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年輪

沖倉製材所で、木についての分かりやすいお話を聞いたので、少しだけご紹介。
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写真の丸太を外形だけ比較とすると、ほぼ同じくらいの太さですが、
左は杉の50年もので、右は天然檜(テンピ)の250年もの。
基本的には年輪が詰まっている方が価値があります。
そもそも檜と比べて杉の方が成長が早いのですが、
樹種が同じでも、場所や環境によって太くなるスピードは様々。
間伐や枝落としなど手間をかけると年輪にもそれが現れ、
育った環境が全部わかるとのこと。
ところで、杉は中心部は赤く、外側は白く、
製材した時に混ざったものを源平と言います。
ちなみに、赤身は成長がほぼ止まった部分で、
白身は水を吸い上げる部分ですが、
赤身は虫は食べないので良いとされています。
若い木を切った断面は赤身の占める割合は少なく、
歳をとるにつれて赤身の割合が多くなるようです。
年輪と赤白の区分のラインは一致していないのですが、
そもそも、どのタイミングで白身から赤身に変わるのか、
理由がわかっていないとのこと。
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ところで、節はどのようになっているかご存知ですか?
一番上の枝をとりはずすと、、、、
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こんな感じで節が入っています。
この節はどこまで奥に入っているのか興味深いですが、
枝の部分を真っ二つに切って開いて見ると・・・・
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なんとセンターまで入っています。
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つまり、このような丸太から、フローリングのような板を切り出すと、
ほとんどに節が入ってくることになります。
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右の一番外側の4枚は別として、左数枚以外は全部、節が入っていました。
デザイン上、節の無いものだけを集めて使うこともありますが、
木材の伐採現場や製材所などを拝見させていただくと、
無節のものだけを使うことに違和感を感じてきますね。
木は奥が深いです。。。

東京の林業

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東京都の方に伐採現場およびその関連施設を案内していただきました。
ところで、
東京都の約三分の一の5万ヘクタールは森林ということをご存知ですか?
平野部は都市化されましたが、多摩地域の傾斜地では森林が広がっていて、
その6割が植林で、そのほとんどが伐採の時期がきているとのこと。
ただ、写真のように30〜40度くらいのかなり急斜面に植林されているので、
搬出コストが高く、放置された山がかなりあるようです。
毎年、春になると悩まされる杉花粉。
東京の植林は歴史は浅く、戦後になってからだそうで、
山の頂上付近はモミと松、その下2割が檜、裾野あたりの7割が問題の杉。
実は伐採の時期を迎える樹齢30年くらい頃から急激に花粉が多くなるようで、
東京都は花粉対策として(その他、色々な理由があるそうですが・・・)、
10年程前から杉の伐採に力をいれているとのこと。
伐採後に植える杉の花粉は、伐採した杉の100分の1とのことですが、
その時期にならないと正確なところはわかないようです。。。。
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枝はその場で落とした後、ある程度長さに切って、
ここから運び出すのですが、とても大変な作業ですね。。。。
ご存知の方も多いと思いますが、日本の林業は一部のブランド材を除くと、
外国の安い木材とは全く競争力がなく、森は放置されて荒れています。
東京都のようにお金のある自治体は、助成金で林業を支えることができますが、
日本全体としては深刻な状況です。
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道路のある所に運び出された丸太は、その場で3mもしくは4mに切って、
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トラックへ。
あちらこちらの山々から切り出された多摩産材は、
日の出町にある多摩木材センターへ集められます。
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こちらは、木材市場に並べれた風景。
手前は太い丸太一本または二本毎で、次の列は6本から10本、
さらに奥は細い丸太が沢山積まれていますが、
それぞれを椪(はい)と言い、その椪ごとに競りをするそうです。
杉の丸太(手前の二本くらい)で1立米1万円、檜は2万円が相場で、
30〜50年手入れしてこの値段では全く林業は成立していないですね。
丸太から製材にする時に30%のロスがあり、その他乾燥で立米1万円、
人件費や輸送費など、コストアップしていくのは当然ですが、
最終的にはその5〜10倍くらいの値段となるようです。
そして、あきる野市の沖倉製材所へ。
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まず、丸太の皮を剥く機械へ。
一往復すると・・・
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こんな感じに!
さわると、とても湿っぽい水をたっぷり含んだ状態です。
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皮、端材を燃やしてボイラーを動かし、
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こちらの乾燥機で製材した木材を乾燥させます。
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こちらは含水率とヤング係数を計る機械。
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その値が、モニターに表示されます。
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その値が刻印されて、
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ようやく120角の柱材に。。。
植林してしからですと、とても長い道のりですね。
伐採してからここまでは4ヶ月ほどと意外と短い気もします。
いろいろと勉強になった一日でした。どうも有難うございました!

冬の風景@昭島の家

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今年の夏に竣工した「昭島の家」に数ヶ月ぶりに行ってきました。
夏は木陰をつくっていた窓一面の緑はすっかり葉を落とした冬の風景です。
リビングの奥深くまで、サンサンと日が差し込んでいました。
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親世帯のコタツでお茶を飲みながら、
土間越しに眺める祠がとても絵になります。
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親世帯と子世帯とはきちんと扉で締め切ることもできますが、
その扉を開けると・・・
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障子でゆるく繋げることもできるようにしています。
万一、何かあった時には、ここから行き来できるのは安心ですね。
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巨木が葉を落とした冬の散歩道のような美しい風景です。
親世帯の玄関を通り過ぎた先に子世帯の増築部分があるのですが、
外観も親子の不即不離の関係をとても大切にしています。
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親世帯と緩くつながる子世帯の玄関周り。
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親世帯から見ると、建てもの越しに奥の風景が見える抜けを大切にしつつ、
子世帯の気配が感じられるような微妙な距離感をとっています。
工事中に転勤になってしまいましたが、早く東京に戻られて、
ここで暮らされることを願っております(笑)!

自由学園明日館にて

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フランク・ロイド・ライト設計の自由学園明日館。
10年程前の友人の結婚式以来、久しぶりに行ってきました。
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東京理科大学山名研究室の15周年パーティー。
出版、大学の関係者や、建築家など久しぶりにお会いする方も多く、
また、名建築も見学が出来て良かったです。。。

アンダーズ東京にて

大成時代の友人の勝野氏と久しぶりの再会。
今はKPFで偉く(?)なっているようです。
KPFはニューヨーク、ロンドンなどに拠点を置く大手組織事務所ですが、
六本木ヒルズ、名古屋駅のセントラルタワーズなどの設計で、
日本の方でもご存知の方も多いと思いのではないでしょうか。
勝野氏が大手町タワーの外装デザインを担当し、
そこに入っている超高級ホテルのアマンはケニー・ヒルの設計で、
その建物本体および総括は大成建設の設計部。
今回の帰国は、その建物でBCS賞を受賞し、その授賞式の出席のためとのこと。
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虎ノ門ヒルズの上層部に入っているアンダーズ東京に宿泊とのことでそちらに。
虎ノ門ヒルズの低層階からは、ホテルの入り口がやや分かりにくく、
明るさを抑えたこちらの通路の先のELVホールを通って、ロビー階の51Fへ。
ややホスピタリティーは・・・という印象。
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こちらがフロント。大きなテーブルに取り囲むように、
Macでチェックインをする現代的な方式(?)。
折角なので、客室も拝見させていただきましたが、
暗いエントランスと比較すると、逆にやや明すぎる感じでした。。。
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食事は51階のロビー階隣りのレストランで。
そもそも今回は大成の国保氏からのお誘いでしたが、
大手町タワーで勝野氏と一緒に仕事をしたとのこと。
国保氏は大手町タワーは8年越し、
今は6年越しのホテルオークラの担当とのことで、
すっかり住宅に慣れた僕にとっては気が遠くなるような長さです。。。
話題の新国立競技場と同様、特別の部署ができるほどの規模のようですが、
取り壊されたオークラのあの有名なロビーは復活されるようですね。
旧友たちとの久しぶりの再会は、とても有意義でした。

室伏次郎氏の自邸見学

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先週の野沢邸に続き、今週末は室伏邸を見学させていただきました。
実際に中を拝見させていただくと、
単純な構成でありながらも、しっかりしとした場が生まれていて、
時を超えた深みのある心地よさを体感させていただきました。
きちんとしたサポートをつくった上で、
センスの良い暮らしがつくるインフィルが、
空間の質をあげているように思いました。
野沢邸と室伏邸は、見た目もつくり方も全く違ったものですが、
共通点も多かったように思います。
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室伏次郎さんと野沢正光さんの対談風景。
お忙しい中、2週続けてのご協力、どうも有難うございました。

茶室の実測調査

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日本庭園をできるだけ保存しながら住宅を建て直すこちらのプロジェクト。
京都から移築されたこちらの茶室は、
若干、補修はするものの敷地内で移築することに。
解体前に水澤工務店による実測調査が始まりました。
とても難しいプロジェクトですが、少しずつ前に進んでいます。

フランス流(?)の設計課題@東京理科大学

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東京理科大学二年生後期二つ目の設計課題は、
毎年恒例の山名先生のフランス流(?)のもの。
30m×30mのフラットな床3枚と6本×6本の均等グリットの柱の空間に、
自立した壁と吹き抜けとトップライトのみで、
いかに豊かな空間を作り上げるか?というもの。。。。
それに加えて、模型ではなく、パースを描きながらエスキースするという、
2年生にはちょっと難しい課題ですが、
あるレベル以上の人にとっては、その面白さが分かるはず(?)。
まずはモダニズムを理解させるという山名先生の方針。
さずが西洋美術館を世界遺産に導いた先生の課題ですね。
それでは、学生諸君、がんがんパースを描きましょう!

吉村順三の旧園田邸

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大木に埋もれるようにひっそりと建つ吉村順三氏設計の旧園田邸。
吉村順三という建築家の名前は、
学生にとってはトレース課題の軽井沢の別荘などで、
あるいは俵屋旅館の設計者としてご存知な方は多いはず。
旧園田邸に限らず、名作住宅は時代を超えて色褪せず、
今の建築家や学生も参考にするところが多いのですが、
そのような名作でさえも経済原理のもとでは、次々と壊される運命にあります。
それを食い止める活動をする住宅遺産トラストという団体があって、
その中心人物の一人である野沢正光さんに、園田邸をご案内していただきました。
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雑誌などでよく見かけるこちらのリビングの風景。
玄関からは一段下がったところにリビングがあって、
奥の方に天井を抑えた明るいソファエリア。。。。
住まい手が変わった今も、ほぼ写真と同じのオリジナルのまま保存され、
まだ現役で住まわれています。
このような状態で吉村さんの住宅を拝見できるのは大変幸せなことですね。