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「大岡山の家」施主検査

大岡山の家の竣工検査に行ってきました。周囲が建て込んだ、隣地二辺との高低差の大きい旗竿敷地に建つジグザクの平面プランの住宅です。南の庭の他に、隣地の古い擁壁の補強のために盛土した奥の庭、竿の部分のアプローチを彩る前庭、この3つの庭に開く平面構成としています。
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突き当たりはダイニング、右は奥の庭、左奥はキッチン。

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南の庭に面した1階は水回り。2階リビングから1階奥のエントランスホールへ、この時期は太陽光が差し込みます。

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左奥が奥の庭。右側は旗竿敷地の竿の部分、前庭です。道路からは前庭越しに建物が顔を覗かせ、奥の庭まで見通せるようになっています。庭と街との距離感を多様に計画しています。

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あとは照明の調整をして引き渡しです。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学2年生の本年度最後の全体講評会。課題は低層にフィットネスジムの入った「スポーツ施設を内包した集合住宅」。低層の施設の天井高さはまちまちな上、求められるている容積も高いので、2年生の課題としてはかなり難しい課題だと思います。9班から優秀者3名選出して、発表、講評。そして、最後に投票して上位4名を選びました。 
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こちらは森班瀧内さんの発表風景。最後の投票で3位になりました。おめでとうございます!
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天井高の違う諸室の天井を揃えて、地盤面から埋まった高さを変えています。道路面から見える高さに2階レベルを抑えて、光のきちんと落ちる中庭プランとすることで街に対してとても気持ちの良い雰囲気を醸し出しています。中庭プランはプライバシーと採光の観点からすると、なかなか上手くいかないものですが、それもキチンと解決した力作です。
今年は(も?)飛び抜けて優秀な人はいないですが、設計を楽しみにながら頑張っている人が多いですね。仲良く競い合っている雰囲気も良いと思います。設計はセンスやスキルも必要ですが、大切なのは努力の持続(?)。まずは設計が楽しくないと何も始まりませんから。。。今後に期待してます!

「鎌倉浄明寺の家」久しぶりの訪問

久しぶりに鎌倉浄明寺に行ってきました。
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大屋根の軒先は低く抑えられ、2階の床は軒先側にいくほど天井が迫り、あえて立つことができるのは中央付近のみとなるようにして、
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その中央に背丈を超える大きい家具を置き、方形屋根の架かる四辺それぞれは、山と谷、集落、そして空が眺められる恵まれた環境で、それに呼応するように軒先をめくり上げ、景色の違う4つの間をつくりだしています。

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めくり残した軒先四隅は、床を切り欠いて1階からの吹抜けとし、上下階を繋いでいます。そこは猫の楽園です。猫たちもお気に召して頂けているようなので、ホッとしました(笑)

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夫婦2人と猫2匹が、それぞれ思い思いに過ごし共存できる居場所があちらこちらに、、、

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2階と全く雰囲気の違う1階。猫のための出入口もきちんと用意されています(笑)。こだわり抜いた家具と小物、素晴らしい住まい方に脱帽です。

外構工事@松濤

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すでに建物はお引き渡しを終えた松濤のプロジェクトの外構工事は今が大詰め。駐車場のコンクリートに一二三(ひふみ)石を埋め込みます。一二三石といえば修学院離宮の隣雲亭などが有名ですが、造園設計の戸田先生をお手本に職人さんが石を敷き詰めていきます。その後、別の場所で打ち合わせをして、戻ってみると、、、
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この通り!素晴らしい!一二三ではなく一二三四五ですね(笑)。
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門を潜って雁行させて玄関に辿り着くようにしているのですが、こちらは石を敷き詰めているところ。
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木の正確な位置や向きも、一本一本あちらこちらから見ながら決めていきます。
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2年ほど預かっていただいて松も茶室の前に植わりました。
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そして、苔を貼って、、、、
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ほぼ完成。あとは門と塀、そして照明のセッティングを残すのみ。

「松濤の家Ⅱ」お引渡し

松濤のプロジェジェクトの本宅と茶室、ようやくお引渡しをすることができました。昨年の夏には賃貸棟が竣工しましたが、そもそもお話をいただいたのは3年半前。住宅としてはかなり長期スパンのプロジェクトでしたが、一旦、ストップといったようなこともなく、擁壁工事、解体、外構工事なども含めて、流れるようなスケジュールで進めて参りましたので感無量です。
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こちらは本宅の玄関を入ってすぐの和室。格子の障子を開けると、白梅の巨木があります。残念ながら庭はまだ工事中で、あともう一息。
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和室からリビング方向を見るとこんな感じです。
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ファミリーゾーンとフォーマルゾーンは扉で仕切ることもできます。
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扉にはめ込まれているのはアンティークガラス。
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ダイニングキッチン
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その扉を開けると正面に階段、左側はフォーマルダイニング。
そして、壁は既存再利用の大谷石。2階に上がると・・・・
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壁面がガラス貼りのバレエスタジオ。
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ルーフテラスにはジャグジーがあります。1階のプライベートのバスルームとは別に、2階にはゲストを招くことを想定したサウナ付きのバスルーム。

全体講評会@日本大学

日本大学生産工学部の全体講評会がありました。日大は前期は3年生、後期は2年生を担当しているのですが、クウォーター制なので後期も二ヶ月間のみ。他の大学ですと半期で行う美術館とオフィスの2つの課題を二ヶ月で行い、講評会も午前と午後で二つの課題を1日で行うといったハードスケジュール。学生にとってはかなり大変なカリキュラムですね。
作品の総評としましては、オフィス課題はあまり面白いものがなかったのですが、美術館はいくつか良いものがありました。限られた時間の中での力作だとは思うものの、着想したものがそのまま案になったようなものが多く、スタディを繰り返したもう少し踏み込んだ提案を見たかったという印象です。
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こちらは木田くんの美術館の作品。傾斜地に合わせてチューブ状の空間が配置されていて、そのチューブとチューブに挟まれたスペースとチューブが色々な繋がり方を持つことで、建物全体が魅力的な建築となっています。とても素晴らしい案だと思います。今後が楽しみですね。

植栽と巨石の大移動

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松濤のプロジェクトの本宅と茶室の足場が外れていよいよ外構工事。
戸田先生の見守る中、茶室と賃貸棟の間に黒松を移動中。
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大きな樹木の配置が終わると、次に巨石の大移動。
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チェーンで吊り上げて、くるっと回します。
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重機も使いますが、、、、なかなか大変そうですね。
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そして、一週間後はこんな感じです。
飛び石が良い感じに配置され、ワクワクしてきますね。

全体講評会@東京理科大学

東京理科大学の設計課題の全体講評会がありました。今回の課題は昨年同様、銀座数寄屋橋交差点、ソニービル跡地に、高層の美術館を計画するといった2年生にしてかなり難易度の高いもの。
講師9人が先週の班ごとの講評会で優秀者2、3名を選び、本日の全体講評会では22名が発表。各案ごとにコメントして、最後に各講師4票を優秀と思われる案に投票。票の多い順で順位を決めるという流れです。
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一等は森班、四方さんでした。ガラスと壁で仕切られた内部空間と半外部空間が複雑に積層された完成度の高い作品です。他の先生方からも、代官山のヒルサイドテラスを高層化したような雰囲気だとか、緻密に動線がスタディされているなど、高い評価をされました。ELV、階段といったコアをコンパクトにまとめて、半外部のテラスを水平方向と垂直方向、両方にとりつつも、きちんと一筆書きで見て回れる美術館としての動線、機能を満足させているところが素晴らしいですね。
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2等は上島くん。前期は森班でもっとも頑張っていた学生で、案も良かったと思うのですが、他の先生方にはあまり評価されず(笑)、、、
今回、初めて上位入賞できて良かったですね。
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そして3等は小林くん。彼も前期は森班。今回、班が違っても自分が教えた学生が上位に残ると、自分のことのように嬉しいものですね。
設計課題で順位をつけるゲーム感覚の行為は否定的な意見もありますが、学生のモチベーションも上げることに大きく影響しているようです。次の集合住宅の課題も引き続き頑張りましょう!

「松濤の家2」大谷石

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いよいよ石工事が始まりました。こちらは、駐車場と勝手口を仕切る壁。もともとこちらのお宅の擁壁で使われていたものを再利用しています。安全性を考慮して、スチールのレールに引っ掛けるように取り付ける乾式工法でセットしていますが、、、、
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完成すると、このように組積造のように見えるようにしています。再利用ならではの風格が出ていますね。大谷石はここ以外に、ダイニングの大壁面やエントランスなどでも使っています。

「松濤の家2」「松濤の茶室」足場解体

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「松濤の茶室」仮囲いがとれました!
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そして、本宅「松濤の家2」の足場も外れました!
茶室はリビングからこのように見えます。
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造園設計の戸田さんが職人さんに、石組みの指示を出しているところ。
竣工に向けてラストスパートです。