バルセロナと言えば、やっぱりガウディ。
サグラダファミリア、グエル公園、カサミラなど、目ぼしいものは学生の時に見ているのですが、色々知識がついた今、見るとどう感じるか?ということで、再訪です。
オロトを真っ暗な早朝に出て、濃霧の中車で2時間半。バルセロナに到着。
塔が林立した外観は今にも完成間近にも見えます。
今はアルハンブラ宮殿を抜いてスペインでもっとも来訪者が多く、入場規制されるほど。朝一の事前予約をしておいたので、開門と同時に教会中へ。
誰もいないセンターへ直行。
30年前には全くなかった空間を体感。
すっかり教会として完成していますね。
ステンドグラスの綺麗な光が差し込んでいます。
ちなみに、30年前に撮った写真はこんな感じです。
あんまり写真を撮っていないので全貌がわからないですが、
壁の奥に空が写っているように、この皮一枚と4×2本の8棟くらいしかなかったと思います。
教会らしき空間は全くなかったので、写真が残っていないのかも。
昔の「地球の歩き方」を引っ張りだして見ると、
完成まであと200年はかかる云々と書いてありました。
かつては手づくりの模型や、逆さ吊り実験によって構造計算をしていたのですが、
最近ではコンピューターによる構造解析で、
設計や模型の製作をスピードアップさせているとのこと。
そこまでは良いとして、構造が石を積む組積造から鉄筋コンクリート造に変更されたとのこと。
急速にスピードアップしたとは言え、ガウディが生きてたら、こんなことにはならないでしょうね。これって木造ではなく鉄筋コンクリート造のお城と同じですよね?
言われてみると確かに重みがないように思えてきました。。。。
完成は200年後、つまり2200年頃?と言われていましたが、ガウディの没後100年の2026年となり、生きている内に完成したものが見れるんですね。。。
嬉しいような残念のような、複雑な気分。
今回は時間もないので、タワーにも登らず、、、
裏側の誰もいない地味な附属学校へ。
この建物は教会建設に携わる労働者や近隣の子どもたちのためにガウディが自費で建てたとか。
スペインの内戦で破壊され再建ですが、30年前はなかったような気がします。
今、僕らが考えているようなことを、
100年前にガウディはやっているのだから脱帽です。
そして、1時間かけて郊外のコロニア・グエル地下聖堂へ。
サグラダファミリアよりこちらの方が、
装飾が比較的抑え気味ななので、
現代の建築家には理解しやすく、人気が高いのかも?
構造が明快で、とても美しい空間です。
そして、市内に戻って、ミースの金字塔、バルセロナパビリオンを再訪。
学生の頃、近代建築についての理解も浅く、この壁と柱の意味を知らずに、
水平方向に伸びやかな壁と屋根がこっこいい!とは思いましたが、、、
柱こそ大切であることを理解した上で、今、どう感じるか楽しみでしたが、、、
意外にも以前と同じくらいの感動です。
勿論、素晴らしいですが、写真のままですね。
やはり頭で理解することによる感動は、感覚的な感動ほどは大きなものにならないのか?
Less is more.
柱が屋根を支え、壁が人を誘導し、空間を作っています。
人が全く写っていませんが、実は人で一杯。昔は全く人がいなかったように思いますが、高価な石の壁を背景にポーズをとってポートレート写真を撮っている人が多かったような気がします。。。
そして、次に向かったのはグエル邸へ。
ガウディのパトロン、グエル氏の邸宅です。
ガウディの初期の頃の作品ですが、後の作品と共通したものも多いです。
ただ、当時の工芸品の寄せ集め感もややあります。
ここからいらないものは削り取り、
大切なところは進化させていったんだと思います。
竣工当時は石切場と揶揄されたカサミラ。
こちらは最晩年の作品です。
以前は装飾的に見えていたものが、今見るとそれほど装飾に見えないのはなぜなのか?
一般の方には屋上が人気のようですが、
個人的には屋根裏のこの空間がもっともしびれます。
その屋根裏の模型がこちら。
いま、作っても全く古くない、素晴らしい空間です。
足早にガウディとミースを一日で再訪しましたが、
改めて天才との差を再認識させられた感じで、完全にノックアウトです。
明日からまた精進しようと思います!