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村野藤吾の「佳水園」に宿泊

村野藤吾氏が設計した「佳水園」に泊まりました。
京都、蹴上の都ホテルの中にあります。
今はウェスティン都ホテル京都という名前になってしまい、
日本人としてはちょっと寂しいですね。
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佳水園」はホテルの一角にある数奇屋建築。
こちらが、その入り口の門。
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こちらの門をくぐり抜けると・・・
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雰囲気が徐々に変わっていきます。
敷き石も、少しづつきちんとしてきます。
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基本的には、この庭に面して客室が配置されています。
客室数20室のこじんまりした建物で、低く抑えた庇が印象的。
昭和の数奇屋建築の名作です。
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桂水園で最も素晴らしい空間は、このロビーではないでしょうか。
低い天井のこじんまりした空間ですが、とても落ち着きます。
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庭に面して雁行した形状になっています。
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ホテルなので基本的には共用部は土足ですが、
落ち着いた和のエッセンスが感じられます。
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廊下は暗く、狭く、天井が低い。
だからこそ、外の風景が広く、美しく見えるのでしょう。
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客室はこのような感じです。
俵屋のような高級旅館をイメージしていると、ちょっといまひとつですね。
お値段からすると仕方がないのですが、
あるいは、村野藤吾の名作ゆえに手がいれられないのかわかりませんが、
水周りや白い蛍光灯の照明など、
時代と共に手をいてれいった方が良いように思いました。

北海道建築見学ツアー

僕が実行委員を務めるJIA建築セミナーで、
2泊3日の「北海道の建築ツアー」に行ってきました。
北海道に拠点を置く建築家の五十嵐淳さんの建築を見学した後、
旭川駅、岩見沢駅を経由して札幌、上遠野邸に向かうルートです。
予想以上の参加人数で大型バスでの移動となりました。
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五十嵐さんの自邸「矩形の森」と隣のアトリエを見学。
天候はあいにくの雨。
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「矩形の森」で五十嵐さんと歓談。
五十嵐さんとは以前より面識がありましたが、
佐呂間はさすがに遠く、念願かなってようやく訪問できました。
北海道の建築なので、できれば寒い冬に体感してみたかったです。
この他に2つの新作を見せて頂きました。
網走湖の湖畔沿いのホテルで五十嵐さんの講演会。そしてそこで一泊。
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旭川ではDOCOMOMO100選の旭川市庁舎を休日のため外観だけ見学。
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内藤廣氏設計の旭川駅から岩見沢駅に移動。
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一昨年、建築学会賞を受賞した「岩見沢駅」を経由して札幌へ。
夜は五十嵐さんを囲んで、実行委員長の工藤さんと堀場さん他数名で、
お酒を飲みながら歓談して・・・
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最後の締めは五十嵐さんお勧めの札幌の夜景が眺められるバーへ。
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3日目は上遠野邸以外は自由行動。僕は朝早く起きて、
アントンニン・レーモンド設計の札幌聖ミカエル教会に行ってきました。
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丸太で組んだ架構が素朴かつ美しい内部空間になっています。
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構造計算上は複雑なことになる木の交わり方ですね。
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DOCOMOMO100選の60年代の名作と言われている上遠野邸。
以前から伺いたかった住宅のひとつです。
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ミースのファンズワース邸に影響されたとのことですが、
桂離宮の月見台をイメージされたというテラスもあります。
北海道の寒い大地に根差した名作です。
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ファンズワース邸と決定的に違うのは外壁です。
この煉瓦の質感はおもわず触れたくなりますよね。
建築家の職業病のひとつです(笑)。
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上遠野邸を設計した上遠野徹さんの息子さんの克さんも建築家。
詳しく、ご説明して頂きました。
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最後は北海道大学のモデルバーンへ。
数年前から一般公開された北海道の重要な木造建築。
北海道の厳しい自然環境に建つ建築を体感して、
風土に根差した建築のあり方を考えさせられた3日間でした。

京都、嵐山花灯路

仕事の帰りに京都に立ち寄り、嵐山のライトアップを見てきました。
京都はまだ紅葉の季節ということもあり、予想通りの混雑でしたが、
写真で撮るとその喧噪も感じられず(?)幻想的です。
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小路に沿って灯りが置かれていて、
竹林はところどころにライトアップされています。
光と闇の対比、さらに白と青の光を使って、
竹林の奥行きを表現したかったのでしょう。
つい、仕事柄、照明計画の視点で見てしまいます。。
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そして、仕事柄、ライトの位置とその角度をチェックしてしまいます(笑)
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恐らくここが「竹林の小径」の見せ場のポイントですが、
人、人、人・・・・・。竹林沿いの灯りが全く見えません(笑)。
人がいない静かな時に通って見たいものです。
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渡月橋と山の木々がライトアップされていました。
明日、12月18日(日)までライトアップされているようですが、
かなり混雑を覚悟の上、お出かけください。

「八勝館」

名古屋市八事の老舗料亭「八勝館」に行ってきました。
「八勝館」で食事をしたのは初めてでしたが、
以前、近くに住んでいたので、大変懐かしくもありました。
それはさておき、
「八勝館」は北大路魯山人ゆかりの料亭として知られていますが、
建築界では堀口捨巳の設計した名建築として有名です。
docmomoにも選ばれており、近代以降の数寄屋建築として代表的なもの。
八事は名古屋における有数の起伏の富んだ高級住宅地ですが、
その地形を生かしたお庭もお見事です!
紅葉の美しさが時が経つのを忘れさせます。
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こちらの建物がエントランスとなります。
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こちらが有名な「御幸の間」です。
近代以降の数寄屋建築の最高傑作。
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ここも有名なカット。
庭と室内を曖昧につなぐ中間領域です。
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結婚式の前に見学させてもらいました。
そして、お庭を散策です。
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小雨が降っていましたが、石畳が濡れてこれはこれで良い感じ。
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少し疲れてきたので、こちらで一休み。
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滋賀県甲賀より移築した離れの「田舎家」も庭に花を添えます。
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こちらの縁側はこんな感じ。
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瓦を差し込んでいます。
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食事は3人だけだったので、こちらの小さな個室で。
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外気を取り入れるこの市松の建具。
日本の美意識に感服!さらに庭の方にいくと、
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庭とのつながりが素晴らしい!!
日本人に生まれて良かったと思うひとときでした。

八ヶ岳のアフガン

遠出の現場の楽しみのひとつはやはりごはんです。
「八ヶ岳の山荘」の現場を少し北上したところに
俳優の柳生博さんがオーナーで有名な「八ヶ岳倶楽部」があります。
そしてその並びに「アフガン」というカレー屋さんがあります。
ここは前から気になっていたお店でしたが、予約ができず、
いつも行列しているか、閉まっているかのどちらかで、
行きたいと思ってからかれこれ10年近くも経ちます。
今回はようやく「アフガン」のカレーにありつくことができました。
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紅葉が始まった八ヶ岳のカレー屋さん「アフガン」。
近くの八ヶ岳倶楽部の紅葉も美しく、
のんびりしたひとときが過ごせました。
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こちらは1階のエントランス。
平日というのに、30分ほどこちらで待って、
ようやく席につくことができました。
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天井を見上げたところ。
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これが待ちに待ったカレーです。
評判の「卵ベーコンカレー」1600円。
大きなベーコンがウリのようですが、ちょっと大きすぎ?
カレーじゃないみたいです。
期待があまりに大きかったこともありますが、
値段、待ち時間を考えると味はわりと普通でしょうか・・・?

入笠山

日頃運動不足ということもあって、
久しぶりの登山はハイキング程度で・・・
ということで、今回は入笠山へ。標高1955mです。
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山頂からは360°の大パノラマということでしたが、この日はあいにく霞んでいて、
その素晴らしいはずの展望を拝むことはできませんでした。
晴れていれば北アルプスまで見えるそうです。
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帰りは途中からゴンドラリフトで八ヶ岳連峰の眺望を楽しみながら下山。
その下の急斜面にはなんとマウンテンバイクが・・・
ここは日本最大級のマウンテンバイクフィールドだそうです。
上はゴンドラ、下はマウンテンバイク。
この上下のギャップを撮りたくて、
しばらく眺望どころではありませんでした。(笑)

富弘美術館

一路、富弘美術館へ。
2006年に日本建築学会賞の作品賞を受賞した、
ヨコミゾマコト氏設計の美術館です。
高崎から北東へわたらせ渓谷沿いをひたすら走ります。
ふと気付くと、どこからか「もしもしカメよ~♪」のメロディーが・・・
スピード注意のためか、居眠り防止のためか、
特殊な舗装面を走ることで、聞こえてきているようでした。
後で調べたところ、メロディーロードなるもの。
群馬ではメロディーラインというらしいです。
そしてようやく到着。
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建物内は撮影禁止のため、この美術館の特徴は他に任せるとして・・・
わたらせ渓谷上流の草木湖を見渡す、豊かな自然の中に建っています。
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唯一撮影可能なカフェ。
ここでひとしきり、星野富弘さんのことや詩について考えたくなります。
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展示内容についてはこの時初めて知りました。
「富弘美術館」という名称の建築として捉えるばかりで、
恥ずかしながら、星野富弘さんという方をこの時までよく知りませんでした。
建築よりも星野富弘さんの生き様に深く感銘。
今度はわたらせ渓谷鐵道で行ってみたいです。

高崎名物・ソースかつ丼

そして高崎から移動する前に、お昼ごはん。
高崎名物のソースかつ丼・・・と言いたいところですが、
ソースカツ丼ではなく、お店伝統の和風ダシのカツ丼です。
時間がなかったのでテイクアウトして車の中でいただきました。
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栄寿亭 カツ丼(玉子なし)¥400。 安い!

群馬県立近代美術館

翌日は同じ高崎市内にある群馬県立近代美術館へ。
磯崎新氏設計の1974年竣工の美術館です。
当日の企画展は『司修のえものがたり―絵画原画の世界』。
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多くの人の記憶に残っている絵本や物語で描かれた絵の原画です。
絵をみて思い出す方も多いのではないでしょうか。
物語の世界観を絵で伝えるという情熱が、とてもよく伝わってくる企画展でした。
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群馬音楽センター

同じく、アントニン・レーモンド設計の群馬音楽センター。
鉄筋コンクリートによる折板構造という特徴ある構造が美しくわかりやすい。
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稜線のシャープさに目を奪われますが、
雨水処理の仕方がこれまた興味深い。
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その構造とコンクリートの力強さが内部にも表われてます。
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2階ホワイエ。
当時のスチール製カーテンウォールのディテールにくすぐられます。
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全景が撮れないので模型で。