さらに先の玄関からの見返しです。
そう言えば、、、晴れているのに石が綺麗な色をしています。
ここまでの長いアプローチを全部水打ちしてくれているのですね。
思わず、頭が下がります。。。
そして、こちらが玄関です。
床は玄晶石割り肌、沓脱石は御影石。天井は杉網代張り。
ここは中曽根首相とレーガン大統領の時代、
東京サミットで使われたことで有名な「桐の間」。
ここの見せ場はなんと言って床の間です。
高松の栗林公園内にある掬月亭「初莚観」にある井桁格子に倣い、
住友のマークを思わせる菱形の井桁格子にしています。
天井の光天井の和紙張りは竣工当時は一枚ものでしたが、
今はメンテナンスをしやすいように9分割にしたそうです。
そして、こちらが井桁格子のアップ。
こちらは「 茜の間」。和紙と違った趣きの光天井ですね。
そして、こちらは今回食事をいただいた「葵の間」。
村野藤吾好みの洞床があります。
床の間の横の窓から赤い椿が簾越しに見えます。
庭に出ると低く抑えた軒先が連なっていてます。
手前が葵の間で、奥に見えるのが「桐の間」。
こちらは「葵の間」の土庇。
そして、こちらが「桐の間」の土庇。少しだけ違いますね。
食事が終わった後に、日本庭園を散策。
大きな鯉が似合う風景です。。。
この日は私たち4人のみの貸し切り状態でしたが、
長時間にわたり大勢の方々にもてなしていただき、
日本の「おもてなし文化」を満喫させていただきました。