ここ数年、テロの脅威と難民問題など、
欧州の社会情勢が落ち着くのを待っていましたが、ますます悪化している状況なので、
それを待っていたら一生行けないような気がしてきて、
急遽(?)フランスに行くことに。
フランスはこれまに何度か行っているので、
今回は、あちらこちらの行きそびれていたところを廻ることに。
そのメインは建築巡礼のメッカとも言えるルトロネの修道院、、、
だったのですが、気がつくと、広域かつ数が増えていき、
いつも以上に、かなりハードなスケジュールになってしまいました(笑)。
日常業務も山積ということもあり、少しでも効率良くということで、
夜遅くに羽田を発ち、早朝パリに着くエールフランスで行くことに。
夜便に乗ったのは初めてでしたが、一眠りして起きたら目的地に着くので便利ですね。
今さらですが、、、忙しい時はこれに限りますね。
早朝、シャルルドゴールに着き、ホテルに荷物を置いてパリ北東、ル・ランシーへ。
オーギュスト・ペレ設計、世界初のRCの教会です。
これに似たものは(?)あちらこちらに見かけますが、
これが100年前につくられたというのですから、驚きです。
コンクリートでありながらも威厳に満ちた風格があり、
また美しい光まとった外周の壁に包まれる体感をしつつ、
内田祥哉先生のお話を思い出したりもしました。
南仏に行く途中、パリに立寄ったのは、このル・ランシーの教会の他に、
ピエール・シャローのガラスの家とアアルトのメゾンカレに行きたかったからです。
この住宅二つは予約してその時間に行かねばならないので、ちょっと大変。
シャローのガラスの家に行く途中、
ラヴィレットの南に出来たジャンヌーヴェルの最新作の音楽ホールに立寄りました。
が、中に入れず、少し時間があまったので、ルート上のノートルダム寺院へ。
何度か来たことがありますが、やはりゴシックにはやられてしまいます。
素晴らしいです。
マニアックなところばかり行くので(笑)、ほとんど観光客に会いませんが、
ノートルダム寺院は、当然ですが、人で一杯でした。
人ごみに来ると、、、テロが少し気になったりもします。。。。
そして、いよいよピエール・シャローのガラスの家。
既存の建物上部を残して、クリニックと住宅にしたものですが、
既存部分を鉄骨で支え、外壁をガラスブロックで覆っていますので、
内部空間だけ見ると、鉄骨造の戸建て住宅のように見えるのですが、
この建ち方自体がかなりユニークです。
内部空間が素晴らしいのですが、内部は残念ながら撮影不可。
実は、学生の頃から、数回、見学をトライしたものの叶わず、
今回、ようやく見学することができました。
その理由はいろいろあるのですが、難易度をあげているひとつは、
この外観が中庭に面しているからです。
今回もある程度はその状況は知っていたものの、
メールでやりとりした指定の時間より30分前(早過ぎた)に行ったのですが、
やはり、全く入り口がわからず、30分間うろうろする始末。。。。
時間ちょうどに自動でこちらの扉が開いて・・・・ホッとしました。
中に、あの有名な建物が見えるではありませんか!
今でこそ、インターネットである程度は調べることができますが、
2、30年前の学生の頃、自力で見学させてもらうのは、
相当難易度が高かったわけです。
そして、地下鉄でセーヌ川をわたり、ラロッシュ邸へ。
個人的にはコルビジェの住宅の中で最も好きな住宅です。
学生にパリに行ったらどこに行くべきですかと聞かれると、
こちらも(を?)おすすめするのですが、
本当に良いのか?と心配になり(笑)、学生の時以来の久しぶりの再訪。
やはり素晴らしい住宅でしたが、正直、期待していたほどの感動はなく・・・
それは、念願のシャローの住宅を見た後だったからなのか?
ただ、一度は絶対に行くべく住宅ですので、行ってない人は是非!
早朝から、長い一日でした。。。