ヘルシンキ朝6時30分発の特急に乗り3時間でユバスキュラに到着。
ユバスキュラはアルヴァ・アアルトが育った街であり、最初に事務所を開いた街。
そんなこともあって、この街にはアアルトの作品がたくさんあります。
しかしながら、ヘルシンキにその日中に帰らねばならないハードスケジュール。
ユバスキュラから少し離れた所にあるアアルトの代表作、
セイナッツァロタウンホール、ムーラッツァロの実験住宅「夏の家」
を見るのが今回の最大の目的であったので、
セイナッツァロに行く途中にあるユバスキュラ大学にだけ立ち寄りました。
こちらもアアルトの作品で、特に食堂が有名です。

食堂の素朴で、かつ美しい屋根の木架構。
左側が中庭に面した大きな開口、右側にハイサイドライト。

ハイサイドライトからの光が屋根面を照らしています。

こちらの食堂で朝食(早い昼食?)を頂きました。
物価の高い北欧ですが、学食はリーズナブル(5.2ユーロ)。
皿に載る範囲なら食べ放題なので、山盛です。

食堂の外観(ハイサイドライト側)です。

食堂の中庭。
北欧28 / キアズマ
ヘルシンキ駅のすぐそばにある現代美術館「キアズマ」。
北欧7カ国の建築家と世界の著名建築家による公開コンペが行われ、
アメリカの建築家、スティーブン・ホールが1等に選ばれたそうです。
スティーブン・ホールは僕の好きな建築家の一人で、
一昨年はアメリカでセントイグナチウス、ベルビュー美術館を見ました。
光の魔術師が作り出す素晴らしい空間です。

エントランスの反対の「フィンランディアホール」側から見た外観。
左側が駅、右側は道路を挟んで国立博物館があります。
緩くカーブした美しいフォルムをもつボリュームと、
やや高さを抑えた直方体のボリュームとの組み合わせは、
この敷地条件にとてもしっくりきます。

ヘルシンキ駅側は金属屋根で覆われてゆるくカーブしています。
トップライトの突起物がかわいらしいですね。

エントランスからスロープで上部の展示室に上がっていく。
パースペクティブな緩くカーブした曲線、
杉板型枠コンクリートを着色した壁面の素材感とトップライトに光など、
とても美しい空間でした。
![R0012788[1].jpg](https://mds-arch.com/blog/wp-content/uploads/R00127885B15D.jpg)
展示スペースもスロープで緩く連続しています。

展示スペース。
スチーブンホールらしい独特な開口部が随所に設けられています。

最近、世界中のどこの美術館もレストランに力を入れているように思います。
こちらのカフェも広場に面した明るくさわやかなインテリア。
ランチはとてもお得感があり、味もなかなかでした。

夕方になると、美術館前の芝生の広場はビールを持ち込む若者たちで一杯。
白夜の夜は長く、短い夏を満喫しているご様子。
日大卒業設計審査会
2月は卒業設計の審査会のシーズンです。
先週、日大生産工学部の審査会に行ってきました。

体育館に100作品くらいが展示してあり、そこから各審査員が8点選出し、
その上位十数名が2次審査に進みました。

2次審査は、学生のプレゼンテーション、その後質疑応答があり、
各審査員持ち点6点を、3作品に分配するというルールでした。
2等は2作品が同点になり、審査員の間でディスカッションの後、
再度投票を行い、順位が決定しました。

惜しくも敗れた3等の作品です。
審査員が変われば順位は変わっていたと思います。
これをバネに頑張ってほしいものです。
ちなみに、僕は今年の中で一番良い作品と思いました。

MDSにオープンデスクとして来てくれた巣木君の作品。
3位入賞は果たせませんでしたが、上位に食い込み、デザイン賞を受賞。
稜線くっきり
引渡し前の施主検査。
週間天気予報では「暴風雨」
だなんて
予報も一時ありましたが、あれは一体何だったんでしょう?
見事に晴れ渡り、屋根の稜線くっきりです。

なんとも可愛らしいお家が出来ました
それにしても「暴風雨」のお天気アイコン、滅多にお目にかかりませんね。
作品展示@ハービス PLAZA ENT
昨年末に公開審査のあった六甲山上の展望台のコンペでは、
MDSは惜しくも2等で実施を逃してしまいました。
2月19日まで大阪、西梅田のハービスPLAZA ENTで、
入賞(5点)+佳作(7点)の作品展示が行われています。
【期間】2月3日(火)~2月19日(木)
【時間】11:00~20:00
【会場】ハービスPLAZA ENT3F

神戸の知人が写真を送ってくれました。
ショーケースの左下の模型がMDSのもの。
詳細はこちら。
冬と言えば・・・
冬といえば・・・

何かって言うと

ふぐたちです。
今か今かと待っているのか、
いやだいやだと身を寄せ合っているのか、
その心はふぐたちにしかわかりません。
そしてザブンと鍋の中へ

とらふぐの皮はコラーゲンの宝庫(らしい)。そのコラーゲンを出汁に溶かしたてっちりです
写真はまだ具が入る前の鍋です。
コラーゲンゼリーなるものが出汁の中に放り込まれ、
あっという間に溶けてしまいました。
今時の鍋はIHなんですね。
IHヒーターの上に土鍋ではなく、
防水紙を金属プレートで押えた竹篭が鍋代わりになっていました。
竹篭でてっちりだなんて、ちょっと変わった風情があります。
北欧27 / 白夜のヘルシンキ
北欧の冬は夜がとても長いが、
夏は「白夜」で12時頃(?)でも薄暗いといった感じ。
ところで、路面電車はなぜか絵になります。しかも、とても便利。
日本にも広島、富山、京都などなどでも走っているところあると思うが、
東京は荒川線以外はなくなってしまったのがとても残念。
交通渋滞が主な理由だと思うが、もう一度再考すべきことのように思う。

この写真は確か10時半頃。白夜のヘルシンキはいつまでも暗くならない。
北欧26 / 文化の家
こちらもアアルトの作品で、外壁のレンガに特徴がある。
フィンランドの共産党の建物「ヘルシンキ文化の家」としてつくられたが、
その後、建物は売却されてラジオ交響楽団と美術館局建築史部となっている。
残念ながら休館日で、中には入れなかった。

外観の全景。

特殊レンガのディテール。
角がないだけでなんとなく印象が変わって見えます。
レンガも奥が深いですね。
北欧25 / シーフォース
ドル、ユーロが暴落している今となっては、
昨年の夏はなんだったのでしょう?と言いたくなる。
私たちが北欧旅行していた頃がユーロの史上最高値だったのではないだろうか?
1ユーロ170円くらい、今は115円だから、
今行けば半年前の約7掛けで行けてしまうと思うと悔しい。。
円安でなくてももともと北欧は物価が高いので、
どうしても食事の質、量ともに落ちてしまう。
そんな中で、安くて量が多くて食べきれなかったお店。
予約しないで行ったら入れなくて、別の日に予約して再度訪問。
味もおいしく、北欧の料理を満喫。

友人に紹介してもらったシーフォースというお店。
中心部からトラムで移動しなけらばいけないが、
街が小さくあっという間につく距離。

フィンランドの定番料理「サーモンのクリームスープ」。
サーモンと大きなじゃがいもがたっぷり入っている。
ハーブも効いていてとても美味しい。

日本人にしては特に目新しい味ではないが、
こちらもフィンランドの定番料理の「ニシンのフライ」。
バルト海の新鮮なニシンのフライが何層にもにも重なっていて、
食べても食べてもなくならず、旅行中初めて残してしまった。
北欧24 / フィンランディアホール
アアルトの晩年の作品、フィンランディアホール。
コンサートホールと大会議場からなる建物。
こけら落としはシベリウスの「フィンランディア」が演奏されたそうだ。
毎週土曜日にガイドツアーがあり、それに参加した。
アアルトのスタジオ、自邸、夏の家などもガイドツアー(英語)があって、
名建築がきちんと観光のために使われている印象を受ける。
参加している人はやはりヨーロッパの人が多く、専門家に限らず家族連れもいる。
その時間にあわせて行動するので、
あちこちの建物で当然同じ人に会うことになる。

外壁はイタリア産大理石のビアンコ・カラーラ。
アアルトがイタリア旅行をした時に大変気に入り、
どうしてもこれを使いたく使ったそうだが、
ヘルシンキの寒さが厳しくて割れてしまったそうだ。
芝生の上に置かれているオブジェ(円柱状のもの)は、
その割れた石を集めてつくったもので、
日本人アーティストの作品のようです。
やはり気候にあった素材を使うのが基本なのではないでしょうか。

その問題の大理石のアップ写真です。

こちらが内観。
紺青の部分は木製音響壁。
>暮らしの空間デザイン手帖/改訂版
>暮らしの空間デザイン手帖
>日本建築師才懂の思考&設計/台湾